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Webhookとは?仕組みやメリット、APIとの違い、利用方法について分かりやすく解説

2024年5月7日 API連携

近年、ビジネスにおける効率的なデータ連携と自動化の重要性が高まる中、Webhookは多くの開発者や企業に注目されています。

しかし、Webhookが具体的に何であるか、またその利用方法については理解が曖昧なままの方も少なくありません。本記事では、Webhookの基本からその仕組み、メリット、さらにAPIとの違いについて明確に解説します。

また、Webhookを利用する際の具体的な手順や注意点についても詳しく説明し、実際のサービス例や利用シーンを交えながら、どのようにビジネスプロセスを効率化し、セキュリティを確保しながら実装するかをご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

Webhookとは

Webhookは、特定のイベントが発生した際に、事前に設定された他のアプリケーションに通知を自動的に送信する仕組みで「Webコールバック」や「HTTPプッシュAPI」と呼ばれることもあります。

例えば、Webサイトのフォームが送信された時やデータベースに変更が加えられた際に、関連する他のシステムがリアルタイムで反応できるように通知します。これにより、手動でのデータチェックやリクエストの必要がなくなり、プロセスの自動化が促進されます。

他にも、メールが届かなかった場合にイベントとして通知するなど様々な用途で使われています。

Webhookの仕組み

Webhookの動作は非常にシンプルで、以下の仕組みで動作します。

  1. Webhookの呼び出し先であるアプリケーションがURLを公開する
  2. 呼び出し元のWebサーバー上で発生した特定のイベントをきっかけに、事前に設定されたURLにHTTPリクエストを送信する
  3. リクエストを受信したサーバーが、それに応じた処理を開始する

なお、一般的にWebhookはWebサーバーのやり取りが基本であるため、HTTPプロトコルを使用して実装されます。

Webhookのメリット

Webhookを使えば、特定のイベントをきっかけに処理を行えるため、処理の自動化を行えます。その即時性と効率性は最大のメリットと言えるでしょう。

また、リアルタイムな処理にも適しているため、外部アプリケーションともスムーズにデータを同期できます。そのほか、送信するデータの形式に制約がないことも、Webhookのメリットです。

Webhookでできることの例

Webhookは多岐にわたるシナリオで活用できます。一般的に、外部アプリケーションの通知はメールや外部アプリケーション上のアプリでしか取得できません。この方法では、アプリやメールを逐一確認しなければならず、どうしてもタイムラグが生まれてしまいます。

しかし、Webhookを使用すれば、例えばビジネスチャットツール上に即時通知を出して、業務上の連絡をスピーディーにできます。また、サーバーとデータの同期もできるため、わざわざデータを転記せずとも最新のデータを反映することが可能です。

そのほか、新しいデバイスでログインした利用者にメールを送信して不正利用ではないか確かめる、ECサイトでの注文が完了した時に在庫管理システムを更新する、SNSで特定のキーワードが投稿された際に通知を受け取るなどにもWebhookは活用されています。

Webhookに対応しているサービス例

多くのプラットフォームがWebhookをサポートしており、GitHub、Slack、Shopify、Google Calendarなどがその代表例です。これらのサービスは、特定のイベントが発生した際にWebhookを介して自動的に通知を送ることができ、他のアプリケーションとの連携を容易にします。

以下は、Webhookに対応している代表的なサービスの一覧です。

  • GitHub
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • LINE
  • Zoom
  • PayPay
  • PayPal
  • Slack
  • Chatwork
  • Dropbox
  • blastengine

誰もが知るSNSアプリはもちろん、決済アプリや開発向けのサービス、ビジネスツールやストレージサービスなど、多種多様なサービスで対応していることが分かります。

その他にもWebhookに対応しているサービスは様々あるので、利用したいサービスの詳細を調べてみるとよいでしょう。

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WebhookとAPIの違い

Webhookと混同される機能に、APIが存在します。どちらもアプリケーション同士で通信するために使われますが、仕組みや利用シーンが異なるため、違いをしっかり把握しておく必要があります。

主な違いは「プッシュ型」対「プル型」の通信方式です。APIは必要に応じてデータをリクエストする方式ですが、Webhookはイベントが発生すると自動的にデータを送信します。これにより、Webhookはリアルタイムでの反応が可能で、APIに比べて通信コストを削減できるなどの利点があります。

通信コスト

APIは、クライアント側がサーバー側に対して特定の処理をリクエストし、それに応じたレスポンスを受け取って処理を行います。こうした処理方法で複数のサービスとデータをやり取りする場合、「ポーリング」と呼ばれる定期的な問い合わせ作業を行う必要があります。

しかし、リアルタイムな情報を得るには、データが更新されていないか確認するために頻繁にポーリングを行わなければなりません。ポーリングを行い続けると、リクエストを送り続けるクライアントやリクエストを受信し続けるサーバーに負担がかかってしまうため、通信コストがかさみます。

一方、Webhookはリクエストせずともサーバー側からデータを送信するため、最小限のコストで通信が行えます。そのため、リアルタイムで通知したりデータを連携させたりする際は、APIよりWebhookのほうが無駄なくデータを受信できるでしょう。

トリガ

APIは、クライアント側がサーバー側に必要なデータを送った際に、サーバー側がそれに応じた内容を返します。クライアント側のリクエストをトリガーとするため、クライアント側がサーバー側へリクエストしなければ情報のやり取りは発生しません。

一方、Webhookはサーバー側でイベントが発生した際に、クライアント側にデータを送信します。サーバー側のイベントをトリガーとするため、リクエストせずとも自動的にデータのやり取りが発生します。

通信の方向

APIは、リクエストとレスポンスを行ってお互いにデータを送信しあうため、双方向の通信といえます。しかし、Webhookは特定のイベントをきっかけにサーバー側がクライアント側へデータを送るため、一方向のやり取りとなります。

そのため、Webhookはお互いのデータのやり取りが求められる処理には向いていません。

事前設定の有無

Webhookは、クライアント側がデータを受け取れるように、事前にサーバー側へデータの通知先を設定しなければなりません。このデータの通知先を「エンドポイント」と呼び、Webhookを設定するにはこのエンドポイントを構築しておく必要があります。

一方、APIは事前にこうした設定を行わなくても、通信に必要な認証キーを使用するだけで利用することが可能です。

セキュリティ

APIの場合、リクエストを送ったユーザーに権限があるか判別するために、APIキーやシークレットキーなどを用いて認証します。

一方、Webhookは公開したエンドポイントにデータを送信する仕組みであるため、Webhook自体にユーザーを認証する機能はありません。そのため、第三者から悪意を持ったデータを送られたりデータが途中で改ざんされたりするおそれがあります。

利用する際は、HMAC(Hash-based Message Authentication Code)やBasic認証などを施して、セキュリティ対策を取る必要があるでしょう。一方で、WebhookはAPIに比べて不要な通信を行わないため、情報漏洩のリスクは低いといえます。

利用シーン

Webhookは、サーバー側のイベントをトリガーにデータを送信する性質上、即時通知やリアルタイムなデータの連携などに向いています。例えば、リアルタイムでの在庫更新通知、顧客サポートチケットの即時反応、マーケティング自動化のトリガーなど、速やかな情報共有が必要とされる多くのビジネスプロセスで利用されています。

ただし、双方向でのデータのやり取りはできないため、外部アプリケーションの機能を利用する際は、APIを使った方がよいでしょう。

Webhookを利用する際に必要な設定

実際にWebhookを利用するには、どのような設定が必要なのでしょうか。一般的に、以下の手順を踏むことでWebhookを利用できます。

アプリケーションURLを設定

サーバー側からデータを受け取るために、リクエストを受信するアプリケーションURLを設定します。

アプリケーションURLを設定する際は、一般的に提供元のサービスの設定画面やAPIから行います。サービスによっては「メッセージ受信」「ステータス更新」など、データを送信するトリガーとなるイベントを選択できるため、忘れずに設定しましょう。

アプリケーションURLにアクセスできるようセットアップ

パブリックネットワークからアクセスできるように、アプリケーションURLをセットアップします。ローカルホストや虚偽のドメインなどにはリクエストを送信できないため、受信するサーバーを用意したうえでURLを公開しましょう。

また、JSONやXMLなど受信したデータの形式に合わせてリクエストを処理できるように、受信した際に実行するコードを作る必要があります。

Webhookのデバッグ

Webhookは、ある処理が完了するのを待たずに次の処理を進める「非同期処理」という方式であるため、デバッグが難しくなりがちです。

デバッグする際は、まずリクエストを収集するツールを使って送信されたリクエストの内容を確認します。内容を確認できたら、テスト用のリクエストを生成して正しくリクエストを処理できるか確かめましょう。

また、受信した際に実行するコードに不備はないか、ローカルマシン上でコードをテストすることも重要です。全体の処理フローを確認して問題が無ければ、デバッグ処理は終了です。

Webhookをセキュアにする

アプリケーションURLを公開する以上、不正なリクエストやデータの改ざんを防ぐためにセキュリティ対策を施す必要があります。

トークンをパラメータに追加して識別したり、Basic認証を設定して認証情報を含めたりして、リクエストが不正ではないか判別しましょう。

エラー処理を行う

リクエストを受信する際にエラーが生じても、エラー処理を施さなければデータが消失する恐れがあります。一般的なWebhookでは、受信側からエラーが返った場合はリクエストを再送してくれるため、必ずエラー処理を行うようにしましょう。

なお、リクエストを正常に処理したにもかかわらずエラーを返してしまうと、データが重複してしまうため注意です。

リクエストを処理できることを確認する

一つひとつのリクエストは処理できても、多数のリクエストを受けた場合に処理が追いつかない恐れがあります。

負荷テストツールを利用して、多数のリクエストも正常に処理できるか確認しましょう。

レート制限を行う

Webhookエンドポイントに対するリクエスト数にはレート制限を設けることで、サービスの乱用を防ぎ、システムへの過度な負荷を避けることができます。

リクエスト数に上限を設定して、Dos攻撃・DDos攻撃の対策を施しましょう。レート制限を行うことで、サーバーがハングアップしてしまう事態を防げます。

ログの記録とイベントの監視を行う

どんなリクエストを受けたのか、イベントのログを記録・監視しましょう。ログを残しておくと、システム障害やセキュリティ脅威の発生を検知できるため、問題を迅速に解決できます。

また、異常なパターンやエラーが検出された場合にアラートを出すイベント監視システムを設置することで、問題を迅速に特定し対処することができます。

ドキュメントを整備する

Webhookを他のデベロッパーに提供する際は、使いやすいようにドキュメントを用意しましょう。設定方法やデータ形式、処理方法など事細かく内容を記述することで、ユーザーにWebhookを利用してもらいやすくなります。

メール配信でWebhookを活用する

メール配信システムにおけるWebhookの利用は、リアルタイムのイベント通知を活用して効率的なコミュニケーションを実現する方法です。

Webhookを用いることで、メールの送信、開封、クリックなどのアクションに基づいて自動的に特定の処理をトリガーすることができます。

メールでのWebhook活用例

メール配信システムにおけるWebhookの利用は、リアルタイムのイベント通知を活用して効率的なコミュニケーションを実現する方法です。Webhookを用いることで、メールの送信、開封、クリックなどのアクションに基づいて自動的に特定の処理をトリガーすることができます。

以下に、メール配信でWebhookを利用する主なシナリオとその設定方法について説明します。

  1. イベントベースのトリガー設定
    メールマーケティングツールやトランザクションメールサービスでは、ユーザーがメールを開封したり、リンクをクリックしたりした際のイベントをWebhookで捉えることができます。これにより、顧客の行動に応じた追跡や次のアクションへの自動移行が可能になります。
  1. 自動応答の設定
    メール開封や特定のリンクのクリックをトリガーとして、別のフォローアップメールを自動的に送信する設定ができます。例えば、プロモーションメールに対する反応に基づいて、関連商品の情報を送るなどが可能です。
  2. 顧客データの自動更新
    メールを通じて顧客が特定のアクションを行った際に、その情報を顧客データベースに自動的に反映させることができます。これにより、顧客の最新の興味や行動を正確に把握し、マーケティングの精度を向上させることができます。
  3. 分析とレポーティング
    メールキャンペーンの各種統計データをリアルタイムで収集し、Webhookを通じて分析ツールに送信することで、迅速なレポート作成や効果測定が行えます。これにより、キャンペーンの効果を速やかに評価し、必要に応じて戦略を調整できます。

Webhookを活用するなら「ブラストエンジン(blastengine)」

blastengineのアイキャッチ画像

ブラストエンジンは、SMTPリレーサーバーを使用して、簡単に大量のメールを高速配信することが可能です。さらに、メールサーバーを必要とせず、API経由でメールを送信する仕組みも提供しています。

もちろん、Webhookも可能となっています。

ブラストエンジンは、サーバーの運用やメンテナンスを行っているため、常に高いIPレピュテーションを維持しながら、安全にメールを送ることができます

以下のような課題がある場合は、ブラストエンジンの利用を検討してみることをおすすめします。

  • 自社のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されていて、メールが届かない場合
  • 国内キャリアにメールが届かず、対応方法がわからない場合
  • 自社でメールサーバーを管理・運用したくない場合

また、ブラストエンジンは各メールプロバイダーや携帯キャリアのドメインに最適化されており、大規模なネットワークを経由してメール配信を行うことで、日本国内での到達率を圧倒的に高めています。

利用料金は月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れており、メールだけでなく、日本語での電話サポートにも対応しています。

メールアドレスの入力のみで無料トライアルが可能ですので、まずは気軽にお試しください。

まとめ

Webhookは、主にリアルタイム処理に向いている仕組みです。事前設定が必要なものの、処理の自動化が期待できます。

Webhookを利用すれば、開発スピードやサービスの提供スピードの向上につながるため、セキュリティ対策やデバッグ処理に注意しながら活用しましょう。

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