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JSON形式とは?XMLやCSVとの違い、メリットや注意点も徹底解説

更新日: 開発技術

現代のプログラミングやシステム開発において「JSON形式」は欠かせないデータ交換フォーマットとなっています。JSON形式(JavaScript Object Notation)は、その名前の通りJavaScriptのオブジェクト構文をベースに設計された形式ですが、現在ではJavaやPythonなど幅広い言語で利用され、Web APIの標準的なフォーマットとして定着しています。

JSON形式の魅力は、その軽量性とシンプルさにあります。可読性が高くネットワーク通信で効率的にデータをやり取りできるため、システム間のデータ交換や設定ファイルの記述に広く活用されています。また、階層構造や配列を扱える自由度の高さから、複雑なデータ構造も簡単に表現できる点が特徴です。

しかし、その自由度の高さは一方で課題も生みます。表記形式が厳密で、わずかな記述ミスでもエラーにつながることやコメントが記載できないためチーム開発での使いづらさが挙げられます。この記事では、JSON形式の基本的な仕組みからデータ型や注意点、他形式との違いまでを詳しく解説します。

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JSON形式とは

JSON(ジェイソン)はJavaScript Object Notationの略で、JavaScriptのオブジェクトリテラル構文をベースとしたデータ交換フォーマットです。そのため、JavaScriptとの親和性が高く、JavaScriptを用いたプログラム間でのデータ交換でよく使用されます。ただし、現在ではJavaやPythonをはじめとした多くのプログラミング言語でサポートされ、汎用的なデータ形式として広く利用されています。

特に頻繁に使用されるのが、クライアント言語とサーバーサイド言語間のデータやり取りです。クライアント言語はUIの表示や操作を担い、ユーザー操作からページ更新や通信を処理します。一方、サーバーサイド言語はサーバー上でユーザーリクエストに応じた情報処理を行います。JSON形式は異なる環境で動作するこれらの言語間で、スムーズなデータの受け渡しを可能にするため、非常に重宝されています。

JSON形式の特徴

JSON形式の特徴は軽量でシンプルな記述方式にあり、可読性が高く扱いやすい点が挙げられます。また、言語や環境に依存しないため、さまざまなシステム間でのデータ交換に最適です。

データ量が少ない

JSONはXMLと比べて記述量が少なく、データサイズを抑えることができます。特に、大規模プロジェクトではファイル数やデータ量が膨大になるため、軽量な形式であることが重要なポイントです。

記述形式がシンプル

JSON形式は、構造がシンプルで可読性に優れているため、開発者以外のメンバーでも比較的容易に理解できます。これにより、修正やレビュー作業の効率が向上します。

言語への依存がない

JSONはテキストベースの形式であり、プログラミング言語に依存せずにデータを扱えます。これにより、異なる言語間でのデータ共有や、言語変更時の柔軟な対応が可能です。

自由度が高い

JSONは複雑なデータ構造を簡潔に記述できるため、階層構造を持つデータの管理ややり取りに適しています。また、CSVやXMLと比べて拡張性と可読性のバランスが良いのも特徴です。

JSON形式の主な用途

JSON形式はデータ保存、異なる言語間でのデータ交換、生成データの一時保存、APIレスポンスとして広く利用されています。その汎用性からWebアプリケーションやシステム開発の現場で欠かせないフォーマットです。

データ保存の形式

JSON形式は、データ保存フォーマットとして広く利用されています。例えば、Pythonの辞書型データはJSON形式に直接変換して保存できます。また、JSONからCSVやXMLへの変換も容易で、さまざまな用途に対応できます。

異なる言語や環境間でのデータのやり取り

JSONはテキストデータであり、言語や環境に依存しないため、異なる環境間でのデータ交換に最適です。その汎用性の高さから、多くのAPIやサービスで標準のデータフォーマットとして採用されています。

生成データの一時保存

一時的に生成されたデータを保存し、必要に応じて利用できるのもJSON形式の利点です。例えば、デバッグ用のデータを保存したり、サンプルデータを共有する際に活用されます。

APIサーバーからの応答形式

APIサーバーとの通信において、レスポンスがJSON形式で返されることが一般的です。これにより、クライアントとサーバー間でシームレスなデータ交換が可能になります。

CSVとの違い

CSV(Comma-Separated Values)は、カンマ区切りでデータを記述する非常にシンプルな形式です。その簡潔さから、長年にわたりExcelや表計算ソフトで利用されてきました。しかし、CSVはデータ構造が単純なため、複雑なデータを扱うのには不向きです。また、カンマや改行を含むデータを正しく処理するには引用符(”)を使う必要があります。

一方、JSON形式は階層構造を持つ複雑なデータを扱うことができ、カンマや改行が含まれていても問題ありません。そのため、複雑なデータ管理にはJSON形式の方が適しています。

XMLとの違い

XML(Extensible Markup Language)は、データの柔軟な入出力を可能にする記述形式です。タグで囲む構造により、厳密なデータ記述やスキーマによる検証が可能です。しかし、XMLは記述が冗長になりがちで、データ量が増えると可読性が低下する欠点があります。

一方、JSON形式はシンプルな構造を持ち、XMLよりも軽量で読みやすい形式です。また、JSONはテキストファイルとしてだけでなく、JavaScriptコードとしても扱える点でXMLとは異なるメリットを持ちます。例えば、Webアプリケーションでは、データを簡潔に扱えるJSON形式が選ばれることが一般的です。

JSON、CSV、XMLの特徴比較と記述例

ここで、CSV、XML、JSON形式の記述方式の違いを確認してみましょう。都道府県と県庁所在地のデータ内容を、それぞれの形式で記述すると以下のようになります。

JSON、CSV、XMLの特徴比較

項目JSON形式CSV形式XML形式
記述のシンプルさ可読性が高く、構造がシンプルで修正が容易シンプルだが複雑なデータ構造には不向き記述が冗長で可読性が低いことも
データ量軽量だが、データ内容や構造によって変動非常に軽量冗長なためデータ量が多くなる
構造の表現力階層構造や複合データ型を柔軟に記述可能フラットなデータに最適厳密で

JSON形式の記述例

[
  { "Number": 1, "Prefecture": "Ishikawa", "Capital": "Kanazawa" },
  { "Number": 2, "Prefecture": "Aichi", "Capital": "Nagoya" },
  { "Number": 3, "Prefecture": "Hyogo", "Capital": "Kobe" }
]

CSV形式の記述例

Number,Prefecture,Capital
1,Ishikawa,Kanazawa
2,Aichi,Nagoya
3,Hyogo,Kobe

XML形式の記述例

<Items>
  <Item>
    <Number>1</Number>
    <Prefecture>Ishikawa</Prefecture>
    <Capital>Kanazawa</Capital>
  </Item>
  <Item>
    <Number>2</Number>
    <Prefecture>Aichi</Prefecture>
    <Capital>Nagoya</Capital>
  </Item>
  <Item>
    <Number>3</Number>
    <Prefecture>Hyogo</Prefecture>
    <Capital>Kobe</Capital>
  </Item>
</Items>

JSONは軽量で可読性が高く、複雑な階層構造を持つデータのやり取りに適しています。一方、CSVは表形式のデータを簡潔に記述でき、表計算ソフトでの利用に最適です。そしてXMLは柔軟で厳密な階層構造を記述可能で、複雑なデータ処理やドキュメント形式で利用されることが多いです。

用途に応じてこれらのフォーマットを選択することで、データのやり取りや管理をより効率的に行うことができます。それぞれの特徴を理解し適材適所で活用してみてください。

JSON形式の記述方法・書き方

JSON形式では、波括弧「{}」の中にキーと値をコロンで区切ったペアで記述します。キーは必ずダブルクォーテーションで囲む必要があります。シングルクォーテーションで記述するとエラーの原因になるため注意が必要です。

{ "key": "value" }

複数のキーと値を記述する場合は、カンマで区切ります。ただし、最後の要素の後にカンマを付けるとエラーになるため、記述時には注意してください。

{ "key": "value", "key1": "value1" }

また、1行の文字数が多くなると可読性が低下するため、改行やインデントを使用して整理すると良いでしょう。この書き方は特に人間が読みやすい形にするための工夫として推奨されます。

{
  "key": "value",
  "key1": "value1",
  "key2": "value2"
}

さらに、JSON形式ではオブジェクトだけでなく、配列も扱えます。配列を記述する場合は角括弧「[]」を使用します。

[
  { "key": "value1" },
  { "key": "value2" }
]

JSONの記述ルールを正しく理解し、用途に応じて可読性を高める工夫を取り入れることで、エラーを防ぎつつ効率的にデータを扱えるようになります。

JSON形式のデータ型

データ型はデータの種類と取り扱い方法を定義します。JSON形式では文字列や数値をはじめとするさまざまなデータ型を扱えます。データ型は保存や処理の方法を決定する重要な要素です。ここでは、JSON形式で使用できるデータ型とその記述例を紹介します。 

オブジェクト

オブジェクトは、波括弧「{}」で囲まれたキーと値のペアを持つデータ型です。キーは必ずダブルクォーテーションで囲み、値には別のオブジェクトを含めることもできます。このような入れ子構造を「ネスト」と呼びます。以下は、ネストを含むオブジェクトの例です

{
  "id": 1,
  "name": "山田太郎",
  "attribute": {
    "gender": "male",
    "birth": "1990/01/01"
  }
}

配列

配列は、角括弧「[]」で囲まれた順序付きのリストです。要素をカンマで区切り、必要に応じてオブジェクトや他の配列を含むこともできます。以下は、配列の基本例とオブジェクトに配列を含む例です。

基本例

["a", "b", "c", "d",


オブジェクトに配列を含む例

{
  "id": 1,
  "name": "山田太郎",
  "results": ["a", "b", "c", "d", "e"]
}

文字列

文字列は、ダブルクォーテーション「”」で囲むことで記述します。日本語や漢字も使用可能です。ただし、文字列内でダブルクォーテーションやバックスラッシュ「\」を使用する場合は、エスケープ(例:\”)が必要です。

{ "name": "山田太郎" }

ブール値(bool)

ブール値は「true」(真)または「false」(偽)のどちらかを表します。ダブルクォーテーションを使わず、小文字で記述する必要があります。以下はブール値を使用した例です。

{ "isActive": true }

null

nullは、値がないことを明示するために使用します。値を空にする場合や未設定の状態を表現したいときに使います。記述する際はすべて小文字で「null」と記述します。

{ "key": null }

数値

数値は、整数や小数、指数表記が使用できます。ただし、8進数や16進数はサポートされていません。また、ダブルクォーテーションで囲むと文字列として扱われるため注意が必要です。

{ "age": 30, "score": 95.7, "elevation": 3.45e+3 }

JSON形式の注意点

JSON形式は、汎用性が高いため幅広く活用されていますが、しかし、いくつかの注意点も存在します。コメントを記入できないことや、構造が複雑になりやすい点には別途対策が必要です。

表記形式が厳密

JSON形式では、キーは必ずダブルクォーテーションで囲み、値とキーをコロン(:)で区切ります。さらに、複数のペアを記述する場合はカンマ(,)で区切ります。ただし、最後のキーと値のペアの後にカンマを記載するとエラーになるため注意が必要です。

この厳格なルールにより、バグを未然に防ぐ効果がある一方で1つのミスでもデータが正常に読み込まれなくなるデメリットがあります。そのため、記述内容を慎重に確認するか「JSONLint」やIDEのフォーマットチェック機能を活用すると良いでしょう。

コメントを記載できない

JSON形式では公式にはコメントを記載できません。このため複数人で開発している場合、処理の内容を把握するのに時間がかかることがあります。特にJSONに不慣れなメンバーがいる場合は、別途資料を用意するかコメント代わりに「_comment」フィールドを活用する方法が有効です。

例:コメント代わりのフィールド

{
  "id": 1,
  "_comment": "このフィールドは一時的なものです"
}

データ構造が複雑になりやすい

JSON形式は、配列や入れ子構造(ネスト)を活用することで高い自由度を持つデータを記述できます。ただし、構造が複雑になるとチームメンバーが理解しづらくなり、メンテナンスが困難になる場合があります。

さらに、オブジェクトや配列を多用すると、読み込み時の処理が重くなることがあります。この問題を回避するためには、以下の方法を検討してください:

  • 構造が単純なデータはCSVで扱う
    フラットなデータはJSONではなくCSV形式を利用することで処理の負荷を軽減できます。
  • データの平坦化
    サーバーサイドでネスト構造を平坦化して処理を分割することで、パフォーマンスを向上させる方法があります。
  • 設計ガイドラインの策定
    チームで統一したJSON記述ルールを策定することで、複雑なデータ構造の理解を助けることが可能です。

まとめ

JSON形式は、データ交換用の記述形式です。テキストデータゆえに汎用性が高くさまざまなプログラミング言語同士でデータのやり取りができるという長所があります。

また、JSON形式は従来のデータ形式であるCSVの複雑な記述ができない点やXMLの記述量が多くなる欠点を解消した記述形式です。しかし、JSON形式にも欠点はあり、データ構造が複雑になりやすいうえにコメントの記述が不可といった、チームで作業するのに不向きな要素もあります。各形式の特徴を理解し、データを効率的に処理しましょう。

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