メールリレーサービスおすすめ10選!比較のポイントや選び方、メリット・デメリットを徹底解説
メールは現代でもまだまだ活用されているビジネスコミュニケーションツールです。
ウェブサービスやECサイト、コンテンツ・サービスなどの自動送信やトランザクションメールに必須のサービスと言えるのがメールリレーサービスです。
メールリレーサービスを使用することで、メールの到達率を高めたり、通常のメール配信サービスでは処理しきれない大量のメールを捌いたりと、使い方次第では自社のサービスを一段階上のフェーズに成長させることが可能です。また、自社のエンジニアが面倒なメール管理をする必要もありません。
この記事ではメールリレーサービスの仕組みやメリットを解説した上で、メールリレーサービスを比較する場合の選び方についても解説していきます。
この記事の執筆者:森神 佑希
株式会社ラクスライトクラウド Webマーケティングリーダー
ブラストメール・ブラストエンジンのマーケティングを担当して6年目。ウェブ広告の運用やサイト分析・メールマーケティングなど、集客からナーチャリングまで一貫して取り組んでいる。メール関連のセミナーにも多数登壇し、メール関連のブログ記事は500記事以上執筆している。
メールリレーサービスとは
メールリレーサービスは聞いたことがあっても、実際にどのようなサービスか、通常のメール配信システムとどう違うのか分からないという方もいるでしょう。
ここでは、メールリレーサービスの目的や仕組み、利用するメリットについて解説します。導入を検討する場合に知っておきたい知識をまとめましたので、ぜひご覧ください。
メールリレーサービスはどのようなサービス?
メールリレーサービスとは、メールを送信する際に仲介役となるサービスで、送信者から受信者へのメールの転送を行う役割を持ちます。大量のメールを安定的に配信したいときや、メールの到達率を高めたいときなどに活用できます。
主な特徴は以下の通り。
- メール到達率の向上
- 大量メール送信の効率化
- 送信したメールの追跡や管理
- セキュリティの向上
通常の連絡メールだけでなく、マーケティング活動の一環としてメールマーケティングを実施している企業は多数ありますが、メールが受信側で迷惑メールと判断されたり、ブロックされたりしては、顧客に正確な情報を届けることが難しくなります。
また、大量にメールを送信する場合にはネットワークに大きな負担がかかるため、メールが遅延したりユーザーに届かなかったりするケースがあります。
これらはサーバーの処理能力不足や、送信元の信頼性を高める対策が行われていないことなどが原因として考えられます。しかし、一般的な企業のメール配信環境で、これらの問題を解決させるのは困難と言えるでしょう。
このような場合、メールリレーサービスを活用することで、トラブルを回避しつつ大量のメールを安定的に配信できます。これを活用すれば、メールを使った効率的なマーケティングが円滑に行えます。
メルマガ配信システムとの違い
メルマガ配信システムの場合、メールの「作成」とメールの「配信」作業が必要です。一方、メールリレーサービスは配信のみを担うシステムです。
メールを作成・生成するシステムは別で用意しておき、そのシステムと外部のメールリレーサービスを連携させ、メールリレーサービスはメール配信エンジンとして使うのが一般的な利用方法です。
また、メールリレーサービスはその特徴からメールリレーだけでなくAPI連携でシステムとの連携が可能であることがほとんどです。
メールリレーの仕組み
メールリレーサービスはその名の通り、リレーのように、サーバーにメールを転送してから送信先に送信する仕組みです。
メールリレーサービスでは、複数のサーバーを経由して最終的に送信先にメールを送ります。このとき、メールの配信に特化したサーバーを利用するため、通常通りの方法で直接メールを送るよりも、信頼性が高まり、到達率が高くなるのです。
メールリレーサービスの利用方法
メールリレーサービスにはいくつかの方式がありますが、主に使われるのはAPI連携とSMTPリレーという方式です。
API連携
まず、「API連携」方式は、自社のシステムにAPIを利用してメールの配信機能を入れ、メールを一斉に送る仕組みです。
例えば、自社で使っている顧客管理の基幹システムに対してAPI連携を行えば、顧客のデータをメールリレーサービス側が自動で読み込み、メール送信することができます。
この方式では、自社サーバーを用意すること無く、メールリレーサービスのクラウドサーバーを利用することができるため、サーバー代を節約することが可能です。
SMTPリレー(メールリレー)
もうひとつの「SMTPリレー」方式は、自社のメールサーバーを既に保有している会社におすすめの方式です。既に使用しているメールサーバーと送信先のメールサーバーの間に新たにメールリレーサーバーを経由させます。
どちらの方式が優れているということはなく、自社インフラの状況や目的に従ってどちらの方式を導入すべきか検討する必要があります。一般的にオンプレミスの基幹システムを導入している企業では、メールサーバーも保有していることが多いため、判断材料の一つにすることができます。
おすすめのメールリレーサービス3選
今回は、特に推奨したいメールリレーサービスをピックアップしてご紹介いたします。
メールリレーサービスの選定に際しての詳細な機能解説や、導入する上での重要ポイントに関しては、この記事の後半部分で詳しく取り上げています。ここで取り上げるメールリレーサービスは、その性能やコストパフォーマンスの優れた点、さらにはユーザーからの高評価により特におすすめできる3つのサービスです。
ブラストエンジン
提供: 株式会社ラクスライトクラウド
ブラストエンジンは株式会社ラクスライトクラウドが提供する、API連携とSMTPリレーに特化したメールリレーサービスです。
このシステムは、メール配信の高速処理、ISPからのレピュテーション維持、キャリアブロックの回避など、メール配信における様々な技術的ハードルに対応するために設計されています 。
主な特徴と機能は以下の通り。
- API連携とSMTPリレー:
自社の基幹システムやクラウドサービスとの連携が可能で、トランザクションメールの自動化や一斉メール配信などを行うことができます 。 - 日本国内への高い到達率と配信速度
導入社数22,000社、13年連続顧客導入数No.1の姉妹製品blastmailの技術力で構築した配信基盤で、各メールプロバイダ、国内携帯キャリアドメインへの最適化と大規模ネットワークを経由してメール配信を行い、日本国内への圧倒的な到達率を実現しています。 - 安心のセキュリティ体制:
24時間365日の監視体制と、SPF/DKIM/DMARCなどのメール送信認証に対応しています。 - 充実のサポート
豊富なメール配信ノウハウを持つ専任スタッフが電話とメールでサポートを提供し、海外サービスにありがちな「問い合わせができない」という心配がありません 。
ブラストエンジンは業界最安値クラスの料金で提供されており、月額3,000円から利用可能です。料金プランは使用量に応じて課金され、配信数が多くなるほど一通あたりの料金が安くなる設定です 。
メールアドレスの入力のみで無料トライアルが可能ですので、まずは気軽にお試しください。
SendGrid
提供: Twilio Inc.
SendGridはTwilio Inc.によって提供される、信頼性とスケーラビリティに優れたメール配信サービスです。2009年に設立され、2019年にTwilioに買収されて以来、企業や開発者が容易に大量のメール配信を行えるよう支援しています。
主な特徴と機能は以下の通り。
- 豊富な機能
SendGridは、メールマーケティング、自動化、サインアップフォーム、メールテストなど、多岐にわたるメールニーズに対応するためのツールを提供します。 - 信頼性の高い配信性能
大規模なメール配信でも、優れた到達率を誇ります。SMTPサービス、メールバリデーション、配信性の洞察など、信頼性の高いメール配信を実現するための機能が備わっています。 - 開発者向けの柔軟性
ダイナミックテンプレート、詳細なメールインフラ、5分で完了する簡単な統合プロセスを提供し、開発者が簡単に利用できるようになっています。
SendGridはダッシュボードが英語のみであることや、配信ログの保存期間が7日間と短いことなどのデメリットがあります。とはいえ、世界中で使われているサービスなので安心して利用することができるでしょう。
ベアメール
提供: 株式会社リンク
ベアメールは、メールの高速配信と到達率の改善を目指すメールリレーサービスです。また、メールの健全性を診断する迷惑メールスコアリングも提供しており、これらのサービスを組み合わせることで、メール配信の運用手間を削減し、到達率の向上を図ることができます 。
主な特徴と機能は以下の通り。
- 高速配信と到達率の改善をサポート
顧客へのメール配信速度を最適化し、ISPのフィルタリングによるブロックを回避する技術を用いて到達率を高めます。 - レピュテーション管理不要
クラウドベースのインフラを使用することで、個々の利用者が自らの送信IPのレピュテーションを管理する必要がなくなります。 - 迷惑メール誤判定リスク診断
送信予定のメール内容を事前に分析し、迷惑メールと誤判定されるリスクを診断、改善策を提案します。
ベアメールではメール配信のためのリレーサービスと、送信されるメールの迷惑メールフィルター通過率を向上させるためのスコアリングサービスを組み合わせています。
その他のおすすめサービスは後述します。
メールリレーサービスのメリット
メールリレーサービスの概要や、仕組みが理解できたところで、メールリレーサービスを実際に導入した際のメリットがどのような点にあるのか見ていきましょう。
メール到達率を改善できる
重要なメールやサービス申し込み後に送られるような自動送信メールが届かないとなると、ビジネスにおいて致命的です。
また、メールマーケティングの施策では、同じ内容のメールを大量に送る必要がたびたび生じます。しかし、受信側のメールサーバーがこれを迷惑メールやスパムとして認識し、受信をブロックしてしまうことがあります。これを防げるのがメールリレーサービスのメリットのひとつです。
もちろん各サービスによりますが、メールリレーサービスは経由したメールの信頼性を担保しているため、迷惑メールの誤判定を回避し、送信先に到達する確率が大幅に上がります。また、各キャリアのキャリアブロックに備えて細かい配信調整を行うなど、専門的な技術によってメールを確実に届けます。
仮に一度到達しなかったとしても、その原因究明も容易に行えるため、最終的には徐々に高い到達率を維持することができるようになります。
大量のメールを一括送信できる
通常、少量のメールを個人が送る際には、事前にサーバーの処理能力に疑問を持つことはありません。これは、個人間のやりとりレベルではサーバーに対して大きな負荷がかからないためです。
一方、企業が大量のメールを同時に送信しようとした場合、サーバーに想定以上の負荷がかかり、メールを処理しきれないことがあります。そうなると、送信遅延が発生したり、送信ができなかったりと、トラブルの原因になりかねません。
その点、メールリレーサービスには特別に高い処理能力を持つハードウェアやソフトウェアが導入されているため、大量のメールを処理しても問題が起きづらく、リアルタイムに送信すべきメールを正確に届けることができます。一度に複数のユーザーが利用するサービスでは不可欠な機能と言えます。
運用工数・運用コストの削減
顧客に重要なメールが正しく配信されているかどうかは、自社のビジネスに重要な影響を及ぼすため、通常はメールが到達しない場合に原因を調査する必要があります。しかし、一般的なメール配信システムを使用している場合には、この原因究明が容易ではなく、時間とコストがかかってしまいます。
メールリレーサービスを利用すれば、こうした調査はログを辿って簡単に行えるようになるため、運用コスト削減につながります。
また、自社でメールサーバーを運用している企業の場合、メールリレーサービスの導入によってサーバーの監視やメンテナンスにかかる業務を軽減でき、運用工数の削減につなげることができます。
分析機能やレポート機能を利用できる
メールを送る機能があっても、配信結果を振り返り、次の施策につなげることができなければ、長期的な数値の改善には役立ちません。その点、メールリレーサービスの中には、メール配信のみならず、配信エラーの分析が行えたり、自動でレポーティングを行ってくれたりするものが存在します。
これによって送信エラーの発生数や、メールの到達率、エラー率、不達の原因などを詳細に理解でき、今後のマーケティング活動改善に活かすことができます。
メールリレーサービスのデメリット
メールリレーサービスは非常に便利ですが、利用には少なからずコストがかかります。
主にライセンス料、システムを運用するための月額料金、サポート契約料、セキュリティ更新料などがかかります。また、仮にオンプレミスの環境でメールリレーサービスを利用する場合、サーバーや機器などハードウェアも必要になりますし、それらを保守運用するコストも事前に見積もっておく必要があります。
導入メリットがコストを上回っているか、を必ず事前に検証しておきましょう。
メールリレーサービスを導入する前に確認すべきポイント
ある程度のコストをかけてサービスを導入するのですから、メールリレーサービスを導入する前には、必ず確認しておくべきポイントがあります。ここでは、その中でも特に重要な3点を解説していきます。
現状の課題を明確にする
メールリレーサービスは、一つのツールであり、それを導入することによってあらゆる課題が解決するものではありません。そのため、自社が抱えている課題を明確にし、その解決手段としてメールリレーサービスが適しているかどうかを判断する必要があります。
場合によっては、メールリレーサービスを含めた複数の解決手段を横並びで比較する必要があるでしょう。
まずはトライアルを試す
いきなりメールリレーサービスを大規模に導入することはリスクがあります。場合によっては技術的な開発や連携のテストを行う必要があります。
「やったけど、うまくいかなかったので辞めます」 だと費用も手間も無駄になってしまうため、トライアルで自社が望んでいる運用が可能かしっかりと見極めましょう。
システム連携の有無を検討する
新たなシステムを導入する際には必ず、既存のシステムとどのように連携するのか、そもそも既存のシステムと連携可能なのか、既存システムで代用できないのか、をそれぞれ検討しましょう。
無理に導入した結果、システム連携に新たな開発工数が発生することもあるため、慎重に物事を進めるべきです。
メールリレーサービスの比較ポイント・選び方
メールリレーサービスを提供している会社は数多くありますが、選ぶ際の切り口が分からなければ、どのようなことに気をつけて比較を行えば良いか迷ってしまいます。
そこで、ここではメールリレーサービスを選ぶ際のポイントを解説します。これらのポイントを頭にいれたうえで、実際のメールリレーサービスを比較検討してみましょう。
エラーメールの管理機能
メールリレーサービスには、エラーメールの管理機能が備わっている場合があります。
この機能を使うことで、届かなかったメールを自動で解析したり、エラーとなったアドレスの記録を管理したり、ログを確認せずとも管理画面から簡単に配信結果を確認したりできます。
エラーメールのチェック工数を削減し、効率よくメール配信を運用したい方には必須の機能と言えます。
キャリアブロックへの対策機能
メールを大量配信するうえで注意すべきポイントのひとつに「キャリアブロック」があります。一度に大量のメールを配信するIPアドレスに対して制限を行うのがキャリアブロックです。
何も対策をせずに自身のPCから大量にメールを送信すると、IPアドレスが一つしかないため、キャリアブロックの対象となり、メールがそれ以上配信できなくなってしまうことがあります。
この対策として、キャリアブロックを検知したときに、ほかのIPアドレスに自動的に切り替えて配信できる機能を搭載しているメールリレーサービスがあります。メールの到達率を上げたいという方はこの機能を搭載したサービスを利用しましょう。
メール認証の有無
メールを大量配信する際に迷惑メールに分類されないための対策として、メール認証が効果的とされています。
メール認証にはいくつか種類があり、メールのなりすましや改ざんを知らせることができる送信ドメイン認証技術「DKIM」や、送信元ドメインが詐称されていないことを証明する技術「SPF」などが有名です。
これらを利用することで、送信ドメインの信頼性を向上することができます。
送信ドメイン認証の機能は、一般的なメールリレーサービスには搭載されています。しかしながら、別料金が発生する場合があるため、事前に料金体系を確認しておきましょう。
システム連携の容易さ
API連携の方式で自社のシステムにメールリレーサービスを連携させるには、API連携の機能が必要です。API連携機能が用意されていても、開発工数がかかってしまっては元も子もありません。
「シンプルに連携できるか」「コードがサンプルとして用意されているか」などを社内のエンジニアと相談し、導入がスムーズに進むものを選びましょう。
サービスの安定性
メールリレーサービスを利用する際、価格は当然重要ですが、それ以上に重要なのがサービスの安定性です。メールリレーサービスは運用が始まれば、顧客との重要な接点を担うため、サービス停止が事業の根幹に関わります。
そのため、「実績に信頼が置けるか」「導入事例は豊富にあるか」「他社から評価されているか」といった観点を、サイトや口コミサイトなどからリサーチしておきましょう。
サポート体制
システムには予想外のトラブルやバグがつきものです。こうしたトラブルを未然に防ぐことは重要ですが、ゼロにすることは難しいため、専門家やサポートデスクへすぐにアクセスできるよう事前に準備しておく必要があります。
メールリレーサービスを提供している会社の中には、サポート体制が充実している会社もあれば、そうでない会社も存在します。いざトラブルが発生した際に迅速に対応してもらえるよう、サポートの体制やサポートチャネル、サポート内容に至るまで詳細に確認しておくことをおすすめします。
セキュリティ体制
メールリレーサービスは顧客の情報を連携して使用するシステムであるため、セキュリティ体制が万全であることは欠かせません。メールリレーサービスを通じて個人情報が漏れるようなことがあっては、自社のレピュテーションリスクにつながります。
また、自然災害が発生し、サーバーが停止してしまった場合に備えてどのような対策が施されているのかを事前に確認する必要もあります。自然災害が原因でサーバーがダウンし、自社のビジネスが継続できなくなってしまえば、一大事だからです。重要なのはサーバーが冗長化されているか、バックアップがどのように取られているかを把握することです。疑問点や懸念点があれば、担当者に確認しておきましょう。
料金プラン
メールリレーサービスの料金プランは、導入の方式や、規模感、搭載している機能によって異なっています。
導入の方式とは、オンプレミス型なのか、クラウド型なのか、という違いです。オンプレミス型は自社サーバーを用意し、そこにメールリレーサービスを入れ込むという方式であるため、ソフトウェアのライセンス料に付随して、サーバー費用やサーバーを運用する費用がかかります。
一方、クラウド型で導入する場合、サーバー費用やサーバーの運用費用はかからない代わりにサブスクリプションの月額費用がかかる場合が多くあります。導入コストは安く抑えられる可能性が高いですが、利用する期間が長期に渡る場合、合計のコストが高くなる可能性もあります。
いずれも自社のシステムに対する考え方と、想定利用ケースでの費用を十分に見積もったうえで試験導入してみるのが良いでしょう。
メールリレーサービスを提供している会社の中には、無料もしくは低価格でトライアルを行えるプランを用意している場合もあるので、興味があればまずは一度スモールスタートをしてみることをおすすめします。
Gmailのメール送信者ガイドラインに準拠しているか
2023年の10月にGoogleは、Gmailへのメール送信者に対して、2024年2月から施行される新しいガイドラインを発表しました。主に迷惑メール対策のための変更となります。
変更内容のうち、メール送信が気をつけるべきポイントは大きく以下の3種類に分けることができます。
- 送信メールを認証すること
- 未承諾のメールまたは迷惑メールを送信しないこと
- 受信者がメールの配信登録を容易に解除できるようにすること
つまり、送信元の正当性を正しく認証した上で、ユーザーが迷惑がらないようにメールを送信することがメール送信者には求められています。このガイドラインの要件を満たせていないメールは迷惑メールに割り振られてしまったり、受信を拒否されることがあります。
実際にメールの送信者からは「送ったはずのメールが届かない」「迷惑メールに振り分けられてしまう」などの声が聞こえてきており、ガイドラインを遵守することは必須と言っても過言ではない状態となっています。
今回紹介するサービスでは、自社サイトなどでGmailガイドラインに遵守していると記載がある場合は、Gmail送信者ガイドライン対応サービスとしてご紹介します。
メールリレーサービス比較10選
記事上部ではおすすめのメールリレーサービスを3つご紹介しました。ここでは、その3サービスを含む10サービスを改めてご紹介します。
ブラストエンジン
提供会社 | 株式会社ラクスライトクラウド |
初期費用 | 0円 |
月額料金 | 3,000円〜(10,000通) |
サポート | 電話・メール |
Gmailガイドライン | 対応 |
ブラストエンジンは、SMTPリレーサーバーを使用して、簡単に大量のメールを高速配信することが可能です。さらに、メールサーバーを必要とせず、API経由でメールを送信する仕組みも提供しています。
ブラストエンジンは、サーバーの運用やメンテナンスを行っているため、常に高いIPレピュテーションを維持しながら、安全にメールを送ることができます。
以下のような課題がある場合は、ブラストエンジンの利用を検討してみることをおすすめします。
- 自社のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されていて、メールが届かない場合
- 国内キャリアにメールが届かず、対応方法がわからない場合
- 自社でメールサーバーを管理・運用したくない場合
また、ブラストエンジンは各メールプロバイダーや携帯キャリアのドメインに最適化されており、大規模なネットワークを経由してメール配信を行うことで、日本国内での到達率を圧倒的に高めています。
利用料金は月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れており、メールだけでなく、日本語での電話サポートにも対応しています。
詳細情報や料金プランについては、ブラストエンジンの公式サイトからご確認ください。
公式サイト:https://blastengine.jp/
SendGrid
提供会社 | Twilio Inc. |
初期費用 | 無料 |
月額料金 | 2,300円〜(40,000通) |
サポート | メールのみ |
Gmailガイドライン | 対応 |
SendGridはTwilio Inc.が提供するクラウドベースのメール配信サービスで、マーケティングメールやトランザクションメールの信頼性の高い配信を可能にします。
APIやSMTP経由での統合、詳細な分析機能を備え、高い配信率を実現します。カスタムメールテンプレート、セグメンテーション、パーソナライゼーションを支援し、効果的なオーディエンスエンゲージメントを促進します。
詳細情報は、SendGridの公式サイトからご確認ください。
公式サイト:https://sendgrid.kke.co.jp/
ベアメール
提供会社 | 株式会社リンク |
初期費用 | 50,000円 |
月額料金 | 5,000円〜(10,000通) |
サポート | 電話・メール |
Gmailガイドライン | 対応 |
ベアメールは、株式会社リンクが提供するメールリレーサービスです。このサービスは、メールの高速配信と到達率の改善を目指し、迷惑メールスコアリング機能も提供しています。
ユーザーは、クラウド型リレーサーバを利用することで、自身の送信IPのレピュテーション管理を気にする必要がなく、メール配信プロセスの簡略化と効率化を図ることができます。
詳細については、ベアメールの公式サイトからご確認ください。
公式サイト:https://baremail.jp/
WEBCAS e-mail
WEBCAS e-mailは株式会社WOW WORLDが提供するメール配信システムで、大手企業や官公庁にも導入されている信頼性の高いサービスです。
20年以上の実績を持ち、毎時1,000万通以上のメールを高速に配信できる能力があります。使いやすさと充実したサポート体制も特徴で、既存のデータベースや外部システムとの連携が容易です。
詳細や最新の機能については、WEBCAS e-mailの公式サイトからご確認ください。
公式サイト:https://www.webcas.jp/email/
Gmailガイドライン:対応
アララ メッセージ
「アララ メッセージ」は高速配信と高い到達率を特徴とするメール配信システムです。毎時100万通のメール処理能力と自動チューニングにより、効率的な配信を実現。
豊富なAPIでシステム連携をサポートし、シンプルな管理画面でHTMLメール作成が容易です。150種類以上のテンプレートを提供、初心者でも簡単に利用開始できます。料金は月額9,500円からで、メールマーケティングの遅延や不達を改善します。
詳細や最新の機能については、アララ メッセージの公式サイトからご確認ください。
公式サイト:https://am.arara.com/
Gmailガイドライン:対応
Amazon SES
Amazon SES (Simple Email Service)は、Amazon Web Services (AWS)が提供するスケーラブルなメール送信サービスです。
このサービスは、大量のメール配信やトランザクションメール、マーケティングメールの送信に適しています。開発者はAmazon SESを使用して、アプリケーションから直接メールを送信でき、SMTPインターフェースやAWS SDKを介して簡単に統合することが可能です。
料金は使用量に基づいており、小規模から大規模なメール配信ニーズに対応する柔軟なプライシングモデルを採用しています。
詳細や最新の機能、料金プランについては、Amazon SESの公式サイトをご覧ください。
公式サイト:https://aws.amazon.com/jp/ses/
Customers Mail Cloud
Customers Mail Cloudは、クラウドベースのメール配信サービスであり、SMTPおよびHTTP-APIを通じたウェブサービスとのシームレスな連携を実現します。
このサービスは、開発者が利用できる多様なAPIを提供し、即時性が求められる商品購入確認メールや予約確認メール、大量の結果通知メールなど、ユーザーに向けた重要な通知メールを確実に配信することができます。
詳細や最新の機能、料金プランについては、Customers Mail Cloudの公式サイトをご覧ください。
公式サイト:https://smtps.jp/
Cuenote SR-S
「Cuenote SR-S」は、時速340万件という高速配信スピードを誇るメール配信サービスです。メール作成から配信までをサポートする多様な追加機能も魅力の一つであり、ユーザーにとって幅広いニーズに応えるサービスとなっています。
ただし、他サービスと比較して料金がやや高めに設けられており、コストパフォーマンスを検討することが推奨されます。大規模なメール配信ニーズを持つ企業において、検討すべきオプションの一つです。
詳細や最新の機能、料金プランについては、Customers Mail Cloudの公式サイトをご覧ください。
公式サイト:https://www.cuenote.jp/sr-s/
Curumeru
「Curumeru」は、株式会社ラクスにより提供される高性能なメールリレーサービスです。単純なメール送信機能を超え、マーケティング活動を支援する豊富な機能を提供しています。これには、メールキャンペーンの成果測定やスケジュール配信などが含まれます。
サービス契約時には、SMTPリレーやAPI経由の連携方法を選択することが求められます。API連携には追加の料金が適用される場合があるため、詳細は確認が必要です。
詳細や最新の機能、料金プランについては、Curumeruの公式サイトをご覧ください。
公式サイト:https://www.curumeru.jp/
SENDMAGIC
2001年に市場に登場したこのメール配信エンジンは、1,000を超えるライセンス販売と350社以上の企業利用の実績があり、高い信頼性を有しています。
SENDMAGICを用いたメール送信設定を完了させることで、1時間に200万通以上のメールを素早く配信することが実現します。携帯電話やPC向けのメール配信に最適化された送信ロジックは、配信遅延や未配達の問題を効果的に解決します。
セキュリティは、DKIM認証やメールアドレスの暗号化、STARTTLSなどを含み、ユーザーに安全性を保証します。配信リストや管理画面を持たないシンプルな構造が、マーケティングツールや他のシステムとの統合を容易にします。
詳細や最新の機能、料金プランについては、SENDMAGICの公式サイトをご覧ください。
公式サイト:https://www.sendmagic.jp/
Gmailガイドライン:対応
まとめ
メールリレーサービスは、送信元のサーバーと送信先のサーバーの間に、他のサーバーを経由することでメールの到達率を上げたり、多くのメールを一斉に処理したりできるようにするサービスを指します。
主な方式としてAPI連携とSMTPリレーという2つの方式があり、自社の方針によりますが、一般的にはオンプレミスの基幹システムで既存のメールサーバーがあるような会社はSMTPリレーを、その他のシステムではAPI連携がおすすめです。
メールリレーサービスを利用することで、メールの到達率を上げてメールマーケティングの効果を最大化したり、メールマーケティングを担当する人員を削減して運用コストを下げたりすることができますが、導入には一定の費用がかかります。
そのため、導入後にコストとなるリスクを低減するために、メールリレーサービスを導入する前には必ず自社の課題を整理し、自社システムとの連携を計画したうえで、段階的に導入することを検討する必要があります。
メールリレーサービスには様々な種類がありますが、比較する際には必須の機能である「エラーメールの管理機能」、「キャリアブロック対策機能」、「送信ドメイン認証」が搭載されているか、自社システムとの連携がとりやすいか、安定したサービスを提供しているか、といったポイントをチェックしましょう。
メールリレーサービスは、メリットを最大限引き出せる環境であれば、自社のビジネスに大きな追い風をもたらす革新的な仕組みです。この記事を参考に、ぜひメールリレーサービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。