メールがブラックリストに入って届かない時の『超実践』対処法ガイド

2023年1月13日

この記事を読んでいるということは、あなたのメール配信はブラックリストに入ってしまったのではないでしょうか。 少なくともそういったリスクが発生している状況だと思います。 そこでこの記事では速やかな対策について解説させていただきます。 大半の問題は解決するはずですので、まずは深呼吸をして、平静を取り戻した上でこのブログを最後までご覧ください。 慌てずに、しかし最速で、しかも根本的な対策を講じていきましょう。

ブラックリストとは?とその対策方針

そもそもブラックリストとは悪質なスパマーからユーザーを守るために、様々な団体が個別に運営するリストの総称であり、それぞれがユーザーからの報告や外部情報をもとに、独自の基準で判定し、常に追加/削除を繰り返しているものです。

そういった性質上、掲載基準は公正で公平であるという保証はありません。中には信頼性の低いものさえ存在します。そのため、クリーンな配信をしている企業でも一時的に掲載されるケースもあります。

何が言いたいかというと、ブラックリストに入ってしまうのは仕方がないことで、リスクを完全に排除することは現状不可能であり、故意に悪質な配信をしているという場合でもない限りはメール管理者に落ち度があるとは言い難いものだということです。

とはいえ、それだけを説明しても経営陣は納得しないしメール配信も再開されないでしょう。

そこで続いてはブラックリストに入ってしまった要因と何故避けられないのかについてお話をします。

ブラックリストに入ってしまう主な要因

①存在していないアドレスにメールを送ってしまいスパムトラップに引っかかる。
②メールを受信したユーザーのうち一定数から迷惑メール報告を挙げられる。
③問い合わせフォームなどが攻撃を受けていて、勝手に自社システムから悪質な配信をされてしまっている。

また、厳密にはブラックリストとは呼べないのですが、携帯キャリアやISPが独自に設定している基準もあり、そこに抵触しているために配信が停止しているケースもあります。 この独自基準は常に変更される可能性があり、基準自体も非開示部分が多いです。
※一見理不尽なことに思えますが、もし基準を公開してしまうと、スパマーにハックされてしまうリスクが高まるので致し方ないといえます。
となると我々もこの基準に準拠しきるということは現実的ではありません。 こういった事情もあり、100%ブラックリストに載らないようにするというのは方針としては不適切です。

ただ、適切な対策を行っていけば99%以上で限りなく100%に近いレベルのメールシステムの稼働を実現することは可能です。

なので経営陣にはリスクとインシデント発生時のダウンタイムを最小化していく方針で納得してもらうというのが、メール管理者の向かうべき道となります。

このブログでも、まずは最初にすべき応急措置的対応を説明しますが、そのあとに恒久対応として、再発防止のためにやるべきことを説明します。

ブラックリストの具体的な対策について①(応急処置)

手順① 配信停止原因特定方法、掲載BLの調べ方

初めにやることは原因の特定です。 こちらに主要なブラックリストを並べておきます。
まずはこちらに掲載されていないか調べてみてください。

もしこのあたりを調べてもヒットしない場合は、キャリアやISPにブロックされている可能性があります。その場合はメール配信の結果を送り先のドメインを確認して、特定の送り先でブロックされているなどの傾向がないか確認してください。 そういった偏りが大きくみられる場合は、該当するISPやキャリアに個別で解除申請などの対処をする必要があります。 国内キャリアなどでは解除申請が存在しない場合もあります。その場合、各社のガイドラインに沿った配信をすることで解除を待つ必要があります。

手順② 登録の解除方法

ここからは実際にブラックリストへの掲載があった場合を想定して、その解除の仕方について解説します。解除を行うに当たっては、掲載されるに至った原因となるメール配信に対して修正を行い、解除申請を実施する必要があります。
例えばSpamhausにIPが掲載されてしまった場合の手順を紹介します。
最初にSpamhausのサイト上の赤線部分にIPを入れて『Lookup』を押します。

次の画面で『XX.XXX.XX.XX(対象のIPアドレス) has XX(掲載数) listing』と表示されれば、そのアドレスはブラックリストに載っているということになります。その場合解除申請を行う必要があります。

詳細を表示して下にスクロールしてください。

チェックボックスにチェックを入れて、『Next Step』を押してください。

次に解除申請に必要な情報を入れていきます。(すべて入力してください。)

例えば本文内の特定のURLが不正登録されているという内容を指摘された場合、申請内容としてはそのURLを削除したといったものになります。

解除申請内容のサンプル

Dear Spamhaus,

I've eliminated URLs blacklisted by DBL from my email.
Now, Our E-mail delivery are Legitimate at Japanese law.(It has get the permission of the recipient. )
Please delete from Your Blacklist this IP address.

Best regards.
Thank you.

尚、特に対処するべき事柄がない場合もあります。その場合は自分たちが普通に配信している旨を記載して下さい。(明らかに問題があるもにも関わらずそういった申請を送るとさらに対応がややこしくなる可能性もあるのでご注意ください。)

入力が終わったら『Submit』を押してください。次の画面にいくとメール認証を求められます。

メールが届いていたら本文中のURLをクリックして下さい。
すると、Delisting successfulという画面が出てくれば無事削除されるということになります。

これで緊急対応はひとまず完了で、あとは解除完了のメールを待ちましょう。 しかし、ここで安心してはいけません。次の恒久対応を実施しないと明日同じ問題が別のブラックリストで起きてしまうかもしれません。(実際に次の日も起きるということは多分ないので一休みしてもらってもOKです。)

ブラックリストの具体的な対策について②(再発防止策/恒久対応)

今回のような問題を再発させないようにするために最も重要なことはメールの配信先リストを適切に管理することです。
前述のブラックリスト掲載要因を覚えておりますでしょうか。

①存在していないメールアドレスにメールを送ってしまいスパムトラップに引っかかってしまう。
②メールを受信したユーザーから迷惑メール報告を挙げられてしまい、その数が一定数に達する。
③問い合わせフォームが攻撃を受けており、悪質な配信をされてしまっている。

③に関してはリキャプチャなどの導入などすでにメジャーな対抗策があるので、そちらに対応はゆだねるとして、①②の要因を潰していくための有効な手段である配信先リストの管理についてご紹介させていただきます。

①への対策:メールアドレス認証

ユーザーの中には個人情報の開示へ警戒感を示す方や、メールアドレスを間違えてしまううっかりさんがいます。しかし、あなたのwebサイトを適切に利用してもらいユーザーとのwin-winの関係を築いていくためには、正しいアドレスを入力してもらうことが重要だというのはわざわざ言うまでもないことです。

そこで導線の中に2段階認証を入れることで、メールアドレスの正確性が担保された配信先リストを構築していきましょう。

もちろんECサイトのように購入導線の長さが売上の欠損に繋がるケースもあります。
そういった場合は登録時のプロセスに組み込むのではなく、事後的にメールアドレスが間違っているかを判別する方法もありますので、そのサービスにマッチした方法で顧客のメールアドレスを認証し、リストの正確性を上げていきましょう。

②への対策:リストのクリーニング

ほとんどすべてのサービスに当てはまることだとは思いますが、ユーザーは常に高いモチベーションを持ち続けてくれるわけではありません。例えば私は転職エージェントのサイトを以前活用していましたが、現在は(幸いなことに)ほとんど利用していませんし、おそらくアプリを立ちあげるためにはアップデートをする必要があると思います。

しかし私のメールフォルダには毎日のように求人情報が届いています。もし私がメールの技術にあまり詳しくなく、さらにもう少しだけ短気だったなら迷惑メール報告を上げていたでしょう。
こういったことは決して珍しいことではありません。おそらく様々なサービスの様々なユーザーの体験することだと思います。

私たちもそうですが、サービスの提供者はユーザーの自分たちに向けられるモチベーションを見極めながら、煩わしいと思われないようにコミュニケーション頻度を調整していく必要があります。
それがひいてはユーザーとの関係性を長く良好に保つことに繋がっていくはずです。

ブラックリスト掲載されないための適切なメール運用ルール

例えば、下記のようなルールを設定して運用していくのはいかがでしょうか。

~メール配信先リスト運用の心得~

  • サービス登録当初は毎日メールを送ることで適切な活用をサポートする。
  • アクティブな利用期間中には1週間に一度は必ずメールを送ることで、エンゲージメントを高めていく。
  • 1か月以上ログインがないユーザーには1月に一回程度の連絡にとどめることで、つかず離れずの距離を保つ。
  • 3カ月以上ログインしていないかつ、メールへのリアクションもないユーザーには一旦配信を止めて、年末年始など季節の挨拶で忘れられることはないが、決して煩わしくないように距離をおく。

もちろんユーザーが再びアクティブに活動をし始めた際にはメールを送る頻度を上げて対応していくなど、柔軟なコミュニケーションを設計できるとベストなのですが、ユーザーの状況を精緻にモニタリングしてメール配信セグメントに反映させるのには手間がかかるとはおもいます。
まずは明らかに距離を置く必要のあるユーザーやメールが届かなくなってしまったユーザーを消すなどスモールスタートで始めて、レピュテーションと長期的なエンゲージメントのアップを狙っていきましょう。

おまけ

ここは必ずというわけではないのですが、①②への対策をさらに強化しつつ、さらに緊急対応を自動化するために、弊社サービス『blastengine』の利用も合わせて検討してみてはいかがでしょうか??

『blastengine』はIPの分散送信をはじめとする、レピュテーションを保った安定的なメール配信を可能にするための技術を多数搭載したメール配信エンジンです。
ブラックリストへの掲載に対しても専門家チームが解除申請まで行いますので、対応工数の圧縮も可能です。

今回紹介したようなブラックリストをはじめとするメール関係のトラブルは、たいていの方がものすごく煩わしく感じると思います。(対応された方本当にお疲れ様でした。)是非今後は弊社ツール『blastengine』をご活用ください。
まだこういったトラブルが起きていない方も、是非無料のトライアルでお使いの環境でメールが正常に送れるかの検証だけでも実施してみてください。設定も簡単です。
また、有料プランも3000円~とそこまで高価ではないサービス(料金表はこちら)なので、何かあったときの代替策としてスタンバイさせておくという使い方も大歓迎です!!

こういったトラブルに対応しなければいけない方々の不安の解消や管理工数の削減のために我々のサービスはございます。

まとめ

無事に事態は解消しましたか?
メール配信が停止してしまうと焦ることもあるかと思います。まずは落ち着いて適切な対処方針を定めましょう。その後ブラックリスト解除申請などの応急処置を行います。そして最後に恒久対応としてリスト管理のポリシーを定めていきましょう。
もし事態が解消しない場合はお問い合わせください。お力になれることがあるかもしれません。

それでは今回はここまでとなります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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