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DNSサーバーの基本と設定・確認方法を徹底解説

2024年10月20日 メールサーバー

インターネットを日常的に利用する現代において、DNSサーバーはその基盤を支える重要な存在です。私たちがウェブサイトにアクセスする際、目に見えないところでDNSサーバーが大きな役割を果たしています。

例えば、URLを入力したりリンクをクリックしたりすると、背後でDNSサーバーがドメイン名をIPアドレスに変換し、私たちを目的のウェブサイトへと導いてくれます。このような動作を意識することは少ないかもしれませんが、DNSが適切に機能していなければ、インターネット接続の速度が遅くなったり、特定のウェブサイトにアクセスできなくなったりすることもあります。

本記事では、そんなDNSサーバーの基本から設定・確認方法までを徹底的に解説します。

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DNSサーバーの基礎知識

DNS(Domain Name System)は、インターネットの住所録のような役割を果たしており、ドメイン名をIPアドレスに変換することで、ウェブサイトへのアクセスを可能にします。

まずここでは、DNSサーバーの基礎知識をお伝えします。

DNSの役割とは

DNSは、ドメイン名とIPアドレスの対応付けを行うシステムです。

ユーザーがウェブサイトにアクセスしようとすると、ブラウザはまずドメイン名(例:google.com)をDNSサーバーに問い合わせます。DNSサーバーは、そのドメイン名に対応するIPアドレスを調べ、ブラウザに返します。ブラウザは受け取ったIPアドレスを使って、実際にウェブサイトに接続し、ページを表示します。

このようにDNSは、インターネット上の膨大な数のウェブサイトを、ユーザーにとって分かりやすいドメイン名でアクセスできるようにする重要な役割を担っています。

よく使用されるDNSタイプ

DNSサーバーには、大きく分けて3つのタイプがあります。それぞれ役割が異なるため、理解しておくことが重要です。

1.ルートDNSサーバー

ルートDNSサーバーは、インターネット全体のドメイン名のトップレベルドメイン(TLD)に対応するIPアドレスを管理しています。TLDとは、ドメイン名の最後の部分(例:.com、.net、.org)のことです。

ルートDNSサーバーは、他のDNSサーバーがドメイン名に対応するIPアドレスを調べる際に、最初の問い合わせ先となります。

2.権威DNSサーバー

権威DNSサーバーは、特定のドメイン名(例:example.com)のIPアドレスを管理しています。

ユーザーがexample.comにアクセスしようとすると、ルートDNSサーバーから権威DNSサーバーのIPアドレスが提供され、権威DNSサーバーが実際にexample.comに対応するIPアドレスを返します。

3.キャッシュDNSサーバー

キャッシュDNSサーバーは、過去に問い合わせたドメイン名とIPアドレスの対応付けを一時的に保存しています。

ユーザーが同じドメイン名に再度アクセスした場合、キャッシュDNSサーバーは保存された情報から直接IPアドレスを返すため、問い合わせ処理が高速化されます。

DNSサーバーとセキュリティ

DNSサーバーは、インターネットの重要なインフラストラクチャであるため、セキュリティ対策が不可欠です。近年では、DNSサーバーを狙った攻撃も増加しており適切な対策を講じる必要があります。

近年では、DNSサーバーのセキュリティ対策として、DNSSEC(DomainName System SecurityExtensions)が注目されています。DNSSECは、DNSデータの改ざんを検出するための技術です。DNSSECを利用することで、ユーザーは、DNSサーバーから受け取った情報が正しいものであることを確認できます。

DNSSECは、DNSデータにデジタル署名を付与することで、改ざんを検出します。デジタル署名は、公開鍵と秘密鍵のペアを使用して作成されます。DNSサーバーは、秘密鍵を使ってDNSデータに署名し、公開鍵はDNSSECに対応したクライアントに配布されます。クライアントは、公開鍵を使って署名を検証することで、DNSデータが改ざんされていないことを確認できます。

トラフィックに影響を与えるDNS攻撃に対する対策は以下の3つがありますので確認しておきましょう。

  • DNSSECの導入
    DNSSECは、DNS応答の信頼性を確保するための技術で、データの改ざんを防ぎます。
  • DNSサーバーの監視
    DNSサーバーを常に監視し、不正なアクセスや異常なトラフィックが発生していないか確認することが重要です。
  • レートリミットの設定
    DNSサーバーに対する過剰なリクエストを防ぐために、レートリミットを設定しましょう。

DNSサーバーの選択におけるベストプラクティス

DNSサーバーの選択は、単にパフォーマンスだけでなく、セキュリティやプライバシーの観点からも重要です。以下はDNSサーバーを選ぶ際のポイントです。

  • 速度:応答速度が速いかどうかは、ウェブページの読み込み時間に大きな影響を与えます。
  • 信頼性:ダウンタイムが少ない、信頼性の高いDNSサーバーを選びましょう。
  • セキュリティ:DNSSECやフィッシング保護機能が備わっているか確認しましょう。
  • プライバシー:GoogleやCloudflareなどのDNSサーバーはプライバシー保護に重点を置いており、アクセス情報の収集を制限しています。

DNSサーバーの仕組みと機能

DNSサーバーがどのように動作しているのか、またその機能はどういったものなのかを理解することは、パフォーマンスやセキュリティ向上に役立ちます。

ここでは、DNSクエリの流れからキャッシュを利用したパフォーマンス向上、IPv6への対応までを解説します。

DNSクエリの流れ

ユーザーがウェブサイトにアクセスしようとすると、以下の手順でDNSクエリが処理されます。

  1. ユーザーがブラウザでドメイン名を入力する
  2. ブラウザがローカルのDNSキャッシュを確認する
    ブラウザは、過去に問い合わせたドメイン名とIPアドレスの対応付けを一時的に保存しています。同じドメイン名に再度アクセスした場合、ブラウザはローカルのDNSキャッシュから直接IPアドレスを取得します。
  3. ローカルのDNSキャッシュに情報がない場合、ブラウザはOSに問い合わせる
    OSは、システム設定で指定されたDNSサーバーに問い合わせます。
  4. OSがDNSサーバーに問い合わせる
    OSは、DNSサーバーにドメイン名に対応するIPアドレスを問い合わせます。
  5. DNSサーバーがルートDNSサーバーに問い合わせる
    DNSサーバーは、ルートDNSサーバーに問い合わせ、ドメイン名のトップレベルドメイン(TLD)に対応するIPアドレスを取得します。
  6. DNSサーバーが権威DNSサーバーに問い合わせる
    DNSサーバーは、ルートDNSサーバーから取得した情報を使って、権威DNSサーバーに問い合わせ、ドメイン名に対応するIPアドレスを取得します。
  7. DNSサーバーがIPアドレスをブラウザに返す
    DNSサーバーは、取得したIPアドレスをブラウザに返します。
  8. ブラウザがIPアドレスを使ってウェブサイトに接続する
    ブラウザは、受け取ったIPアドレスを使って、実際にウェブサイトに接続し、ページを表示します。

キャッシュを利用したパフォーマンス向上

DNSサーバーは、キャッシュと呼ばれる仕組みを使って、問い合わせ処理を高速化しています。キャッシュは、過去に問い合わせたドメイン名とIPアドレスの対応付けを一時的に保存する仕組みです。ユーザーが同じドメイン名に再度アクセスした場合、DNSサーバーはキャッシュから直接IPアドレスを返すため、問い合わせ処理が高速化されます。

キャッシュは、DNSサーバーのパフォーマンス向上に大きく貢献しています。キャッシュがない場合、DNSサーバーは毎回ルートDNSサーバーから権威DNSサーバーのIPアドレスを取得する必要があり、問い合わせ処理に時間がかかります。キャッシュを利用することで、問い合わせ処理の時間を短縮し、ユーザーのアクセス速度を向上させることができます。

IPv6への対応

IPv6は、従来のIPv4に代わる新しいインターネットプロトコルです。IPv6は、IPv4よりも多くのIPアドレスを割り当てることができるため、将来のインターネットの成長に対応できます。

DNSサーバーは、IPv6に対応する必要があります。IPv6に対応していないDNSサーバーは、IPv6アドレスに対応するドメイン名に対応するIPアドレスを返すことができません。そのため、ユーザーはIPv6対応のウェブサイトにアクセスすることができません。

DNSサーバーのIPv6対応は、インターネットの将来にとって重要です。IPv6への移行が進むにつれて、DNSサーバーのIPv6対応は必須となります。

DNSサーバーの設定方法

DNSサーバーの設定は、インターネット接続を最適化するための基本作業です。多くの人がDNSサーバーを自動設定にしている一方で、特定のDNSサーバーを手動で設定することで、より速く、安定した接続を確保することが可能です。

Windowsでの設定手順

WindowsでDNSサーバーを設定するには、以下の手順に従います。

  1. コントロールパネルを開く
  2. ネットワークとインターネットをクリックする
  3. ネットワークと共有センターをクリックする
  4. アダプターの設定を変更するをクリックする
  5. インターネット接続のプロパティを開く
  6. プロトコルバージョン4 (TCP/IPv4)を選択し、プロパティをクリックする
  7. 次のDNSサーバーアドレスを使用する を選択する
  8. 優先DNSサーバー と 代替DNSサーバーに、使用するDNSサーバーのIPアドレスを入力する
  9. OK をクリックする

これで、WindowsのDNSサーバーが設定されました。

Macでの設定手順

MacでDNSサーバーを設定するには、以下の手順に従います。

  1. システム環境設定 を開く
  2. ネットワーク をクリックする
  3. インターネット接続 を選択し、詳細 をクリックする
  4. DNSタブをクリックする
  5. プラスボタン をクリックして、使用するDNSサーバーのIPアドレスを追加する
  6. マイナスボタンをクリックして、不要なDNSサーバーのIPアドレスを削除する
  7. OK をクリックする
  8. 適用をクリックする

これで、MacのDNSサーバーが設定されました。

ルーターにDNSを設定

ルーターに直接DNSサーバーを設定することで、ネットワーク全体の設定が可能です。ルーターにDNSサーバーを設定すると、ネットワーク内のすべてのデバイスが、設定されたDNSサーバーを使用します。

ルーターにDNSサーバーを設定する手順は、ルーターのメーカーによって異なります。ルーターの取扱説明書を参照して、DNSサーバーの設定方法を確認してください。

DNSサーバーの確認および変更

DNSサーバーはインターネット接続のスピードや安定性に大きく影響します。そのため、使用中のDNSサーバーを確認し、必要に応じて変更することで、パフォーマンスの向上が期待できます。DNSサーバーを確認する方法はさまざまであり、OSに応じた手順が存在します。

また、特定の状況では、現在使用しているDNSサーバーに問題が発生している可能性もあるため、エラーの修正方法も理解しておくことが重要です。このセクションでは、DNSサーバーの確認方法、変更する理由、そしてDNSエラーの修正方法について解説します。

DNSサーバー情報を確認する方法

現在使用しているDNSサーバーを確認するには、以下の手順に従います。

  1. コマンドプロンプトを開く
  2. ipconfig /allと入力してEnterキーを押す
  3. DNSサーバーの項目に、現在使用しているDNSサーバーのIPアドレスが表示されます。

Macでは、以下の手順でDNSサーバーを確認できます。

  1. ターミナルを開く
  2. networksetup -getdnsservers Wi-Fi と入力してEnterキーを押す
  3. DNSサーバーの項目に、現在使用しているDNSサーバーのIPアドレスが表示されます。

DNSサーバーを変更する理由

DNSサーバーを変更する理由は、いくつかあります。

1.速度向上

DNSサーバーの速度が遅い場合、ウェブサイトの読み込み速度が遅くなることがあります。高速なDNSサーバーに変更することで、ウェブサイトの読み込み速度を向上させることができます。

2.信頼性向上

DNSサーバーが不安定な場合、ウェブサイトにアクセスできないことがあります。信頼性の高いDNSサーバーに変更することで、ウェブサイトへのアクセス安定性を向上させることができます。

3.プライバシー保護

一部のDNSサーバーは、ユーザーのアクセス情報を収集しています。プライバシーを重視する場合は、プライバシー保護機能を提供しているDNSサーバーに変更することを検討してください。

DNSエラーを修正する方法

DNSエラーが発生した場合、以下の手順で解決を試みてください。

  1. インターネット接続を確認する
    インターネット接続が切断されている場合、DNSエラーが発生することがあります。インターネット接続を確認し、接続が確立されていることを確認してください。
  2. DNSサーバーの設定を確認する
    DNSサーバーの設定が間違っている場合、DNSエラーが発生することがあります。DNSサーバーの設定を確認し、正しいIPアドレスが設定されていることを確認してください。
  3. DNSキャッシュをクリアする
    DNSキャッシュに古い情報が保存されている場合、DNSエラーが発生することがあります。DNSキャッシュをクリアすることで、最新の情報を取得できます。
  4. ルーターを再起動する
    ルーターの不具合が原因でDNSエラーが発生している場合があります。ルーターを再起動することで、不具合を解消できる場合があります。

上記の手順で解決できない場合は、インターネットサービスプロバイダーに問い合わせてみてください。

DNSサーバーの速度を確認するためのツール

インターネット接続のスピードを最大限に活用するために、DNSサーバーのパフォーマンスを測定するツールを使用すると便利です。以下のようなツールを活用することで、最も適したDNSサーバーを選択できます。

Namebench

Googleが提供するオープンソースのDNSベンチマークツールで、最適なDNSサーバーを見つけるのに役立ちます。
https://code.google.com/archive/p/namebench/

GRC’s DNS Benchmark

WindowsやLinuxで動作するツールで、DNSサーバーの応答速度をテストし、ランキング化してくれます。

https://www.grc.com/dns/benchmark.htm

パブリックDNSサーバーについて

パブリックDNSサーバーは、誰でも無料で利用できる便利なサービスで、Google Public DNSやCloudflare DNSといったものが広く知られています。これらのパブリックDNSサーバーは、一般的に速く信頼性が高いため、多くのユーザーが利用しています。

しかし、利点が多い一方で、プライバシーやセキュリティ面でのデメリットも存在します。また、パブリックDNSサーバー間でのパフォーマンス比較も重要です。本章では、人気のパブリックDNSサーバーの特徴や、その利点・欠点、さらにはパフォーマンスの違いについて詳しく見ていきます。

人気のパブリックDNSサーバー

パブリックDNSサーバーは、誰でも無料で利用できるDNSサーバーです。代表的なパブリックDNSサーバーには、以下のようなものがあります。

Google Public DNS

Google PublicDNSは、Googleが提供するパブリックDNSサーバーです。高速で信頼性が高く、プライバシー保護機能も備えています。

CloudflareDNS

CloudflareDNSは、Cloudflareが提供するパブリックDNSサーバーです。高速で信頼性が高く、セキュリティ機能も充実しています。

OpenDNS

OpenDNSは、Ciscoが提供するパブリックDNSサーバーです。高速で信頼性が高く、コンテンツフィルタリング機能も備えています。

Quad9

Quad9は、非営利団体が提供するパブリックDNSサーバーです。プライバシー保護機能に重点を置いており、ユーザーのアクセス情報を収集しません。

パブリックDNSの利点と欠点

パブリックDNSサーバーを利用するメリットとデメリットは、以下のとおりです。

メリット

  • 高速で信頼性が高い
  • プライバシー保護機能が充実している
  • セキュリティ機能が充実している
  • コンテンツフィルタリング機能が利用できる

デメリット

  • インターネットサービスプロバイダーのDNSサーバーよりも速度が遅い場合がある
  • プライバシー保護機能が充実しているため、ウェブサイトの読み込み速度が遅くなる場合がある
  • セキュリティ機能が充実しているため、ウェブサイトの読み込み速度が遅くなる場合がある
  • コンテンツフィルタリング機能が利用できるため、一部のウェブサイトにアクセスできない場合がある

パフォーマンス比較

パブリックDNSサーバーのパフォーマンスは、サーバーの負荷やネットワーク状況によって異なります。そのため、どのパブリックDNSサーバーが最も高速かは、一概には言えません。

パブリックDNSサーバーのパフォーマンスを比較するには、DNSベンチマークツールを使用するのが有効です。DNSベンチマークツールは、DNSサーバーの応答速度や信頼性を測定するツールです。

DNSベンチマークツールを使って、複数のパブリックDNSサーバーのパフォーマンスを比較し、自分に最適なDNSサーバーを見つけることをお勧めします。

DNSサーバーのまとめ

DNSは、インターネット上でウェブサイトにアクセスするために不可欠なシステムです。DNSサーバーは、ドメイン名とIPアドレスの対応付けを行い、ユーザーがウェブサイトにアクセスできるようにしています。 DNSサーバーの設定や確認方法を理解することで、インターネット利用をより快適にすることができます。

また、DNS関連の問題が発生した場合、トラブルシューティングが重要です。トラブルシューティングによって、問題の原因を特定し、解決策を見つけることができます。

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