スロットリングとは?原因と対策、起こってしまった場合の対処法

2024年3月8日

スロットリングは、ISP(インターネットサービスプロバイダー)が通信回線への負荷回避のため、一時的に受信できるメール数に上限を設ける制限です。スロットリングが起こると、メール配信の遅延がおきたり該当のISPに送信されたメールの一部は受信拒否されてしまいます。

スロットリングが起きる条件や解除方法については公開されていませんが、メール送信者側はスロットリングが発生しないよう、やたらめったらに大量配信をしないなど対策を講じなければなりません。

万が一スロットリングが発生してしまった場合でも、適切な対処法を知っていれば、状況を改善し、メール配信を再開することができます。この記事では、スロットリングが起こる原因や対策方法を紹介します。

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スロットリングとは

スロットリングとは、ISPがネットワーク上でのデータ流量を制御するために、メール送信速度や量を一時的に制限するプロセスを指します。多くのISPは、一定時間内に受信できるメールの数に制限を設けています。基準を上回る数のメールを配信するとスロットリング(受信制限)が発生する仕組みです。

通信回線は多くの契約者が共同で使用しています。回線に負荷をかけすぎると、正常な通信を維持できません。特定の契約者が独占して回線を使用することがないよう、スロットリングによって制限をかけているのです。

スロットリングが起きると、メールの送信者にはISPによって受信拒否されたことを示すエラーコードが返ってきます。このとき特定のIPアドレスから配信される全てのメールが受信拒否されるため、注意が必要です。時間経過により自動的に解除されるといわれていますが、具体的な解除までの時間などは公開されていません。そのため、いかにスロットリングを回避するかが重要なのです。

スロットリングの原因

スロットリングを回避するためにも、まずはスロットリングが起こる原因について理解を深めましょう。主な原因を3つ紹介します。

ISPの内部基準より多いメールを一定時間内に送信した

多くのISPは、特定の時間枠内に送信できるメールの数に制限を設けています。

設定された内部基準を超えるメール数を一度に配信してしまうと、受信側のISPにてスロットリングが発生します。この措置は、スパム攻撃やメールサーバーへの過度な負荷を防ぐために重要となるのです。

また、スロットリングが発生する内部基準については公開されていないため、具体的な件数や時間などについて知ることはできません。スロットリング発生を防ぐには、短時間に大量のメールを配信しないよう心がけることが大切です。

送信元IPアドレスのレピュテーションが低い

レピュテーションとは、評判や信頼性を意味する言葉です。メール送信元のIPアドレスのレピュテーションが低いとISPはスロットリングをかけます。

IPレピュテーションが低い原因は、過去にスパム疑惑をかけられたIPアドレスから配信している、該当のIPアドレスからメールを配信し始めてまだ日が浅いなどが考えられます。

受信ボックスの容量が不足している

受信者の受信ボックス容量が不足している場合にも、スロットリングが発生するおそれがあります。

メールボックスの容量制限が低く設定されていたり、未読メールが大量に残っていたりするとスロットリング発生の可能性が高まります。この原因は受信者側にあるため、容量管理について受信者に働きかけることも必要でしょう。

スロットリングを起こさないための対策

スロットリングを発生させないためには、どのような対策が効果的なのでしょうか。ここからは、送信側がとれる対策方法について詳しく解説します。

メールを分けて少しずつ送信する

簡単で確実な対策は、大量のメールの一斉送信を避け、少しずつ分けて配信する方法です。メール配信先リストに記載されているメールアドレス全てに対して一斉に送信するのではなく、少しずつ分けて配信します。

ただしこの方法は手間と時間を要することがデメリットです。配信したい時間帯に指定がある場合は特に注意が必要です。送る優先順位を決める、全てのメール配信にかかる所要時間を計算して設定した時間に間に合うようにする、などの対策が必要になります。

 IPレピュテーションを管理し、高める

使用している送信元IPアドレスのレピュテーションが低下することも、スロットリングが発生する原因になります。

過去に過剰なメール送信を行っていてスパムメール配信者として判定されていたり、受信者側から迷惑メールとして設定されていたりすると、IPレピュテーションが低下します。この状態でメールを送信すると、受信側でスロットリングが発生して受信が制限されてしまう場合があります。

IPレピュテーションを高めるには、IPウォームアップが必要です。

IPウォームアップとは

徐々にIPアドレスの評判を高めていく施策のことで、具体的には徐々に1日あたりのメールの配信数を増やすなどの方法が挙げられます。IPレピュテーションは急上昇・急下降するものではありません。健全な運営を心がけ、ゆっくり配信数を増やしていくことでレピュテーション向上が見込めるでしょう。

新しいIPアドレスから突然大量のメールが送信されると、ISPはそのメールをスパムと見なす可能性が高くなります。

そのため、IPウォームアップを行うことで、徐々に送信量を増やしながらISPにそのIPアドレスを「安全な送信者」として認識させることが目的です。これにより、メールが受信者のスパムフォルダに振り分けられるリスクを減らし、配信率と開封率を向上させることができます。 

配信先リストを精査する

無効なメールアドレスに配信すると、エラーが発生します。何度も続けてこのエラーが確認されるとスパム疑惑をかけられスロットリングの対象にされるおそれがあるのです。

これを回避するためには、定期的なメール配信先リストの精査が必要でしょう。配信リスト内のエラーが多発するメールアドレスを削除するなどの対策がおすすめです。

メールリレーサービスを活用する

メールリレーサービスの活用は、スロットリング問題を防ぐ効果的な手段の一つです。これらのサービスは、メール送信を代行し、送信元のIPアドレスの代わりに自身のIPアドレスを使用してメールを送信します。

ブラストエンジン(blastengine)のようなメールリレーサービスは高い信頼性と優れたレピュテーションを持ち、ISPからの信頼を得ています。そのため、これらのサービスを利用することで、メールがスムーズに配信される可能性が高まり、スロットリングのリスクを大幅に軽減できます。

さらに、これらのサービスは送信プロセスを管理し、配信成功率の最適化を図る機能を提供している場合も多く、メールの効果を最大限に引き出すことができます。

おすすめのメールリレーサービス「ブラストエンジン(blastengine)」

blastengineのアイキャッチ画像

ブラストエンジンは、SMTPリレーサーバーを使用して、簡単に大量のメールを高速配信することが可能です。さらに、メールサーバーを必要とせず、API経由でメールを送信する仕組みも提供しています。

ブラストエンジンは、サーバーの運用やメンテナンスを行っているため、常に高いIPレピュテーションを維持しながら、安全にメールを送ることができます

以下のような課題がある場合は、ブラストエンジンの利用を検討してみることをおすすめします。

  • 自社のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されていて、メールが届かない場合
  • 国内キャリアにメールが届かず、対応方法がわからない場合
  • 自社でメールサーバーを管理・運用したくない場合

また、ブラストエンジンは各メールプロバイダーや携帯キャリアのドメインに最適化されており、大規模なネットワークを経由してメール配信を行うことで、日本国内での到達率を圧倒的に高めています。

利用料金は月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れており、メールだけでなく、日本語での電話サポートにも対応しています。

メールアドレスの入力のみで無料トライアルが可能ですので、まずは気軽にお試しください。

スロットリングが起こった際の対処法

いくら対策を講じても、突然スロットリングが発生してしまうことがあります。

スロットリングは具体的な解決策なども発表されていないため、取れる対策は限られます。基礎的な対処法を2つ紹介しますので、試してみましょう。

時間を置く

1つ目の対処法は、時間を置く方法です。スロットリングが発生すると「メールの受信量が多すぎます。時間を置いてから再度送信してください」といったエラーメールが返ってきます。このエラーメッセージが表示された場合は、時間をあけてから再度配信しましょう。

繰り返しになりますが、スロットリング解除に必要な時間は公開されていません。余裕を持って、数日あけてから再送信すると、通常通り配信される可能性が高まるでしょう。

受信者にボックスの容量の確保をお願いする

2つめの対処法は、メールボックスの容量を確保してもらうよう受信者に依頼する方法です。

スロットリングは、受信ボックスの容量が超過する場合でも発生します。「メールボックスの空き容量が不足しています」というエラーメッセージが表示された場合は、受信者にメールボックスの容量確保を求めましょう。

まとめ

短期間で大量のメールを配信したり、受信ボックスの容量が不足していたりするとスロットリングがかかります。スロットリングが発生した場合、基本的には時間経過を待つしか対策方法がないため、そもそも発生しないよう対策することが大切です。

特にIPレピュテーションを向上させ、1日あたりのメール配信件数を徐々に増やしていく対策が効果的といわれています。より効率的なメール配信を希望する場合は、メールリレーサービスの利用も検討してみてはいかがでしょうか。

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