バウンスメールとは?種類別の原因と対策まとめ

2024年2月15日

電子メールを送信した際に、送ったはずのメッセージが返ってきてしまった経験はないでしょうか。

送信側に戻されてしまうメールを「バウンスメール」と言いますが、バウンスメールを放置し続けてしまうと、ISPからメールの送信通数を制限されるなどさまざまなトラブルにつながる恐れがあります。

そうなると、メルマガなど販促活動に使っている一斉送信のメールだけでなく、自動送信メールや顧客との1to1メールなど通常のメールが届かなくなってしまうなどの影響が出てしまう可能性があります。

バウンスメールは、定期的に管理し適切な対応をすることが必須です。この記事では、メール配信で発生するバウンスメールについて、原因や放置するリスクを解説します。

バウンスメールとは

バウンスメール(bounce mail)とは、送ったメッセージがエラーになって戻ってくるメールのことです。「バウンス」には、「跳ね返る」という意味があります。

バウンスメールは「エラーメール」や「リターンメール」とも呼ばれ、送信元が「MAILER-DAEMON」や「Postmaster」、あるいは「Mail Delivery System」となっています。

バウンスメールに記載される内容は以下の通りです。

  • エラーコード
  • 対象のメールアドレス
  • バウンスの日時
  • バウンスしたメールサーバー
  • バウンスの理由 など

メッセージを送る際、まずは送信側のメールサーバーにデータが送られ、アドレス情報から受信側のメールサーバーを特定してメッセージを届けられます。

その後、メッセージはメールソフトなどを介して受信側のメールサーバーから相手側に届く仕組みです。そのため、メールの送受信は端末同士で直接やり取りされるものではありません。

バウンスメールはこの送受信の工程で何かしらの不具合が起き、エラーになってしまったメールなのです。

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バウンスメールの種類

バウンスメールは「ソフトバウンス」と「ハードバウンス」の2種類に分類されます。

それぞれで原因や対策方法も変わってくるため、返ってきたバウンスメールがどちらに該当するのかを確認しましょう。

ソフトバウンス

ソフトバウンスの要因は、一時的なエラーによるものです。

よくある原因としては、添付ファイルの容量が大きすぎることが挙げられます。また、サーバーが落ちることでソフトバウンスが発生する場合もあります。

このケースでは、メールサイズや受信ボックスの容量を確認することが大切です。

一時的なエラーが理由で起きるソフトバウンスは、基本的に時間が経過すると解決します。一時的なエラーが解消されると受信者側にメールが届くようになるため、メールプロバイダーは一定期間メッセージの再送を繰り返すのが特徴です。

ソフトバウンスのエラーコード例

ソフトバウンスのエラーコードはほとんどが400番台です。

  • 450:一時的なエラー。メールサーバーが忙しい、またはメンテナンス中で一時的にメールを受け付けられない状況。
  • 421:サービス利用不可。サーバーが一時的にメールの配信を受け付けられない状態。
  • 4XX (451, 452など) :その他の4XXエラーコードも一時的な問題を示すソフトバウンスに分類されることがあります。例えば、451は一時的なローカルエラーを示し、452は一時的なストレージ不足を示すことがあります。

これらのエラーコードはSMTPプロトコルの一部として定義されており、メールが一時的な理由で配信できない場合に使用されます。ソフトバウンスは、問題が解決されれば後でメールが配信される可能性があるため、通常はメールサーバーが自動的に数回再試行します。

ハードバウンス

ハードバウンスは、ソフトバウンスのように時間経過では解決しない恒久的なエラーとなります。

原因としては、送信先のメールアドレスの入力ミスなどが挙げられます。そのため、一斉送信メールでハードバウンスが起きている場合は、定期的に配信リストをチェックしたり、配信対象から該当のアドレスを除外したりするなどの対応が必要です。

ハードバウンスに気付かないまま再送を繰り返すと、さまざまな悪影響を及ぼすおそれがあります。この点については後述の「バウンスメールを放置するリスク」の部分をご覧ください。

ハードバウンスのエラーコード例

ハードバウンスの場合のエラーコードは、500番台が大半です。

  • 550:要求された操作は実行できませんでした。このエラーコードは、メールアドレスが存在しない場合や、受信者のメールサーバーがメールを拒否する場合によく使用されます。
  • 551:ユーザーがローカルではなく、リレーを拒否された場合に使用されることがあります。
  • 552:ストレージの割り当てを超えた場合。これはメールボックスがいっぱいであることを示しますが、一般的にはソフトバウンスとして扱われることもあります。しかし、一定期間後も受信者がメールボックスの容量を解消しない場合、ハードバウンスとして扱われることがあります。
  • 553:メールアドレスの形式が正しくない場合に使用されます。
  • 554:トランザクションが失敗しました。このエラーコードは、メールが何らかの理由で受信サーバーによって拒否された場合に使用されることがあります。

これらのエラーコードはSMTPプロトコルに基づいており、メールが恒久的に配信できない理由を示します。

ハードバウンスは、送信者がアドレスを修正するか削除する必要があることを意味します。これらのエラーコードを正確に理解し、適切に対応することがメール配信では重要です。

バウンスメールの原因

では、ソフトバウンス、ハードバウンスはなぜ起こるのでしょうか。ここでは、それぞれの要因を確認します。

ソフトバウンスの場合

ソフトバウンスになる原因としては、以下の3つが挙げられます。どれも一時的なものであるため、ソフトバウンスに気付いたら早急に対応しましょう。

メールボックスに空きがない

メッセージは受信側に届く前にサーバーを経由しますが、受信側のメールボックスに空きがないとサーバーからメッセージを受け取れません。

メールボックスに空きができれば問題なく配信できるため、受信側の容量を空けるために不要なメッセージを削除してもらうよう促しましょう。また、メールを受信できる容量自体を増やす方法でも解決します。

メールサイズが大きすぎる

メッセージに大容量のファイルを添付するケースは多く見られますが、メールサイズが大きすぎることもソフトバウンスの原因の一つです。

添付ファイルの容量はサーバーごとに違いがあるため、上限を超えるサイズを添付してしまうとエラーが発生します。容量の上限を超えたメールは、受信を拒否されることがあります。送信時は、メールサイズを確認してから送るようにしましょう。

受信メールサーバーが一時的に利用不可

受信メールサーバーが、メンテナンス中または過負荷状態などが考えられます。

メールサーバーは、何らかの原因でダウンしてしまうケースがあります。受信側のサーバーが落ちた場合、受信側はメッセージを受け取れません。サーバーが原因であるため、復旧が完了すれば問題なく配信されます。

なお、受信側に問題があってエラーが起きると、送信側にはエラーメッセージが届くため、配信できなかったことがすぐにわかる仕組みです。 

ハードバウンスの場合

恒久的なハードバウンスが起こる原因の多くは、アドレスのミスやスパムメール判定を受けていることが挙げられます。

メールアドレスが存在しない・誤りがある

登録されているアドレスが誤って入力されたメールアドレスや、既に削除されているメールアドレスの場合、宛先そのものが存在しないことになるため、送信しても相手に届くことはありません。

存在しない宛先に送信しないためには、定期的な配信リストの確認やリストクリーニングが必要です。

スパムメールとして判断された

宛先のアドレスに問題がなくても、受信側のサーバーにフィルタリングがあるとスパムや迷惑メールの判定を受けてしまい、メールが跳ね返ってきてしまうことがあります。

スパムメールや迷惑メールの判定を受けないようにするための対策については、後述の「バウンスメールへの対策方法」の中で詳しくご紹介します。

メールサーバーによる拒否

受信メールサーバーが、特定の送信者からのメールを拒否する設定になっている場合もハードバウンスとなります。

バウンスメールを放置するリスク

バウンスメールを放置するとビジネスにさまざまな影響が出るため、どのようなリスクがあるのかを把握しておくことが大切です。ここでは3つのリスクを紹介します。

受信拒否される

ソフトバウンスでは送信側のサーバーが一定期間、メッセージの再送を継続します。

そのままバウンスメールの対応を放置して配信を続けると、受信側のサーバーからスパム判定を受け、受信拒否される恐れがあるため注意しましょう。

受信を拒否された場合、メールが届かないため必要な情報をスムーズに伝えることが難しくなるうえに、解除まで手間と時間がかかります。

 送信リストの管理は最重要課題の一つと言えるでしょう。

レピュテーションの低下

レピュテーション(reputation)とは、送信元のIPアドレスやドメインについて、健全性などを評価して通信を制限する仕組みのことです。

バウンスメールの放置によって、レピュテーションの低下を招きます。レピュテーションが低下すると、メールプロバイダーからの信頼性も下がり、スパムや迷惑メールの判定を受けやすくなってしまいます。

スパムや迷惑メールだと判断された場合、受信をブロックされる恐れもあります。配信率を上げるためにもレピュテーションは重要と言えるでしょう。

IPレピュテーションの具体的な評価基準は、以下のようなものがあります。

  • スパム活動やセキュリティ違反をしていないか
  • 存在しないアドレスへの送信を行っていないか
  • ブラックリストに登録されていないか
  • 運用しているサイトが悪質ではないか など  

ブラックリストへの登録

ブラックリストとは、スパムや迷惑メールを送っているIPアドレスやドメインをまとめたリストです。ブラックリストに登録されると、スパム判定を受けたり受信拒否されたりします。

バウンスメールの対応が遅れることで、ブラックリストに登録される危険性も高まるため注意しましょう。

ブラックリストに一度でも登録されると、原因を調べたり削除依頼を出したりするのにかなりの手間と時間がかかってしまいます。

 ブラックリストに登録されてしまう原因と対策は以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

メールがブラックリストに入って届かない時の『超実践』対処法ガイド

バウンスメールへの対策方法

メールを送信する際は、バウンスメールの対策を十分に行い、リスクをできるだけ減らしましょう。ここでは、バウンスメールの対策として有効な方法を7つ紹介します。

受信者側にメールボックスの容量を確認してもらう

バウンスメールの発生原因が受信側のメールボックスによるケースもあるため、相手側にメールボックスの容量を確認してもらうことが大切です。

受信側に依頼する対処法としては、不要メールを削除して容量を空ける、受信容量そのものを増やすといった対応が挙げられます。緊急の要件が受信できない状況を避けるためにも、受信側には日頃からメールボックスに空きを作ってもらうように呼びかけておくとよいでしょう。

メールサイズを確認する

メールサイズが大きすぎるメッセージは、相手側が受信できなくなるケースがあります。

本文よりは、添付ファイルのサイズが大きいために送信できないことがほとんどです。サイズを小さくする対策としては、添付ファイルの圧縮や分割での送信、ファイルをクラウドにアップロードしてメールにはURLのみを添付する方法が挙げられます。

定期的に配信先リストを精査する

間違ったアドレスや存在しない宛先に送信し続けてしまうと、バウンスメールが返ってきてしまいます。

そのため、配信先リストを精査して常に最新の状態を保つようにしましょう。具体的には、スペルミスのチェックやエラーの原因になっているアドレスの削除などです。リストを精査することで、レピュテーションの低下やブラックリストへの登録リスクも減らせます。

 ただしバウンスメールを1件1件確認をするのは骨が折れますし、メールの一斉送信や大量配信などを行っている場合は現実的ではありません。

後述するメール配信システムを利用することで効率的なリスト管理を行うことができます。

メールアドレスの取得方法を見直す

顧客などからメールアドレスを取得する際、利用しているフォームを見直すことで入力ミスを減らし、間違ったアドレスが配信リストに登録されるリスクを軽減できます。アドレスの入力を2回必須にする、入力されたアドレスに確認メッセージを送信するといった対応がフォームの改善策になるでしょう。

また、フォームにはダブルオプトインを利用するのも有効です。ダブルオプトインとは、入力されたアドレスを仮登録させて確認メールを送り、添付されたURLを押して登録が完了する仕組みを指します。

配信状況を確認する

メルマガなどの配信状況は常に確認しましょう。

バウンスメールの対策として、不達だったリストをまとめてバウンスの原因を調べてみることも大切です。原因が特定できれば、対策を取ったうえで解決につながります。

 また、メルマガの場合は受信者の興味や行動に基づいてメールリストをセグメント化し、関連性の高いコンテンツを提供することで、エンゲージメントを高めることができます。

このようなセグメント配信などによるメール配信の向上は、受信者からのスパム報告の可能性を低下させISPからの信頼性が高まるなど、バウンス率の低下に間接的に貢献します。

迷惑メールと判定されないようにする

受信側のサーバーから迷惑メールと判断されないようにすることも必要です。

対策としては、レピュテーションを低下させないようにするブラックリストに登録された場合は削除を依頼するなどが挙げられます。また、受信者の迷惑メール対策フィルターに引っかからないように、記号・単語の繰り返しや多用を避けましょう。

なりすましメールと判定されないようにする

フィッシング詐欺などに使われるなりすましメールですが、メール配信を行ううえではなりすましと認識されないようにしなければなりません。

なりすましメール対策としては、「SPF(Sender Policy Framework)」や「DKIM(Domain Keys Identified Mail)」といった、メール認証を設定するとよいでしょう。

送信元のIPアドレスが正当かどうかを検証するのがSPF、メッセージ内容がオリジナルのものから改ざんされていないかを検証するのがDKIMです。

SPF認証が必要な理由と設定方法
【図解】初めてでも腹落ち!DKIMの仕組みと設定方法

バウンスメールの管理はメール配信システムを使う

バウンスメールの管理は、効率的かつ効果的に行うためにメール配信システムの利用が推奨されます。

メール配信システムは、大量のメールを送信し、受信されたメールの追跡、分析、そしてバウンスメールの処理を自動化することができます。

メール配信システムを使うメリット

メール配信システムを使うことで、リストの品質を維持し送信リストの健全性を保つことができます。

バウンスメールの管理にメール配信システムを使うメリットは以下のようなものが挙げられます。

  • 自動化による時間と労力の節約
  • バウンス率の追跡と分析
  • リストの品質維持と送信者の評価の保護

もちろんシステムによって提供している機能は様々あるため、システムの選定には注意が必要です。

API連携・SMTPリレーサービス「ブラストエンジン(blastengine)」の活用

blastengineのアイキャッチ画像

ブラストエンジンは、SMTPリレーサーバーを使用して、簡単に大量のメールを高速配信することが可能です。さらに、メールサーバーを必要とせず、API経由でメールを送信する仕組みも提供しています。

ブラストエンジンは、サーバーの運用やメンテナンスを行っているため、常に高いIPレピュテーションを維持しながら、安全にメールを送ることができます

以下のような課題がある場合は、ブラストエンジンの利用を検討してみることをおすすめします。

  • 自社のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されていて、メールが届かない場合
  • 国内キャリアにメールが届かず、対応方法がわからない場合
  • 自社でメールサーバーを管理・運用したくない場合

また、ブラストエンジンは各メールプロバイダーや携帯キャリアのドメインに最適化されており、大規模なネットワークを経由してメール配信を行うことで、日本国内での到達率を圧倒的に高めています。

利用料金は月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れており、メールだけでなく、日本語での電話サポートにも対応しています。

メールアドレスの入力のみで無料トライアルが可能ですので、まずは気軽にお試しください。

シェア1位のメール配信システム「ブラストメール」の活用

ブラストメールのアイキャッチ画像

ブラストメールは、13年連続で顧客導入シェア1位を獲得している信頼性の高いメール配信システムです。ブラストエンジンとは異なり、メルマガなどのメール一斉送信に利用することができます。

このメール配信システムの特徴は、使いやすさとコストパフォーマンスの高さです。さまざまな業種や官公庁でも利用されており、定番のメール配信システムとして広く知られています。

迷惑メール対策機能はもちろん、セグメント配信や効果測定、HTMLメールエディタなど、基本的な機能がすべて揃っています。最も安いプランでも、月額4,000円以下で導入することができます。

シンプルで安価なため、初めてメール配信システムを利用してみたい方にもおすすめです。無料トライアルも用意されているので、まずは試してみることをお勧めします。

まとめ

バウンスメールは何らかのエラーにより、送信側へ返ってくるメールのことです。メールサイズが大きすぎたり、アドレスにミスがあったりすることでバウンスされます。サイズを小さくしたり、定期的に配信先リストをチェックしたりすることで対策になりますが、メルマガなどの配信状況を常に確認しておくことも大切です。

バウンスメールが起きた場合は放置せず、原因を調べて対策を取るようにしましょう。

また、バウンスメール処理を含めメールサーバーの管理・運用を自社でやろうと思うと「IPレピュテーションの管理」や「ブラックリストへの対応」なども必要なため、時間や労力が大きくかかります。

メール配信システムを利用することで、今までメールサーバーの運用にかかっていたリソースを大幅に削減することができますのでぜひ利用を検討してみてください。

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