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NoSQLとは?RDBMSとの違いや種類を分かりやすく解説

2024年8月7日

デジタル化が急速に進む現代において、企業や組織が扱うデータの量は爆発的に増加しています。

従来のリレーショナルデータベース(RDBMS)は、構造化されたデータを効率的に管理するための強力なツールとして長年にわたり使用されてきましたが、ビッグデータの時代に突入し、複雑で大量のデータを扱う必要性が高まるにつれて、RDBMSでは対応しきれない課題が浮き彫りになってきました。このような背景から、新たなデータベース技術として注目されているのがNoSQL(Not Only SQL)です。

NoSQLは、RDBMSとは異なるアプローチでデータを管理し、高速処理やシステムの拡張性、非構造化データの取り扱いに優れた特性を持っています。特に、クラウド環境やビッグデータ解析、リアルタイム処理が求められるシステムでは、その柔軟性とスケーラビリティが大きなメリットとなります。そこで本記事では、NoSQLとは何か、なぜ現在多くの企業がNoSQLを採用しているのかを探るとともに、RDBMSとの違いや、NoSQLの様々な種類について詳しく解説します。

NoSQLとは

NoSQLとは、RDBMS*¹とは異なるデータベースの総称です。そもそもRDBとは、リレーショナルデータベースの略で、SQL*²を使用してデータを表形式にするデータベースを指します。

また、NoSQLは「Not only SQL」の略で、SQLに依存しないデータベースを指す一方、一部のNoSQLデータベースではSQLライクなクエリ言語がサポートされることもあります。

しかし、NoSQLの本質は、SQLとは異なる方法でデータを管理し、特定の用途に最適化された柔軟なデータ処理を可能にすることにあります。

NoSQLデータベースは、スキーマレスであることが多く、異なるデータ構造や非構造化データを扱うことができるため、ビッグデータの処理やリアルタイムアプリケーションに適しています。この柔軟性が、現代のデータ管理においてNoSQLが注目される理由の一つです。

  • *¹RDBMS:RDBを管理するソフトウェア
  • *²SQL:データを処理するために使用される言語

NoSQLが注目される背景

昨今のIT技術は急速に発展し、インターネットやIoTの普及により、企業が取り扱うデータ量が爆発的に増加しています。顧客情報やECサイトの購入履歴、ソーシャルメディアからのデータなどといった情報(ビッグデータ)を取り扱う機会が増え、従来のデータベース(RDB)では対応が難しくなったのです。特に、RDBMSはスケーリングに制約があるため、大量のデータや急速に増加するデータアクセスに対応するには限界があります。

このような背景から、ビッグデータの処理や非構造化データの管理、そしてリアルタイムでのデータ処理に適したNoSQLデータベースが注目されるようになりました。ただし、RDBの役割が完全になくなったわけではありません。RDBにはデータの一貫性や正確性が優れているという特徴があるため、金融機関の預金データや在庫管理システムなどの分野で活用されています。

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NoSQLとRDBMSとの違い、比較

NoSQLは、RDBMSでは対応が難しいビッグデータに対応するために誕生しました。そのため、NoSQLとRDBMSは得意とする分野が異なります。

ここでは、NoSQLとRDBMSの違いを解説します。

高速な処理

NoSQLの特徴の一つは「処理速度の速さ」です。RDBMSの場合、ビッグデータやクラウドのような膨大かつ複雑なデータを処理すると、速度が低下するという課題がありました。

しかし、NoSQLは大容量データであっても高速に処理できるうえにスケールアップも可能なため、拡張性に優れています。ただし、データの一貫性を保証しないため、データの更新・削除が頻繁に行われると整合性が取れなくなる恐れがあります。

システムの拡張・分散性

NoSQLのスケールアップには、サーバー台数の増加が必要になります。サーバー台数を増加することで水平処理が可能になり、ビッグデータであってもデータの分散・高速処理が可能です。

しかし、前述したようにNoSQLはデータの一貫性を保証しないため、データの一貫性や正確性が求められるデータ処理を行う場合はRDBMSを活用するとよいでしょう。RDBMSは、ACID特性に基づいたトランザクション管理により、データの整合性を堅固に保つことができるため、金融取引や重要なデータ処理において依然として広く使用されています。

NoSQLの活用例

NoSQLは、データ構造の変化が起こりうる場合や非構造データ・半構造化データを扱う場合などで活用されます。ここからは、NoSQLの活用が適しているケースを3つ紹介します。

データ構造の変化が起こりうる場合

RDBMSのシステムであっても、データ構造が変化した場合、対応しなければなりません。例えば、テーブルでカラム変更が必要になる場合、RDBMSではシステム全体に対して慎重な変更が求められます。

テーブルとは、顧客データが集まっている表全体のことで、カラム変更はテーブル内の縦列の情報が変更になった状態をいいます。

NoSQLは、スキーマレスまたは柔軟なスキーマを持つため、データ構造が変更されても、システムを停止することなく運用を続けることが可能です。特に、キーバリュー型やワイドカラム型のNoSQLデータベースは、こうした動的なデータ構造の変更に柔軟に対応できる点が強みです。

非構造化データ・半構造化データを扱う場合

非構造化データは画像や音声、動画といったデータを指し、急激に増加し続けているデータです。インターネットなどを利用すれば収集可能ですが、収集しただけではデータの信頼性に欠けるため、後述する半構造化データに変換する必要があります。

半構造化データとは、非構造化データをNoSQLに当てはめたデータを指し、NoSQLのグラフ型やキーバリュー型に分類されます。NoSQLの型に分類することで、非構造化データと名前を組み合わせたデータ管理が可能です。

また、半構造化データの例としてJOSNやXML形式が挙げられますが、これらの半構造化データはデータ構造が変化する可能性があるため、RDBでは扱いにくいという特徴があります。そこで、データ構造が変化しても対応可能なNoSQLを活用するようになったのです。

拡張可能性が求められるシステム

アクセス数やユーザー数が時間帯や季節によって大きく変動するシステムでは、NoSQLのスケーラビリティが非常に役立ちます。例えば、SNSやスマートフォンアプリでは、リアルタイムでのユーザー投稿やコメントの処理が求められます。

特にSNSは、ユーザーの投稿・コメントをリアルタイムで処理しなければならないため、システムには高い性能が求められるのです。後述するグラフ型やドキュメント型のNoSQLなら、SNSで求められるユーザー間の関係性や投稿内容などの可視化ができるようになります。

このようなシステムの場合、適切なNoSQLを活用すれば、さまざまな情報を可視化できる他、アクセス数の増加に対応することが可能です。適切なNoSQLデータベースを活用することで、こうしたシステムの拡張性を確保し、アクセス数の増加にもスムーズに対応することが可能になります。

NoSQLの種類

NoSQLにはさまざまな種類があり、どれも柔軟なデータモデルのため、多種多様なニーズに適応します。ここからは、NoSQLデータベースの一例を紹介します。

キーバリュー型

キーバリュー型は、とてもシンプルな方法でデータを保存し、高速パフォーマンスと拡張性を持つデータベースです。

データはキーと値のペアで保存され、キーが一意の識別子として機能し、それに対応する値が格納されます。このシンプルなモデルにより、リアルタイム処理が求められるシステムやアプリケーションで広く利用されています。キーバリュー型データベースの例としては、以下のものがあります

キーバリュー型データベースの一例は以下の通りです。

  • Riak: 高可用性とスケーラビリティを重視した分散型データベース
  • Amazon DynamoDB:AWSが提供するフルマネージドのNoSQLデータベースで、高速かつスケーラブルなデータ処理が可能

カラム指向型

カラム指向型のデータベースは、特定の列をまとめて処理することに特化しています。例えば、テーブル内にある商品番号と商品名だけを抜き出すといった処理が可能です。

反対に、テーブル内の行をまとめて処理する場合には向いていません。そのため、列のデータ処理がメインであればおすすめのデータベースといえます。

カラム指向型データベースの一例は以下の通りです。

  • Apache Cassandra:分散環境における高可用性とスケーラビリティを提供するカラム指向データベース
  • HBase:Apache Hadoop上で動作し、大規模データを扱うことができるカラム指向データベース

ドキュメント型

ドキュメント型は、柔軟かつスキーマレスなデータベースで、JSONやBSON、XMLなどのドキュメント形式でデータを保存します。これにより、データ構造を簡単に変更でき、複雑なクエリや高速な検索が可能です。

ドキュメント型データベースは、Webアプリケーションやモバイルアプリケーションのバックエンドで広く使用されています。ドキュメント型データベースの例としては、以下のものがあります。

  • RavenDB:分散環境に適したスケーラブルなドキュメント型データベースで、ACIDトランザクションをサポート
  • MongoDB:世界で広く使用されているオープンソースのドキュメント型データベースで、スケーラビリティと柔軟性に優れている

グラフ型

グラフ型データベースは、ノード(エンティティ)とエッジ(関係性)を使ってデータを表現し、複雑なネットワークや相互関係のモデル化に適しています。

ユーザー間の関係性やデータ間の関連を視覚化・解析するのに最適で、ソーシャルネットワーク分析や推薦システムで広く利用されています。グラフ型データベースの例としては、以下のものがあります。

  • Amazon Neptune:フルマネージドのグラフデータベースサービスで、複雑なグラフ構造のクエリを効率的に処理可能
  • Neo4j:オープンソースのグラフデータベースで、ソーシャルネットワークや知識グラフの解析に強みを持つ

まとめ

NoSQLは、従来のRDBとは異なる構造を持ち、SQL以外の方法で管理するデータベースを指します。NoSQLは処理速度が優れているため、ビッグデータのような膨大かつ複雑なデータ処理に向いています。一方で、RDBMSはビッグデータのような高速処理には向かないものの、一貫性と正確性を求められるデータ処理に向いているデータベースです。

NoSQLとRDBMSの違いを理解し、用途に合わせて適切なデータベースを活用することで、より効率的にデータ処理が行えるでしょう。

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