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iCloud宛のメールが迷惑メールになる!?送信側にできる対策とは

更新日: 迷惑メール対策

日本は世界的にみてもiPhoneの保有率が高く、スマホのシェアとしては全体の約半数を占める状況です。そのため、企業でメルマガを配信する際に、宛先にiCloudメールが含まれるというケースも多いでしょう。

しかし、iCloudメール宛てに送ったメールマガジンが迷惑メールの判定を受けてしまい、頭を痛めているという企業も多いようです。

さらには絶対に届かなければいけない、会員登録時のメールアドレスの認証メールやECサイトでの購入完了メールのような自動メールが迷惑メールに入ってしまったりすると、お客様のUXの棄損やクレームに繋がってしまうこともあります。

そこで今回は、iCloud宛のメールが迷惑メールの判定を受けやすい理由や、迷惑メールにならないよう送信側で実施できる対策などをご紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。

iCloudのメールとは?

iCloudメールとは、Appleが提供するフリーメールサービスです。iCloudメールは、iPhoneやMacなどのApple製品を所有している人が利用できます。

iCloudメールは、5GBまでの容量を無料で利用することが可能です。広告表示がなく、添付可能なファイルの容量上限が大きいといった特徴があります。

iCloudのメールアドレスにはメールが届きにくい?

iCloudのメールアドレスには、メルマガや自動送信メールが届きにくいといわれています。しかも「メールは届くが、迷惑メールとして振り分けられてしまう」のではなく、「そもそもメールが届いていない」ケースもあるというのです。

なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか。

その原因は受信側であるiCloudのメールサーバーにあります。

iCloudのメールサーバーは、Apple独自の迷惑メール判定ルールを使用しており、このルールが他のメールサービスに比べても厳しいといわれています。

具体的には「過去にスパム判定サービスによってスパム認定されたかどうか」「Appleのローカルポリシー」などをもとに判定されるようです。

このルールに違反していると、iCloudのメールサーバーはメールを受信しない場合があります。

他社メールサービス(Gmailなど)では、過去にスパム判定サービスによってスパム認定されたことがあった場合でも、メールを受信しないといった対応をとることはあまりありません。

そのため、iCloudは他のサービスに比べて、メールが届きにくいと言われています。

iCloudに迷惑メール判定されないための対策とは?

iCloudのメールアドレス宛にメルマガや自動送信メールを確実に送信するためには、以下のような対策を取る必要があります。

・Appleのローカルポリシーを遵守する

・送信元のレピュテーションスコアを下げない

・ブラックリストに登録されないようにする

・「SPF」や「DKIM」を設定する

ここでは、各対策の内容について解説します。

Appleのローカルポリシーを遵守する

iCloudのメールアドレスにメルマガや自動送信メールが届きにくい原因として、Apple独自の迷惑メール判定基準であるAppleのローカルポリシーが存在することが挙げられます。

こちらに違反すると、メールが配信エラーになってしまいます。そのため、Appleのローカルポリシーを遵守することは配信者にとって重要な項目です。

Appleのローカルポリシーには、以下のような項目が含まれます。

  • メール配信に明確に同意している登録者にだけ配信する(購入したリスト、レンタルリスト、またはemail appendingで入手したアドレスは使わない)。
  • 配信停止用のリンクを記載し、受信者がただちに登録を解除できるようにしておく。
  • メールがRFC 5322に準拠するよう徹底する。・IPアドレスの逆引きDNSレコードを公開し、IPアドレスの身元が確認できるようにしておく。
  • 一括配信メールの送信元IPアドレスとドメインは一貫したものを用いながら、マーケティング目的の配信メールと取引関係の配信メールは分けておく。
  • 差出人の名前とアドレスは一貫したものを用い、貴社ブランドがはっきりとわかるようにする。
  • Sender Policy Framework(SPF)やDomain Keys Identified Mail(DKIM)を用い、メール認証を実施する。
  • iCloudのメールサーバを発端とする一時的および継続的なSMTPエラーを追跡し、適宜対処する。
  • バウンスメールになったアドレスに対処する際の標準的なポリシーを設けておく。利用実績のない登録者は定期的にリストから削除する。
  • 登録解除や配信停止のリストに載っているメールアドレスの再登録はしない。

出典:Apple/iCloudメールのpostmaster情報

これらのポリシーを遵守することで、iCloudメールアドレスへのメルマガや自動送信メールの配信率の向上が期待できるでしょう。

送信元のレピュテーションスコアを下げない

送信元のIPアドレスやドメインには、過去に送信されたメールの送信実績に基づくレピュテーションスコアと呼ばれる評価が与えられます。この評価はメールの到達率に大きな影響を与え、評価が低い場合、受信者によってメールがブロックされたり、スパムとして分類されたりする可能性も高まるため注意が必要です。

レピュテーションスコアを向上させるためには、時間をかけて送信実績を高める必要があります。定期的に送信リストを整理し、確実に届けられる受信者に対して少量のメールを送信し、徐々に送信量を増やしていきましょう。

また、メールがスパムとして分類されないようにするためには、メールの件名や本文を適切に記述し、信頼性の低いウェブサイトのリンクを含めない、送信ドメイン認証を設定するなどの基本的なガイドラインを守ることが重要です。

ブラックリストに登録されないようにする

前述のような、送信元IPアドレスやドメインの評価に関する情報を集めて蓄積しているサービスが存在します。例えば「Spamhaus」「Proofpoint」などが代表的なものとして挙げられます。

これらのサービスのブラックリストに自社メルマガや自動送信メールの送信元IPアドレスやドメインが登録されてしまっていると、メールがブロックされる可能性が高まってしまいます。

そもそもブラックリストに登録されてしまう要因としては、

・無効なメールアドレスにメールを送り続ける

・スパムトラップ(スパム配信者を特定するためのアドレス)にメールを送ってしまう

などが挙げられます。これらは、精査が行き届いていないメール配信リストを使い続けている場合などに起こりやすく、メールマーケティングを行う誰もが注意しなければならない項目です。

また、短期間のうちに大量のメールを配信する行為も、スパムとして認定されやすい行為です。ロボットによる大量送信であると疑われてしまうためです。

このほかにも、正常に届いたメールが読者によって迷惑メール判定を受けることも、ブラックリスト判定につながるため注意が必要です。読者による迷惑メール判定を防止するためには、有益なコンテンツを送ることや、簡単に購読を解除できる仕組みを設けておくことなどが対策として挙げられます。

「SPF」や「DKIM」を設定する

SPFとDKIMは、メールの送信元ドメイン認証技術の一種です。これらの技術を使用することで、メールの送信元が正規のものであることを確認し、スパムメールやフィッシング詐欺などの被害を抑制できます。

SPFとは、送信元ドメインに対してメールの送信元が本物であることを確認する技術です。送信元は、自社のドメインから送信されるメールのIPアドレスを指定する、DNSレコードを設定します。受信側のサーバは、DNSレコードに記載されたIPアドレスと、実際にメールを送信したIPアドレスが一致しているかどうかを確認し、スパムメールやフィッシング詐欺などの被害を防ぎます。

一方、DKIMとは、メールに電子署名を付与することにより、そのメールが本物であることを確認する技術です。電子署名はメールの送信元ドメインに紐づく秘密鍵で暗号化され、受信側のサーバは公開鍵で復号化し、電子署名が正当であるかどうかを確認して、スパムメールやフィッシング詐欺などの被害を抑制します。

SPFやDKIMなどの送信元ドメイン認証については別のブログでも紹介しています。

SPF認証が必要な理由と設定方法
【図解】初めてでも腹落ち!DKIMの仕組みと設定方法

受信者側で迷惑メール判定を解除してもらうことも必要

前述のとおり、iCloudアドレスを利用している場合、サービスを利用したり、メルマガを読みたくて登録したにもかかわらず、意図せずメルマガや自動送信メールが迷惑メール判定されてしまうケースが多くあります。

そこで、送信者側でできる対策のほか、受信者側にも迷惑メールフォルダをチェックしてもらうことが必要になります。

iCloudメールの迷惑メールフォルダへの振り分けを受信者側で解除する際は、以下の手順を取ってもらう必要があります。

1.iCloud.comの「メール」のメールボックスリストから、迷惑メールフォルダをクリック

2.該当するメールを選び「返信/全員に返信/転送」をクリックした後、「受信フォルダへ移動」をクリック

└複数のメールを選びたい場合は「マーク」をクリックした後、「受信フォルダへ移動」をクリック

以上の手続きにより、同様の送信者から届いたメルマガや自動送信メールが、通常とおり受信フォルダへ配信されるようになります。

参考:Apple/iCloud.comの「メール」で迷惑メールを管理する

迷惑メールの振り分け解除は受信者側で行う必要がある操作です。そのため、例えばメルマガ購読画面でiCloudメールを登録した方向けに案内を表示したり、WebサイトのQ&Aに「iCloudメールに当社からのメールが届かない場合の解決方法」を記載したりと、ユーザー側に知らせるための工夫が必要です。

まとめ

iCloudメール宛にメルマガや自動送信メールを送信する場合には、迷惑メール扱いにならないよう以下のような対策を実施しましょう。

・Appleのローカルポリシーを遵守する

・送信元のレピュテーションスコアを下げない

・ブラックリストに登録されないようにする

・「SPF」や「DKIM」を設定する

さらに、iCloudメール宛のメルマガや自動送信メールが迷惑メールに振り分けられている場合、読者側に迷惑メールから除外してもらう必要があります。自社のホームページや問い合わせフォームなどを活用して、読者への訴求が必要です。

また、この記事で説明した対策の他に「blastengine」のようなメールリレー、メールAPIサービスを使うことでも、iCloud宛てのメールの配信成功率を向上させることが可能です。

是非、一度無料のトライアルから検証してみて下さい。

本記事の内容が、皆様のサービスにおけるiCloudメール宛メルマガや自動送信メールの到達率向上に寄与できれば何よりです。

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