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ドメインレピュテーションとは?IPレピュテーションとの違いや確認方法、改善方法を解説

更新日: メール配信

企業のメールマーケティングやメルマガ配信において、どんなに素晴らしい内容のメールを作成しても、それが受信者の受信箱に届かなければ意味がありません。最近では「迷惑メール」扱いされてしまうことで顧客に重要な情報が届かず、ビジネスチャンスを逃してしまうケースも珍しくないのです。

また、ログイン通知やパスワード変更メールなど、メールは様々な重要なシーンで使われており、これらのメールが届かないとビジネス上で大きなリスクとなります。

こうした背景の中で注目を集めているのが「ドメインレピュテーション」という概念です。これは文字通りドメイン(送信元のアドレス)がインターネット上でどれほど信頼されているかを示す“評判”を数値化したもので、メールの到達率に大きな影響を与えます。レピュテーションが高いドメインは「信頼できる送信者」として扱われ、メールが迷惑フォルダに振り分けられるリスクが低くなります。一方、レピュテーションが低いと、たとえ正当なメールであっても届かない、もしくは迷惑メールフォルダに入ってしまうという深刻な問題が発生するのです。

この記事では、そんなドメインレピュテーションについて基礎知識からIPレピュテーションとの違い、確認方法、そして実践的な改善方法まで詳しく解説していきます。

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そもそもレピュテーションとは

レピュテーションを日本語に直訳すると「評判」「名声」「評価」です。ビジネスシーンでも使われる言葉で、企業やブランドに対する外部からの評判や評価を指します。

IT業界におけるレピュテーションは特にセキュリティの分野でよく使われます。送信元IPアドレスやドメインの信頼性を評価する概念でスパムメールや不正アクセスの防止を目的としています。

メール配信の領域ではレピュテーションは送信者を評価する重要な指標のひとつです。過去の送信履歴をもとに、迷惑メールと判断されるような送信がないか、送信者がスパム行為をしていないかが評価されます。レピュテーションが高ければ高いほど、メールが受信者に正しく届きやすくなります。一方、レピュテーションが低いと、メールがブロックされたり、携帯キャリアやメールサービスプロバイダーから送信制限をかけられたりする恐れがあります。その結果、迷惑メールとして扱われるリスクも高まってしまうのです。

レピュテーションはさまざまな要素を総合的に評価して算出されます。例えば、以下のようなポイントがチェックされます。

  • 過去に迷惑メール送信者として登録されていないか
  • ブラックリストに記載されていないか
  • 短期間で大量のメール送信を行っていないか
  • 高いバウンス率(宛先不明によるエラー)が発生していないか

このように、レピュテーションは単なる「評判」ではなく、メール配信の成否を大きく左右する重要な要素と言えるでしょう。

2種類のレピュテーション

レピュテーションは、ドメインとIPアドレスの両方によって評価される仕組みです。それぞれの評価がメールの到達率に大きく影響します。

ドメインレピュテーションとは

ドメインレピュテーションは送信元のドメイン名から送られたメールの信用度を示す指標です。特定のドメインにおける過去のメール送信履歴や送信内容をもとに、レピュテーションスコアが算出されます。スコアの算出に使われるドメインには、例えば以下のようなものがあります。

  • 送信者メールアドレスのドメイン
  • バウンスメールの送信先ドメイン
  • DKIM(Domain Keys Identified Mail)の署名ドメイン
  • メール内リンク先のドメイン

送信者メールアドレスのドメインに問題がなくても、メール内に含まれるリンク先のドメインのスコアが低いと迷惑メールに分類されてしまう可能性があるため注意が必要です。

また、ドメインレピュテーションはメールの開封やクリック、転送など、受信者の反応によっても左右されます。そのため、スコアの維持・向上には長期的な運用が求められる、調整が難しい指標ともいえます。

IPレピュテーションとは

IPレピュテーションは、送信者のIPアドレスから送られたメールの信用度を示す指標です。特定のIPアドレスに紐づくメール送信履歴や迷惑メールの有無などをもとにレピュテーションスコアが算出されます。

IPアドレスには固定IPアドレスと共有IPアドレスの2種類があります。固定IPアドレスは自社専用のIPを使うため、他の利用者の行動に影響されず自分たちでレピュテーションを管理しやすいのが特徴です。一方、共有IPアドレスは複数のユーザーで共用するためコスト面ではメリットがありますが、レピュテーションも共有されます。他の利用者がスパム行為を行った場合、自社にも悪影響が及ぶリスクがある点には注意が必要です。

IPレピュテーションとは?確認方法やメール到達率を高める方法を解説します

ドメインレピュテーションとIPレピュテーションの違い

ドメインレピュテーションとIPレピュテーションはどちらもメール到達率やセキュリティの面で重要な指標ですが、スコアの算出に影響する要素や運用上の扱いに違いがあります。主な違いをまとめると、次の通りです。

影響範囲の違い

IPレピュテーションは特定の送信者IPアドレスを評価するため影響範囲は限定的です。一方、ドメインレピュテーションは送信者ドメイン単位で評価されるため、より広い範囲に影響が及びます

スコア調整の難易

固定IPアドレスは、自社で運用管理しやすくスコア調整も比較的容易です。共有IPアドレスも、同じネットワーク内で問題行為がなければ管理は可能です。ただし、ドメインレピュテーションは受信者の行動の影響を強く受けるため、短期的な調整は難しく、長期的な運用が求められるケースが多いでしょう。

運用上の違い

IPレピュテーションはIPアドレス単位で評価が紐づくため、IPアドレスを変更するとレピュテーションはリセットされます。もし低評価のまま大量配信を続けると、ブロックされたり迷惑メール扱いされたりするリスクがあります。

一方、ドメインレピュテーションはドメイン単位で評価が紐づくため、IPアドレスを変更してもレピュテーションスコアが維持されやすく、運用の柔軟性という面では優れているといえます。

ドメインレピュテーションとIPレピュテーションの関係性

ドメインレピュテーションとIPレピュテーションは別々の指標ではありますが、実際には互いに影響し合う関係にあります。

例えば、IPレピュテーションが低い状態でメールを大量に配信すると、迷惑メールと判断されやすくなり、その状況が続くと結果的にドメインの評価も下がってしまう恐れがあります。逆に、ドメインレピュテーションが高ければ、多少IPレピュテーションが低くても、ある程度はメールの到達率を保てる可能性があります。

一方で、IPレピュテーションが高くてもドメインレピュテーションが低い場合には、やはりメールが届きにくくなるリスクがあります。ドメイン名はIPアドレスのように簡単に変更できないため、一度レピュテーションが低下すると、回復させるまでに多くの手間と時間がかかるのが実情です。

そのため、レピュテーションを低下させないよう、ドメインとIPアドレスの両方を適切に管理し、その相互作用を意識することが重要です。

円滑なメール送信には両方の評価が必要

先述の通り、ドメインレピュテーションとIPレピュテーションは密接に関わり合っています。どちらか一方だけ高ければ良いというわけではなく、どちらもバランス良く高い水準を維持することが、メールの到達率を向上させるためには欠かせません。

レピュテーションを維持するために、例えば以下のような点を意識すると良いでしょう。

  • 配信リストの品質を常に管理する(古いリストのまま送らない)
  • 過剰な配信頻度を避ける
  • メールの内容がスパム判定されないよう注意する
  • 認証技術(SPF、DKIM、DMARCなど)を正しく設定する

このように、ドメインとIPアドレスの両面からレピュテーションを守り、長期的な視点で運用することが円滑なメール配信の鍵と言えるでしょう。

レピュテーションの確認方法

レピュテーションは、インターネット回線を提供しているプロバイダーが独自の基準で算出しているため、完全に正確な値を知ることはできません。しかし、外部のオンラインサービスを活用することで目安となるスコアを確認することは可能です。

ただし、サービスごとに評価基準や表示方法が異なるため、評価結果に差が出る場合があります。そのため、レピュテーションを正しく把握するには、複数のサービスを併用してチェックするのがおすすめです。例えば、以下のようなサービスを活用できます。

  • Talos Intelligence
  • BarracudaCentral
  • Google Postmaster Tools

ここでは、ドメインとIPアドレスの両方のレピュテーションを確認できる代表的なサービスを紹介します。

Talos Intelligence

Talos Intelligenceは、コンピューターネットワークセキュリティを専門とするCiscoが提供しているツールです。評価は「Good(良好)」「Neutral(中立)」「Poor(貧弱)」の3段階で表示されます。

Goodの評価であれば、配信したメールの多くは問題なく受信者に届いていると考えられますが、Poorの場合は迷惑メール扱いされるリスクが高いといえるでしょう。送信量が少ない場合や、改善の余地があると判断された場合はNeutralと評価されることがあります。

https://talosintelligence.com

BarracudaCentral

BarracudaCentralは、サイバーセキュリティ分野で製品やサービスを展開するBarracuda Networks社が提供するサービスです。自社のIPアドレスやドメインを、Barracuda Centralが構築したブロックリストで検索できます。

Barracuda Reputation Systemのデータベースは、評価が低いドメインやIPアドレスをリアルタイムで登録する仕組みになっています。そのため、もし自社のIPアドレスやドメインが登録されていた場合は、レピュテーションが低い状態にあると考えるべきでしょう。

https://www.barracudacentral.org/lookups

Google Postmaster Tools

Google Postmaster Toolsは、Googleが提供するツールで、特にGmail宛てのメール配信に関するデータを確認できます。配信エラーやスパム報告、フィードバックループのデータをもとに、レピュテーションや迷惑メール判定率などを把握できるのが特徴です。

レピュテーションは「高・中・低・悪い」の4段階で評価されますが、IPアドレスやドメインからの送信量が少ない場合には、評価が表示されないこともあります。また、このツールを利用するには、Google管理コンソールでドメイン所有権を確認する手続きが必要です。

https://gmail.com/postmaster/

レピュテーションが低下する主な原因

ドメインレピュテーションを維持するためには、なぜ低下してしまうのかを知ることがとても重要です。多くの企業が気づかないうちにスパム扱いされるような原因を抱えているケースもあります。ここでは、ドメインレピュテーションが下がってしまう代表的な理由を詳しく解説します。

不適切なメールコンテンツの作成

送信するメールの内容がスパムと判断される原因のひとつはメールの表現や構成にあります。例えば、過剰に煽るような件名、リンクだらけの本文、画像だけで構成されたメールなどはスパムフィルターに引っかかりやすくなります。

また、特定のスパムワードの多用も危険です。これらはユーザーの信頼を損なうだけでなくレピュテーションにも直結します。適切な文章表現を心がけ、ユーザーにとって価値のある情報を届けることが大切です。

短期間での大量配信

一度に大量のメールを短期間に送ると、メールサービスプロバイダから「スパム業者ではないか」と疑われるリスクが高まります。特に新規取得したドメインの場合や、ウォームアップが不十分な場合は要注意です。大量配信は受信者の迷惑メール報告を誘発し、レピュテーションを大きく下げる要因となります。計画的に配信量を増やすことが重要です。

古いメールリストの使用

長期間更新されていないメールリストを使い続けると、存在しないメールアドレスに送信してしまうことが増えます。これによりバウンス率が上がり、レピュテーションは急速に悪化します。さらに、古いリストにはオプトアウトしたユーザーが残っている可能性もあり、迷惑メール報告につながるリスクもあります。定期的なリストの精査は必須です。

レピュテーションを上げる方法

レピュテーションを上げるためには、いくつか意識すべきポイントがあります。これらはメールの到達率に大きく影響し、メールマーケティングを成功させるうえで欠かせない要素です。ぜひ押さえておきましょう。

送信ドメイン認証

なりすましメール対策として、送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)の設定を正しく行いましょう。送信ドメイン認証をきちんと設定することは、フィッシング詐欺やなりすましメールではないことを証明する有効な手段です。送信元の信頼性が高まれば、受信者も安心してメールを開封しやすくなり、結果としてレピュテーション向上に寄与します。

送信ドメイン認証とは?SPF・DKIM・DMARCの仕組みと設定方法を解説

バウンスメールの管理

バウンスメールに記載されているエラー内容を分析し原因を特定することが大切です。エラーを放置していると、エラー率が高い送信者と判断され、スパム認定されるリスクがあります。スパム認定されてしまうと、到達率が下がるだけでなく、レピュテーションにも悪影響を及ぼしかねません。

配信リストの精査

無効なアドレスやオプトアウトによって配信を停止したアドレスにメールを送り続けると、バウンスメールが増えエラー率が高くなってしまいます。エラー率の増加はレピュテーション低下の大きな原因です。そのため、無効になった宛先や配信停止された宛先はその都度除外するようにしましょう。

また、ダブルオプトインを導入することも、確実で質の高い配信リストを作成するために効果的です。例えば、以下のような対応が有効です。

  • 定期的にリストをクリーニングする
  • 不達アドレスを早期に除外する
  • ユーザー自身で情報更新できる仕組みを用意する

メルマガの配信停止の簡易化

メールマガジンの配信停止手続きが複雑だったり、そもそもメール内に停止方法が記載されていなかったりすると、受信者から迷惑メールとして報告される恐れがあります。

さらに、特定電子メール法では送信者が配信停止の方法をメール内に明示することが義務付けられています。迷惑メール認定を避けるだけでなく法令遵守の観点からも、配信停止方法をわかりやすく記載し、手続きも簡易化することが重要です。

エンゲージメントの向上

メールの開封率やクリック率は配信するコンテンツが受信者にとって魅力的であるかどうかに大きく左右されます。開封率やクリック率を高めるためには、興味を引く件名にしたり、レスポンシブ対応のデザインを取り入れたりするのがおすすめです。さらに、メーラーの時間指定機能を活用し、購読者のライフスタイルに合わせた配信を行うことも、エンゲージメント向上の一手と言えるでしょう。

ウォームアップ

ドメインやIPアドレスを新たに取得したり変更したりした場合、過去の送信データが存在しないため、レピュテーションはゼロに近い状態からのスタートとなります。この状態でいきなり大量のメールを送ると、迷惑メールと判断されやすくなります。そのため、まずは少ない件数から配信を始め、徐々に送信量を増やす「ウォームアップ」を実施することが重要です。ウォームアップを行う際も、送信ドメイン認証や配信リストの精査をしっかり行いましょう。

IPウォームアップとは?メール到達率を最大化するための戦略と実践方法

メールリレーサービスの活用

メールリレーサービスは、提供元のメールサーバーを中継してメールを配信する仕組みです。これにより、メールの到達率を高めたり、IPレピュテーションの管理を容易にしたりすることが可能です。

メールリレーサービスは多数のIPアドレスを保有しているため、特定のIPアドレスのレピュテーションが低下した場合でも、他のIPを利用することで影響を最小限に抑えられます。また、自社でサーバーを運用する必要がないため、サーバー管理や人件費などのコスト削減にもつながります。もちろん、サービスの利用にはランニングコストがかかりますが、安定的かつ大量にメール配信を行いたい場合には、検討する価値がある選択肢です。

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ブラストエンジン

ブラストエンジンは、SMTPリレーやメール配信APIでシステムと連携し、簡単に大量のメールを高速配信することが可能です。

ブラストエンジンはサーバーの運用やメンテナンスを行っているため、常に高いIPレピュテーションを維持しながら安全にメールを送ることができます。以下のような課題がある場合はブラストエンジンの利用を検討してみることをおすすめします。

  • SPF・DKIM・DMARCの設定がうまくいかず、対応に不安がある
  • 大量メールをスパム判定されずに、安全かつ確実に届けたい
  • レンタルサーバーからの配信で到達率に限界を感じている
  • メールサーバーを自社運用せず、安定した配信を実現したい
  • バウンスメールの管理に手間と時間がかかってしまっている

ブラストエンジンは、日本国内の主要プロバイダや携帯キャリアにも最適化された設計で、業界トップクラスの到達率を誇ります。最新のメール認証技術(SPF/DKIM/DMARC)に標準対応しており、Googleの新送信者ガイドラインに準拠したメール配信が可能で、Outlookの新要件にも準拠できる配信環境が整っています。

利用料金は月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れており、メールだけでなく日本語での電話サポートにも対応しているため、技術的な不明点も安心して相談できます。

メールアドレスの入力のみで無料トライアルが可能ですので、まずは気軽にお試しください。

まとめ

ドメインレピュテーションとは、企業のメールが無事に受信者へ届くかどうかを左右する非常に重要な指標です。IPレピュテーションとは異なり、ドメイン単位で評価が蓄積されるため、一度下がってしまうと回復に時間と手間がかかる側面があります。だからこそ、日頃から正しい送信ドメイン認証の設定やリスト管理、コンテンツの改善を意識することが、レピュテーション維持・向上には欠かせません。

今回ご紹介したように、レピュテーションを確認するツールも複数あり、定期的なチェックがトラブル防止の第一歩です。ドメインレピュテーションを正しく理解し、適切に運用することで、メールマーケティングの成果を最大化し、顧客との信頼関係をさらに強化していきましょう。

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