【メールエラーメッセージとエラーコード一覧】エラーの原因と対策がわかる!
メールを送信したとき、思わぬエラーメッセージが返ってくることがあります。それらのメッセージは一見すると複雑で理解しにくいものですが、正しく解釈すれば何が問題で、どのように対処すればよいか分かります。
本記事では、メールの配信時に発生するエラーメッセージとエラーコードの一覧について解説します。原因と対策についても併せて紹介するので、メール配信時に発生するエラーの対策用としてお役立てください。
メールのエラーメッセージ「MAILER-DAEMON」とは
メール送信後、「Mail Derivery Subsystem」や「MAILER-DAEMON」という、英語表記で見覚えのない送信先から英文でメールが届くことがあります。
これは、「宛先が誤っている場合」や「メールサーバーあるいはメールソフトの不具合」によってメールが正常に送信できなかった場合に送信される、エラーメールの件名・差出人名です。日本語表記だと文字化けを起こす恐れがあるため、全文が英文表記となっています。
なお、「Mail Derivery Subsystem」や「MAILER-DAEMON」という件名・差出人名はあるものの、実際に存在するユーザーではないため、返信しても無意味です。
これらは名称が異なるため、それぞれ違った役割を担っていると考える方もいるかもしれませんが、あくまでもエラーメールにおける一般的な件名・差出人名となっており、特に違いはありません。場合によっては、「Postmaster」という名称でメールが届くこともあります。
このようなエラーメールの内容としては、なぜメールが届かなかったのか、エラーの原因が記載されているため必ず確認するようにしましょう。
メールのエラーメッセージ一覧
それでは、主なエラーメッセージ5点について見ていきましょう。それぞれについて、原因と対策を紹介します。
User unknown
ホスト名が間違っていることを意味するエラーメッセージです。
原因
このエラーメッセージが記載されている場合、メールアドレスのユーザー名が間違っている事を指します。ユーザー名またはホスト名が指すのは、メールアドレスの@より前の部分です。
対策
送信先のメールアドレスについて、@より前の部分に誤りがないかどうか確認しましょう。単純な誤字というケースや、既に存在しないユーザー名またはホスト名であるケースが考えられます。
HOST unknown
ドメインが間違っていることを意味するエラーメッセージです。「host not found」という表記で送信される場合もあります。
原因
このエラーメッセージが記載されている場合、メールアドレスのドメイン名が間違っていることを指します。ドメイン名とは、メールアドレス@より後ろの部分です。
対策
User unknouw同様、誤字や存在しないドメイン名を入力しているケースが考えられます。
ドットがカンマになっている、.comやco.jpなど、末尾が誤っていることも想定されるため、送信先メールアドレスについては@の前後についてしっかりと確認しておきましょう。
Message content rejected
受信サーバーによって、送信したメールがスパムと判断された場合にこのエラーメッセージが記載されたメールが届きます。
原因
送信したメールがスパムとして判断される要因はいくつか存在しますが、ウイルス感染している恐れのあるファイルが添付されている、もしくは件名や本文内に不適切な文言が記載されている場合、このエラーメッセージが記載されたメールが届きます。
対策
まず、ウイルス感染については、ウイルススキャンソフトの使用やウイルスチェックができる環境の構築を行いましょう。できる限りウイルス感染の恐れを排除することが重要です。
また、不適切な文言については明確なキーワードが公表されているわけではありませんが、スパムメールを連想させるような文言はなるべく使用しないようにすることが賢明でしょう。
たとえば、読者の興味関心を掻き立てるものの、同時に怪しさも感じられる「無料」というキーワードなどは、スパム認定される恐れが高いといえます。無料という意味合いの文言を使用したい場合は、「費用はかかりません」というようないい換えが必要です。
また、過度な飾り文字もスパム認定される対象となり得るため、注意しましょう。
Storage quota exceeded/Message size exceeds remaining
受信者側のメールボックス容量が一杯になっている際に記載されるエラーメッセージです。
原因
このエラーメッセージが記載されている場合、送信者側には問題はありません。
しかし、受信者側のメールボックスが一杯ではメールを送っても届くことはないため、このエラーメッセージとともに送信者側にエラーメールが届いてしまうという仕組みになっています。
対策
送信者側のみで対策を取ることはできないため、受信者にメールボックスが一杯になっている旨を伝え、不要なメールを削除してもらうなどしてボックス容量を空けてもらいましょう。あるいは、メールボックスの容量上限を増やしてもらうことも対策の一つです。
Too much mail date
送信したメールまたは添付ファイルのサイズが大きすぎる場合に記載されるエラーメッセージです。
原因
文章だけで構成されているテキストメールと異なり、HTMLメールのような容量が大きくなるメールの場合に、このエラーメッセージが記載されることがあります。
HTMLメールとは、メール内に画像や動画を挿入したり、テキストサイズやカラーをカスタマイズできたりする自由な形式のメールです。メールマガジンなどに使用されますが、文言のみのテキストメールに比べてサイズが大きくなってしまうため、メールを開封できなかったりレイアウトが崩れたりする恐れがあります。
対策
対策としては、添付ファイルを圧縮してサイズを小さくしたり、挿入する画像や動画の数を減らしたりなどが効果的でしょう。
Your envelope recipient is in my badrcptto list
受信側のメールサーバー、あるいはメールマガジンの購読者に受信拒否設定をされている場合に表示されるエラーメッセージです。
原因
受信側のメールサーバーに受信拒否されている場合、送信元IPアドレスの評価をスコア形式で算出するIPレピュテーションスコアが低いかもしれません。IPレピュテーションは、送信ドメイン認証の適切な設定や、適度な頻度でのメール送信によって高めることが可能です。
メールマガジンの購読者に受信拒否されている場合、その状態そのものが原因といえます。
対策
いずれにせよ、IPレピュテーションスコアを高める方向性でメール配信を行うよう心がけることが重要です。
また、受信拒否設定をされてしまっているということは、その対象者にとって既に不要なメールマガジンである、あるいは送信頻度が高すぎるがゆえに受信拒否されてしまっていることが考えられます。今一度、自社が配信しているメールが適切な頻度で、適切な対象者に送信されているかどうかをチェックすることが重要です。
エラーコードでもエラー原因がわかる
エラーメッセージと同様に、エラーコードもまたメール送信時の問題を特定するのに役立ちます。エラーコードは、一般的に3桁の数字で表され、その数字によって問題の性質が区別されます。
一時的なエラーは通常、4xxのコードで示され、これは問題が一時的であることを意味し、再送信によって解決する可能性があります。一方、5xxのコードは永続的なエラーを示し、問題の解決にはより具体的な対策が必要です。
このセクションでは、一般的なエラーコードとその意味、対処法について詳しく解説します。
エラーコードとは
エラーメールには、ほとんどの場合何らかのエラーコードが併記されています。3桁の数字、2つのドットと3つの数字、英文で構成されており、RFC(Request for Comments)と呼ばれる「インターネット上のさまざまな技術の標準化や運用に関する事項といった、幅広い情報を共有するために公開されている文書シリーズ」によって定義づけられています。
RFCだけではなく、GmailやYahoo!メール、Outlookなどにも独自のエラーコードが定義づけられており、その種類は多岐にわたります。そのため、自身が使用しているメールツールによって適切なエラーコードを探すとよいでしょう。
エラーコードの構成
エラーコードは、3つの要素で構成されています。
1つは応答コードです。これは、コードの最初に記載されている3桁の数字を指します。3桁のうち、最初の数字が「2の場合は成功」「3の場合は成功、続きのデータ要求」「4の場合は一時的なエラー」「5の場合は永続的なエラー」です。
2つ目はステータスコードで、3つの数字と2つのドットで表示されます。応答コードごとに異なる追加情報が記載される部分で、「0は文法エラー」「1はステータスやヘルプ要求への応答」「2は通信チャネルに関する応答」「5は受信側メールシステムの問題など」です。
3つ目はテキストです。応答コードとステータスコードはプログラム側で判断できますが、人間は数字だけ見ても分からないケースが多いため、人間でも理解できるようにテキストとして記載されています。
おおむね、応答コードとテキストを確認すればどのようなエラーが発生しているのかは判断できるようになっているため、あまり難しく考えなくても問題ありません。
エラーコード一覧
それでは、実際にどのようなエラーコードがあるのか、一覧にして見ていきましょう。なお、ここで紹介するのはRFCで定義されている一時的なエラーと永続的なエラーです。
一時的なエラー
応答コードの1桁目が4のエラーコードが一時的なエラーです。
コード | テキスト | エラーの理由 |
421,4.4.5 | Server busy, try again later. | 送信先サーバーがビジー状態。 |
421,4.7.0 | IP not in whitelist for RCPT domain, closing connection. | 送信元アドレスが受信側のホワイトリストに入っていない。 |
421,4.7.0 | Our system has detected an unusual rate of unsolicited mail originating from your IP address.To protect our users from spam, mail sent from your IP address has been temporarily blocked. | 送信元IPアドレスから大量の迷惑メールが送信されているため、一時的にブロックしている。 |
421,4.7.0 | Temporary System Problem.Try again later | システム上の一時的な問題。 |
421,4.7.0 | TLS required for RCPT domain, closing connection. | 受信側にてTLS(メールの暗号化)の要求が行われた(暗号化されていない)。 |
450,4.1.1 | Recipient address rejected.unverified address. | 受信アドレス認証のないアドレスのため拒否された。 |
450,4.2.1 | The user you are trying to contact is receiving mail too quickly.Please resend your message at a later time.If the user is able to receive mail at that time, your message will be delivered. | メールの送信にかかった時間が短すぎる。※「スロットリング」:メールは一定時間内に受信可能なメール数制限を設けているが、その上限を上回るとメールの受信が拒否される。これを防止するために、メールの送信を遅くさせることを指す。安定したメール配信に役立つ機能。 |
451,4.3.0 | Mail server temporarily rejected message. | メールサーバーで一時的に拒否された。 |
451,4.4.2 | Timeout-closing connection. | タイムアウトの意味。 |
452,4.2.2 | The email account that you tried to reach is over quota. | 送信先のアカウント容量オーバー。 |
永続的なエラー
続いて、応答コードの1桁目が5のエラーコードは永続的なエラーコードです。
コード | テキスト | エラーの理由 |
501,5.5.2 | Cannot Decode Response. | 応答の解読不可。 |
502,5.5.1 | Unimplemented command. | コマンド実行不可。 |
530,5.7.0 | Must issue a STARTTLS command first. | メールの暗号化(STARTTLS)が必要。 |
550,5.2.1 | The email account that you tried to reach is disabled. | 送信先メールアドレスが無効。 |
550,5.7.0 | Mail relay denied. | メールリレーが拒否された。 |
550,5.7.1 | Email quota exceeded. | メール容量の超過。 |
550,5.7.1 | Unauthenticated email is not accepted from this domain. | このドメインから認証されていないメールの受け取り不可。 |
552,5.2.2 | The email account that you tried to reach is over quota. | 送信先メールアカウント容量が一杯で新しいメールの受信不可。 |
553,5.1.2 | We weren’t able to find the recipient domain. | 送信先アドレスが見つからない。 |
このように、RFCで定義づけられているエラーコードだけでも、それなりの数が存在しています。加えて、GmailやYahoo!メールなども合わせると膨大な量になるため、本記事や下記参照先をご活用ください。
参考1:Gmail の SMTP に関するエラーとコード – Google Workspace 管理者 ヘルプ
参考2:メール送信エラーの原因と対処方法(MAILER-DAEMON@yahoo.co.jpからの警告メール)
メール配信システムの活用
上記で紹介したようにメールエラーの種類は様々あります。これらのエラーをすべて回避してメールを配信するのは実はとても難しく技術が必要となります。
自社のエンジニアの継続的な稼働や専門的な知識を有していない場合は、迷わずメール配信システムを活用するのがおすすめです。
多くのシステムでは技術を駆使して複数のエラーを回避するような仕組みがあります。もちろん、すべてのエラーを防げる訳ではありませんが、メールの到達率を上げるためには必須のサービスと言えるでしょう。
以下では用途別のおすすめシステムをご紹介します。
API連携・SMTPリレーサービス「ブラストエンジン(blastengine)」の活用
ブラストエンジンは、SMTPリレーサーバーを使用して、簡単に大量のメールを高速配信することが可能です。さらに、メールサーバーを必要とせず、API経由でメールを送信する仕組みも提供しています。
ブラストエンジンは、サーバーの運用やメンテナンスを行っているため、常に高いIPレピュテーションを維持しながら、安全にメールを送ることができます。
以下のような課題がある場合は、ブラストエンジンの利用を検討してみることをおすすめします。
- 自社のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されていて、メールが届かない場合
- 国内キャリアにメールが届かず、対応方法がわからない場合
- 自社でメールサーバーを管理・運用したくない場合
また、ブラストエンジンは各メールプロバイダーや携帯キャリアのドメインに最適化されており、大規模なネットワークを経由してメール配信を行うことで、日本国内での到達率を圧倒的に高めています。
利用料金は月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れており、メールだけでなく、日本語での電話サポートにも対応しています。
メールアドレスの入力のみで無料トライアルが可能ですので、まずは気軽にお試しください。
シェア1位のメール配信システム「ブラストメール」の活用
ブラストメールは、13年連続で顧客導入シェア1位を獲得している信頼性の高いメール配信システムです。ブラストエンジンとは異なり、メルマガなどのメール一斉送信に利用することができます。
このメール配信システムの特徴は、使いやすさとコストパフォーマンスの高さです。さまざまな業種や官公庁でも利用されており、定番のメール配信システムとして広く知られています。
迷惑メール対策機能はもちろん、セグメント配信や効果測定、HTMLメールエディタなど、基本的な機能がすべて揃っています。最も安いプランでも、月額4,000円以下で導入することができます。
シンプルで安価なため、初めてメール配信システムを利用してみたい方にもおすすめです。無料トライアルも用意されているので、まずは試してみることをお勧めします。
まとめ
メールを送信してエラーメッセージの記載されたメールが返ってくると、慌ててしまうかもしれません。
しかし、今回紹介した数多くのエラーコードとその内容を把握、あるいは把握しておかなくてもすぐ確認できるようにしておけば、即座に対応できるようになるでしょう。