ベアメールとは?機能や料金、メリット・デメリットを解説

ビジネスにおいて顧客とのコミュニケーションをいかに確実に、そして効率的に行うかは非常に重要なテーマです。特にメールは企業が情報を届ける手段として根強い人気を誇っており、メルマガ配信や顧客への案内、キャンペーン情報の発信や自動返信メールなど、その活用シーンは多岐にわたります。しかし近年、迷惑メールの規制強化やプロバイダの審査の厳格化によって正当なメールであっても迷惑メールフォルダに入ってしまうなど、到達率の低下に悩む企業も少なくありません。
そんな中、注目を集めているのが メールリレーサービス です。大量のメールを確実に、そして安全に届けたい企業にとって心強い味方となるツールといえるでしょう。その中でも本記事はベアメールについて詳しく紹介します。
ベアメールは単なる配信ツールにとどまらず、迷惑メールと誤判定されにくい環境づくりや、配信結果の詳細なログ管理など、多くの機能を兼ね備えています。本記事では、そんな「ベアメールとは?」という疑問に答えるべく、ベアメールの基本的な仕組みから料金プラン、メリット・デメリット、そして活用方法まで徹底的に解説します。
※上記金額は2025年3月時点での情報となります。最新の情報は必ず公式サイトよりご確認ください。

ベアメールとは
ベアメールは株式会社リンクが提供するクラウド型のメール配信システムです。メールを確実に届けることを重視しており、顧客獲得や商品販売促進、イベントの告知などを行う企業に広く利用されています。大量のメールでも簡単に作成・配信でき、高い到達率を誇ることから人気の高いメールリレーサービスです。
高い到達率を実現できる理由の一つは、迷惑メールと誤判定されないための対策に力を入れている点にあります。昨今、迷惑メールの増加に伴い各プロバイダの規制が厳しくなり、正当なメールが迷惑メールとして扱われるリスクが高まっています。これを受けて、ベアメールでは以下のようなサービスを提供し、盤石なメール配信環境の構築を支援しています。
- メールリレーサービス
顧客に確実にメールを届けるための送信環境を整えるサービスで、到達率の向上に貢献します。 - 迷惑メールスコアリングサービス
送信予定のメールが迷惑メールと判定される可能性を評価し、改善点を把握できます。
例えば、プロモーションメールやニュースレターを大量に送る際にも、これらのサービスを活用することで安心して配信が可能です。
ベアメールの機能
ベアメールではSMTP連携や配信結果の取得、API連携など、さまざまな機能が提供されています。ここでは、それぞれの機能について詳しくご紹介します。
SMTP連携
SMTP連携では主にSMTPリレーサービスを利用します。送信に特化した専用サーバーと、それを支える高度な技術により、スムーズかつ確実にメールを相手へ届けることが可能です。
- 遅延なくメールを配信できる
- キャリアやISPのブロックを回避できる
- 社内のメールサーバー運用負荷を軽減できる
メールでのコミュニケーションが重要な企業ではメールの遅延や不達がトラブルの原因になることも少なくありません。特に決済通知や顧客・取引先への重要な連絡など、問題が許されない場面では、SMTP連携を導入し最善の配信環境を整えておくことが大切です。
なお、ベアメールは以前はSMTP連携がメインでしたが、2019年からはAPI連携のオプション提供も開始しています。上記のようなメリットはAPI連携でも享受できるため、より手軽にベアメールを活用したい場合はAPI連携を選ぶのも一つの方法です。
配信結果の取得
ベアメールではメールの配信結果を詳細に取得できます。例えば、以下のようなログが確認可能です。
- 日別のエラーログ
- 特定アドレスへの送信履歴
- メール送信側からベアメールへの送信ログ
- ベアメールから宛先への送信ログ
- 管理画面での操作履歴
これらのログはすべて管理画面上で確認できるため、どの段階でエラーが発生したかを特定しやすく、問題解決のスピードを上げられます。さらに、サーバー環境へ直接アクセスして確認する必要がないため、メール配信担当者やエンジニアの負担軽減にもつながり到達率の向上が期待できます。
API連携
API連携とは異なるシステム間でデータのやり取りや機能連携を行う仕組みです。これにより業務効率化や新たな機能の実装が可能となります。例えば、メール配信システムとCRMをAPI連携させることで、顧客リストを活用したメール配信が実現します。
ベアメールもAPI連携に対応しており、メールリレーサービスや迷惑メールスコアリングと組み合わせることで、効率的かつ安心なメール配信が可能です。さらに、API連携を活用すると、以下のようなことが実現できます。
- 顧客リストの自動追加
- 予約配信や大量配信の自動化
前述のとおり、ベアメールは詳細なログを取得できるため、送受信の状況を把握しやすく、万が一不達が発生した場合も原因を特定しやすいという安心感があります。結果として、メール到達率の向上にもつながるでしょう。
ベアメールの料金
ベアメールの料金は配信できる通数によって異なります。幅広い料金プランが用意されているのが特徴で、用途に合わせて最適なプランを選ぶことが大切です。以下のような料金表が用意されています。
プラン | 初期費用 | 月額利用料金 | 超過料金/1通 |
---|---|---|---|
1万通 | 5万円 | 5,000円 | 0.75円 |
4万通 | 5万円 | 10,000円 | 0.75円 |
7万通 | 5万円 | 20,000円 | 0.75円 |
10万通 | 5万円 | 30,000円 | 0.15円 |
20万通 | 5万円 | 35,000円 | 0.15円 |
30万通 | 5万円 | 40,000円 | 0.15円 |
40万通 | 5万円 | 45,000円 | 0.15円 |
50万通 | 5万円 | 50,000円 | 0.15円 |
60万通 | 5万円 | 55,000円 | 0.15円 |
70万通 | 5万円 | 60,000円 | 0.15円 |
80万通 | 5万円 | 65,000円 | 0.15円 |
90万通 | 5万円 | 70,000円 | 0.15円 |
100万通 | 5万円 | 75,000円 | 0.15円 |
110万通以上 | 5万円 | ご相談 | 0.15円 |
専用プラン | ご相談 | ご相談 | ご相談 |
※上記金額は2025年3月時点での情報となります。最新の情報は必ず公式サイトよりご確認ください。
ベアメールにはさまざまな機能がありますが、実は多くがオプションとして提供されています。以下は、そのオプションの一例です。
- メール中継オプション
- TLS中継オプション
- WebAPIオプション
- SMTP DKIMオプション
- 分析レポートオプション
- 2段階認証オプション
他社サービスでは標準機能として含まれているものが、ベアメールではオプション扱いになっているケースも少なくありません。そのため、最終的には基本料金に加えて、利用したい機能分のオプション料金が発生し、結果的に割高になってしまう場合もあるでしょう。
導入を検討する際には、自社に必要な機能がオプションなのかどうかをしっかり確認し、総コストを見積もっておくことが大切です。
ベアメールのメリット
ベアメールを利用することで、メールの高速・大量配信が可能になったり、配信ログを簡単に取得できたりと、さまざまなメリットがあります。以下で詳しく見ていきましょう。
メールの高速・大量配信が可能
ベアメールを使うことで高速かつ大量のメール配信が実現します。メールを顧客に確実に届けることは、非常に重要なポイントです。万が一、メールマガジンや通知メールなどが届かないとなれば、顧客からクレームが寄せられ、その対応に追われる可能性があります。ベアメールを利用することで、こうした対応にかかる時間を削減し、コア業務に集中できるのも大きなメリットです。
さらに、IPレピュテーションの維持に手間がかからない点も魅力的です。IPレピュテーションとは、使用するIPアドレスの評判を示すスコアのことで、このスコアが低いと迷惑メールと判定されやすくなります。ベアメールでは定期的にサーバーをクリーニングしており、迷惑メールと判定されにくくなるため、自社でサーバーを管理・クリーニングする工数を省けます。
配信ログを取得できる
ベアメールのメールリレーサービスでは、顧客へのメール配信から30分以内に配信結果のログを確認できるのが特徴です。ログは管理画面上でチェックできるため、従来のようにメールサーバーのログを直接確認する必要はありません。
例えば、顧客から「メールが届かない」と問い合わせがあった場合でも、どの段階でエラーが発生したのか、その原因は何かをすぐに突き止めることができます。その結果、迅速な対応が可能になり、顧客からの信頼度が高まることも期待できます。
API・SMTP連携が可能
ベアメールはAPI連携とSMTP連携の両方に対応しており、以下のようなメリットがあります。
- 遅延なくメールを配信できる
- キャリアやISPのブロックを回避できる
- 社内メールサーバーの運用負荷を軽減できる
無料のメーラーでは、1日に送信できるメール数に制限がある場合が多いですが、ベアメールを使えば大量のメールを遅延なく配信可能です。キャリアやISPのブロックを回避しながら、確実にメールを届けられるのは、大きな魅力といえるでしょう。
ベアメールのデメリット
メリットが多いベアメールですが、もちろんデメリットも存在します。主にコスト面や機能面での課題があります。ここからは、それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。デメリットもきちんと理解し、考慮したうえで導入を検討することをおすすめします。
コスト
ベアメールの料金は前述のとおり初期費用として50,000円がかかります。メールリレーサービスにはさまざまな種類があり、中には初期費用が不要なサービスもあるため、ベアメールの導入を検討する際にはこの初期費用がかかる点を考慮する必要があります。
また、表に出ている料金はあくまでも基本料金です。メール中継オプションやTLS中継プランなどを追加すると、月額費用がさらに高くなる可能性があります。
例えば、セキュリティ強化を目的にTLS中継を利用したい場合、追加費用がかかる点は頭に入れておくと良いでしょう。
機能性
ベアメールのもう一つのデメリットは、機能面にあります。ベアメールは、メールの到達率を改善したり、API連携をはじめとした他システムとの連携に強みを持っていますが、マーケティング関連の機能はあまり充実していません。
このように、ベアメールは「到達率」や「連携」という面では非常に優秀ですが、マーケティング機能や自由度の面では課題が残るといえるでしょう。
ベアメールの代替おすすめサービス
ベアメールに代わるサービスのひとつとしてblastengine(ブラストエンジン)が注目されています。blastengineはAPIやSMTPを活用した柔軟なメール配信が可能で、トランザクションメールや大量配信にも適しています。
API連携・SMTPリレーなら「ブラストエンジン(blastengine)」

提供会社 | 株式会社ラクスライトクラウド |
初期費用 | 0円 |
月額料金 | 3,000円〜(10,000通) |
サポート | 電話・メール |
Gmailガイドライン | 対応 |
ブラストエンジンは、SMTPリレーサーバーを使用して、簡単に大量のメールを高速配信することが可能です。さらに、メールサーバーを必要とせず、API経由でメールを送信する仕組みも提供しています。ベアメールと比較すると安価に利用することができます。
ブラストエンジンは、サーバーの運用やメンテナンスを行っているため、常に高いIPレピュテーションを維持しながら、安全にメールを送ることができます。
以下のような課題がある場合は、ブラストエンジンの利用を検討してみることをおすすめします。
- 自社のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されていて、メールが届かない場合
- 国内キャリアにメールが届かず、対応方法がわからない場合
- 自社でメールサーバーを管理・運用したくない場合
また、ブラストエンジンは各メールプロバイダーや携帯キャリアのドメインに最適化されており、大規模なネットワークを経由してメール配信を行うことで、日本国内での到達率を圧倒的に高めています。
利用料金は月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れており、メールだけでなく、日本語での電話サポートにも対応しています。詳細情報や料金プランについては、ブラストエンジンの公式サイトからご確認ください。
公式サイト:https://blastengine.jp/
まとめ
ベアメールは、確実にメールを届けたい企業にとって非常に頼もしいサービスであり、その高い到達率や詳細な配信ログの取得機能は多くの企業に支持されています。ポイントを整理すると、以下のようになります。
- ベアメールは株式会社リンクが提供するクラウド型メール配信サービス
- 高い到達率と迷惑メール対策が大きな強み
- SMTP連携・API連携など多様な機能で業務を効率化
- 初期費用やオプション費用は導入前に要チェック
- マーケティング系機能の不足やカスタマイズ性の低さは注意点
メール配信の成功は顧客との信頼関係の構築や売上アップに直結します。ベアメールの導入を検討する際は、自社のニーズに合ったプランや活用方法をしっかり見極めることが大切です。ぜひ本記事を参考に、最適なメール配信環境を整えてみてください。
