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GitHubとGitLabの違い・どちらを使うべきかを解説!そもそもGitとは?

2024年8月18日

ソフトウェア開発の現場において、「Git」という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。Gitは、開発プロジェクトにおけるソースコードの管理やバージョン管理を効率的に行うためのシステムであり、その柔軟性と機能の便利さにより世界中で広く利用されています。

しかし、Git自体はあくまでローカル環境でのバージョン管理システムに過ぎません。プロジェクトの規模が大きくなるにつれて、チーム内での協力が求められる場面が増え、複数人での共同作業が必要となります。ここで登場するのが、リモートリポジトリをホスティングするサービスであるGitHubとGitLabです。

GitHubとGitLabは、いずれもGitリポジトリをリモートで管理し、開発者が協力してコードを管理・共有するためのプラットフォームです。しかし、その背景や機能、利用方法にはいくつかの違いがあります。どちらのプラットフォームを選ぶべきかは、プロジェクトの性質やチームのニーズによって異なるため、GitHubとGitLabの特徴を理解しておくことが重要です。

本記事では、GitやGitHub、GitLabの概要、GitHubとGitLabの違いを解説します。

Gitとは

Gitとは、ソースコードの共有・管理などで使用される分散型バージョン管理システムを指します。ソースコードの変更などを行った際に発生する、ファイルのバージョン管理と編集履歴が管理できるシステムです。

一般的に、ソースコードの編集や修正を行う場合、ファイルを追加しなければなりません。なぜなら、1つのソースコードの編集や修正を行うたびに上書き保存をすると古いバージョンに戻すことが困難になるためです。これは、複数人共同で作業を進めることの多いシステム開発において大きな問題でした。担当者変更や編集作業をするたびにファイルが増えてしまうと、新たな追加作業を行う際、どのファイルを使用したらよいのかわからなくなってしまいます。

しかし、Gitを使用すれば「いつ」「誰が」「どのような目的で」「何を編集したのか」が記録され共にファイルも保存されます。変更履歴から、最新のファイルが探しやすいだけでなく、誤って上書き保存してしまった場合でも簡単に古いバージョンに戻すことができるのです。共有ストレージでソースコードを共有・管理するよりも効率的な作業が可能になります。また、複数人で修正した内容を一つに統合できるのも特徴です。

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GitHubとは

GitHubは、世界中の1億人もの開発者(2023年1月時点)が、このサービスを利用しています。もちろん、日本でもGitHubは利用されており、公開されている開発サービスがGitHubに対応しているケースもよく見られます。

GitHubと連携してソースコードを公開でき、GitHubの活用法を解説している記事や雑誌が多数発行されているということもあり、開発者に人気のサービスです。開発を進めるうえで使い勝手が良いことから、GitHubの利用者は、増加し続けています。

GitHubには、さまざまな機能が搭載されています。機能の一部を紹介しましょう。

  • リポジトリ
    コードやデザインデータ、ドキュメントなどを一元管理する倉庫のようなスペースのこと。格納するデータの情報(バージョン・版数・最終更新日時・変更履歴など)を保存・管理できる。
  • フォーク
    他者作成のリポジトリを、アクセス権限がなくても自分のアカウント内にコピーできる機能。オリジナルのリポジトリに影響を与えることなくコードの編集が可能。
  • コードスペース
    クラウド環境の構築を即座に行い、コーディングからデプロイまでの開発が可能。数秒で環境構築を行い、デバイスを問わずにアクセスできる利便性を兼ね備えている。
  • プルリクエスト
    編集・修正履歴がアップロードされた場合、ソースコードの投稿者に通知される。他者の編集・修正履歴との統合も可能。

GitLabとは

GitLabは、GitHubの後発サービスです。そのためGitHubと同様の機能が数多く搭載されています。しかし、GitLabには、GitHubにない独自の機能も搭載されていることが特徴です。

代表的な独自機能に、グループ・プライベートリポジトリ作成機能が挙げられます。この機能では、リポジトリをグループ単位で管理し、ユーザーの権限をグループごとに設定できるため、組織内の開発チームでの権限管理やプロジェクトの分割が容易になります。さらに、GitLabはGitHubにはないCI/CD(継続的インテグレーションと継続的デリバリー)ツールを標準で統合しており、コードのビルド、テスト、デプロイを自動化する機能を提供しています。

GitLabはオープンソース版も提供しており、ユーザーが自社のサーバーにインストールして利用することが可能です。また、クラウドベースのサービスも提供されており、企業のニーズに合わせた柔軟な運用が可能です。GitLabの機能は日々進化しており、今後もさらに便利な機能が追加されることが期待される、非常に将来性のあるサービスです。

GitHubとGitLabの違い

同じような機能が搭載されているGitHubとGitLab、どちらのサービスを選択したらよいのか迷っているシステム開発担当者の方も多いのではないでしょうか。ここからは、GitHubとGitLabの違いを詳しく解説します。

利用目的の違い

GitHubとGitLabは、Gitの仕組みをもとにしたサービスであり、Gitによるバージョン管理が可能な点では同様のサービスといえるでしょう。しかし、利用目的には大きな違いがあります。

GitHubが開発者同士のコミュニケーション機能を重視している一方、GitLabはDevOps実現に向けて必要なCI/CDを具体化する機能を搭載している点が特徴です。DevOpsとは、開発(development)と運用(operations)を組み合わせた造語であり、開発と運用が協力して柔軟かつ迅速に開発を行う手法を指します。

また、CI/CDは、システムの変更やテスト・リリースといった一連の流れを自動化し、開発サイクルを速くする開発手法の一つです。このような違いがあることから、コミュニケーションを重視するならGitHub、効率的に開発を進めたいならGitLabを選択すると良いでしょう。

ライセンスの違い

GitHubはマイクロソフト社の製品のため、商用ライセンスが適用されます。自社サーバーにGitHubを導入する場合、別途有料ライセンスを購入しなければなりません。

一方、GitLabはオープンソースライセンスで提供されており、別途有料ライセンスを購入しなくても自社サーバーに導入可能です。セキュリティ対策として外部サービスの利用を禁止している場合には、オープンソースライセンスで提供されているGitLabの利用をおすすめします。

サービス提供方法の違い

GitHubとGitLabのサービス提供方法にはいくつかの違いがあります。GitHubは主にSaaS(Software as a Service)として提供され、クラウド上での利用が一般的です。

GitLabもSaaSとして提供されていますが、オンプレミス(自社サーバーでの利用)でも使用可能です。また、GitLabはオープンソース版が存在し、無料で使用できる基本的な機能を提供しています。

項目GitHubGitLab
運営母体MicrosoftGitLab Inc. (OSS)
サービスSaaSSaaS/オンプレ
ライセンス商用オープンソース (MIT)
CI/CDGitHub Actions標準機能
コンテナレジストリGitHub Contianer Registry標準機能
DevOps外部連携で実現可能標準機能
GUIアプリGitHub Desktop公式無し
Google検索結果(2023/01)約 801,000,000 件約 78,000,000 件
引用:株式会社サージシンク「GitHubとGitLabの違い」

なお、それぞれのサービスの料金は公式ページをご覧ください。

GitHub公式ページ

GitLab公式ページ

機能の違い

GitHubとGitLabどちらも、基本的な機能は変わりません。しかし、GitLabにはGitHubにはない便利な独自機能が搭載されています。

前述したグループ・プライベートリポジトリ作成機能の他に、Dockerのような他ツールとの連携が充実しているのもGitLabの特徴です。Gitは単体でソースコードを管理することもありますが、外部ツールのビルドを併用することもあります。GitLabを利用すれば、数多くのツールの中から自社に適したツールを選択し、連携して開発を進めることが可能です。

UIデザインの違い

UIとは「User Interface(ユーザーインターフェイス)」の略称です。UIデザインは、機能を快適に使いやすい仕様を指します。

GitHubのUIデザインは一般的で、UIとしての観点で見れば使い勝手がよさそうな良いデザインをしています。一方、GitLabのUIデザインはトレンドに合わせた美しいデザインですが、使いたい機能がどこにあるのか少し分かりにくいデザインと感じる方もいるかもしれません。

デザインの好みは人によって異なるため、実際に見て比較するのが一番でしょう。GitHubとGitLabの公式ページからご確認ください。

GitHub公式ページ

GitLab公式ページ

ジョブの実行の違い

どちらもジョブの実行機能を搭載しています。スクリプトとジョブを定義しておけば、自動的に処理が実行されます。ジョブ実行に関する制御や実行方法は少し異なるものの、機能面ではあまり変わらないでしょう。

ジョブ機能を利用すればデバッグ作業の自動化が可能になり、手間を大きく省ける可能性があります。事前にスクリプトとジョブを定義しておく必要がありますが、正しく定義すれば開発に関する一連の作業を自動化できるでしょう。

安定性の違い

安定性を比較すると、GitHubの方が優れているようです。しかし、GitLabで大規模な障害が発生しやすいというわけではありません。

ソフトウェアアップデートやシステム障害に伴いサイトがダウンした事例が確認されていますが、多くの場合は、十数分程度で解消されています。中には、気付かないうちに障害が解消されていることもあるでしょう。また、GitLab社はこの問題を認知しており、改善に向けて取り組んでいます。

まとめ

GitHubとGitLabは、どちらもGit管理システムの仕組みを利用しており、ソースコードの共有・管理などが可能になるサービスを提供しています。

GitHubとGitLabの使用目的には違いがあり、GitHubは開発者同士のコミュニケーション機能を重視しています。一方のGitLabは便利な独自機能を搭載しており、スピーディな開発を重視しているといえるでしょう。その他にも、UIデザインや安定性などにも違いや特徴があります。自社の方針に合ったサービスを選択しましょう。

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