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Google Cloudでメールを送信する方法!設定手順と注意点を詳しく解説

2024年10月18日 メール配信

昨今、クラウドの利便性はますます注目され、多くの企業がGoogle Cloudをはじめとしたクラウドを利用しています。中でもビッグデータの処理やAI、機械学習の開発に優れているGoogle Cloudは多くの企業やエンジニアからシステム構築に利用されています。

構築したシステムによっては通知やマーケティングを目的としたメールを送信する必要があり、「Google Cloudからメールを送りたい」というケースは多く発生するでしょう。Google Cloudからメールを送信するには、SMTPリレーを行う方法やメール配信システムを利用するなどいくつかの方法がありますが、宛先にメールを確実に送信するためにはいくつかのポイントに注意しなければなりません。

本記事では、Google Cloudからメールを送信する方法や、メール送信時の注意点などを解説します。

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そもそもGoogle Cloudとは

Google Cloudとは、Googleが提供するクラウドサービスです。ここでは、Google Cloudとは何か、Google Cloud Platformとの違いを見てみましょう。

Google Cloudとは

Google Cloudとは、Googleが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称です。Google社でも利用されているサーバー基盤やデータセンターなどのインフラ、ストレージ・仮想マシン・AI学習・データ分析の技術を、クラウド上で手軽に利用できます。

Google Cloudサービスの開始時期は2008年です。Google App Engineと呼ばれるアプリケーション開発プラットフォームが開始されたことで、クラウドサービスが本格的にスタートしました。2023年2月時点で用意されているサービスは100種類以上あり、さまざまな分野の業務に役立っています。

また、Google Cloudには無料版と有料版が存在します。無料版は、サービスの利用に制限がありますが、従量課金制の有料版では、無料版よりも利便性の高いサービスが利用可能です。

Google Cloud Platform(GCP)との違い

Google Cloud Platform(GCP)は、Google Cloudの旧名称です。2022年6月に変更され、「Google Cloud」が正式名称となりました。名称を変更した理由は、“お客様のエクスペリエンスをシンプルにし、プロダクト間の一貫性を保つため”としています。

現在は、Google Cloudの新名称でサービスを展開していますが、GCPという略称が以前から親しまれているため、旧名称が混在しているのです。

出典:Google Cloud の新しくなったホームページのご紹介

Google Cloudではメールを直接送ることができない

Google Cloudでは、制限によりメールを直接送ることができません。

メールを送る場合は、SMTPサーバーと呼ばれるメールを送受信する役割を持つサーバーにアクセスし、認証を行ってからメールを送信する流れが一般的です。しかし、Google Cloudではウイルスに感染したコンピューターを利用してスパムメールを送信する悪意をもったユーザーへの対策として一部のネットワークポートがブロックされています。この制限を解除するには専門的な知識が必要になるため、通常はGoogle Cloudで直接メールを送ることができません。

Google Cloudでメール送信する方法

ここでは、Google Cloudでメールを送信する具体的な方法を紹介します。各方法のメリット・デメリットも、併せて確認しましょう。

SMTPサーバーをCompute Engineで構築する

Google Cloudでメールを送信するための1つの方法として、Google Compute Engineを利用して、SMTPサーバーを構築することがあります。

Google Compute Engine(GCE)は、Google Cloudで仮想マシンを作成して実行できるホスティングサービスです。SMTPサーバーを構築する際には、SendmailやPostfixなどのMTA(Mail Transfer Agent)を利用することができるため、これまでの構築ノウハウを生かせるでしょう。MTAはネットワーク上でメールを転送するソフトウェアのことで、自社の要件に合わせて送信ルールを細かく設定したり、柔軟に制御を行ったりできるのがメリットです。一方、構築や運用を自社で行う必要があるため、サーバー運用の負荷がかかるというデメリットがあります。

Google WorkspaceにSMTPリレーを行う

Google Workspaceを経由してメールを送信する方法も、Google Cloudでメールを送信する手段の1つです。Google Workspaceを利用するには、以下の3通りの方法があります。

  • SMTPリレーでGoogle Workspaceに接続する
  • Gmail(制限付き)SMTPサーバーからメールを送信する
  • Gmailアカウントでログインし、Gmail SMTPサーバーからメールを送信する

各方法で一日に送信できる件数の制限や利用可能なポートが異なるため、Googleはこれらの方法の中で1番目を推奨しています。

メリットは、Google Workspaceを契約していれば、追加の費用がかからず気軽に利用できることです。メールの送信にはGoogleのサーバーを使うため、サーバー運用にかかる負荷を軽減できます。

ただし、Google Workspaceからメールを送信するには、「ユーザーあたりの宛先数」や「ユーザーあたりのメッセージの送信可能数」など、制限が設けられているため、大量のメール配信を行う場合には適していません。マーケティング目的のメールなどの一斉送信を検討している場合は、他の送信方法を選択しましょう。

メール配信システムを利用する

Google Cloudでメールを送信するもう1つの方法は、メール配信システムを利用することです。メール配信システムは大量のメールを一斉に送信するための専用のシステムで、APIで連携させることによりスムーズにメールを送信することができます。また、Google Cloudで構築したSMTPサーバーからSMTPリレーを行うことも可能です。

メール配信システムの利用にはいくつかのメリットがあります。まず、メール送信に特化したシステムのためより高い到達率が期待でき、サーバーの運用負荷も軽減されます。特に通知メールや会員登録メールなど、確実に受信者に届けたいメールに適しています。

一方、メール配信システムは標準的な機能で運用されることが多いため、特定のセキュリティポリシーやカスタマイズの要件がある企業にとっては柔軟性が欠ける場合があります。

Google Cloudでメール送信する際の注意点

昨今では迷惑メール対策がより強化されており、メールを送信しても迷惑メールとしてブロックされる恐れがあります。メールを確実に届けるには、いくつかのポイントに注意しましょう。ここでは、Google Cloudでメールを送信する際に考慮すべき重要な注意点を紹介します。

OP25Bに対応する

OP25B(Outbound Port 25 Blocking)は、スパムメールを抑制するためにインターネットサービスプロバイダ(ISP)などが25番ポートを遮断する技術です。

25番ポートはSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)の標準ポートでメール送信に利用されますが、悪質なユーザーがこのポートを使用してスパムを大量に送信することを防ぐため、Google Cloudを含む多くのクラウドプロバイダーではポート25の使用が制限されています。

Google Cloudでメールを送信する際は587番(サブミッションポート)や465番(SSLを使用したSMTPのポート)を使用しましょう。また、Google Cloudではファイアウォールの設定により、他のカスタムポート(例:2525番など)を使用することも可能です。

送信ドメイン認証を設定する

メールを送信する場合は、送信ドメイン認証を設定することが推奨されます。送信ドメイン認証とはメール送信者の情報が正しいものか検証する仕組みのことで、メールを受信する際、送られたメールが正規の送信者であるか判定できフィッシングメールやスパムメールを未然に防げます。

現在の送信ドメイン認証技術には、以下の3種類があります。

SPF(Sender Policy Framework)

SPFは、受信したメールの送信元IPアドレスを確認し、送信者のドメインが正規のものか検証する方式の認証技術です。

送信者はあらかじめDNS(Domain Name System)にIPアドレスを登録し、受信者が送信者が利用するIPアドレスとドメインを比較することで、なりすましの有無を判定します。

DKIM(DomainKeys Identified Mail)

DKIMは、送信者がメールに電子署名を付与することで、受信者がメールの改ざんを検証できる仕組みです。送信時に秘密鍵で署名を行い、受信者はDNSに登録された公開鍵を使ってこの署名を検証します。これにより、送信者の信頼性を確保し、メールの到達率を向上させることができます。

DMARC(Domain-based Message Authentication Reporting and Conformance)

DMARCは、送信者のアドレス(ヘッダーFrom)とSPF・DKIMで認証したドメインが一致するか検証する認証技術です。

送信者は認証失敗時のメールの処理方法を事前に設定し、そのポリシーを受信者に対してDNS上で公開します。受信者は、送信者が設定したポリシーを参照しメールの取り扱い方を決めます。

認証失敗時のポリシーには、監視のみ・隔離(迷惑メールフォルダに移動)・拒否(メール削除)が設定可能です。

IPレピュテーションを確認する

IPレピュテーションとは、メール送信に使用するIPアドレスの評価(スコア)であり、メールの到達率に直接影響を与えます。IPレピュテーションスコアが高ければ、信頼性の高いIPアドレスとみなされメールの到達率が高まります。

反対にスコアが低い場合、迷惑メールに分類されたりプロバイダにブロックされる可能性が高くなります。Google Cloudを含むクラウドサービスでは、立ち上げるVMインスタンスのIPアドレスは頻繁に変更されるため、IPアドレスの管理が難しくなります。付与されたIPアドレスが以前にスパムメール送信に使用されていた場合、レピュテーションが低くなるリスクがあります。

IPレピュテーションスコアを確認するには、Google社が提供する「Google Postmaster Tools」や、Validity社が提供する「Sender Score」を活用しましょう。

IPスロットリングに注意する

IPスロットリングとは、プロバイダが定める受信可能数を上回る量のメールを受信した場合に、送信者のIPアドレスを一時的にブロックする仕組みです。IPスロットリングを防ぐためには以下の対策が有効です。

  • 一度に大量のメールを送らないようにする
  • 複数のIPアドレスを利用して、送信元を分散させる
  • 高いIPレピュテーションを保ち、信頼される送信者になる

バウンスメールを設定しておく

Google Cloudでメールを送信する際は、バウンスメールを設定しましょう。

バウンスメールとは、送信したメールに何らかのエラーが発生した場合に、送信者に返送されるメールのことです。エラーが発生する原因には、メールのサイズが大きすぎる、サーバーが一時的にダウンしている、宛先のメールアドレスが間違っているなどがあります。

バウンスメールが設定されていないと、バウンスメールの宛先が存在しない場合、正規の送信者でないと判断され、迷惑メールに振り分けられるリスクが高くなります。また、エラーの原因が「宛先が存在しない」の場合に繰り返しメールを送信し続けると、IPレピュテーションへ悪影響を及ぼす恐れがあります。

長期間バウンスメールが改善されない場合、IPアドレスやドメインがブラックリストへ登録されることもあります。他の宛先にもメールが送信できなくなってしまうリスクがあるため、バウンスメールの管理も重要です。

初心者はメール配信システムの利用がおすすめ

Google Cloudを初めて利用する方や、メール配信に関する技術的な知識が少ない方にはメールが宛先に確実に届くよう、さまざまな対応がされているメール配信システムの利用がおすすめです。ここでは、メール配信システムを利用するメリットを紹介します。

メール送信時の各注意点に対応しやすい

メール配信システムを利用する大きなメリットは、メール送信時の各種注意事項に自動で対応できることです。

例えば、メール配信システムではCCやBCCの設定に伴うリスクを減らすことができます。通常のメールソフトなどを利用したメール送信では、誤って複数の宛先をTOやCCで設定することにより、他の受信者にメールアドレスが公開されてしまう可能性があります。しかし、メール配信システムではこれらの設定を間違えることを考慮せずに、個々の受信者に対して安全にメールを送信することが可能です。

また、OP25B対応やIPレピュテーションの管理、IPスロットリングへの注意が不要であるため、メールサーバーの運用にかかる負荷を大幅に軽減できます。

簡単な操作でメール送信できる

多くのメール配信システムでは「メールを作成する」「送信先のメールアドレスを選択する」「送信時間を設定する」の3ステップでメールが送信可能です。

また、メールの作成はHTMLエディターを使用し、アドレスリストのアップロードやさまざまな送信設定などを感覚的に行えます。文字の装飾や画像の挿入などの作業を、HTMLに関する知識がなくてもマウスの操作で行えるため、Webサイトのような、見た目に優れたメールを作成できるでしょう。

さらに、送信先のメールアドレスを間違えるリスクや、メールを送信する手間や時間が軽減できることもメール配信システムを利用するメリットです。

国産システムなら国内IPを利用できる

国内のメール配信システムを利用すると、国内のIPアドレスを利用してメールを送信できます。国内のIPアドレスを使うメリットは、国際的な影響を受けにくく安定したメールの到達率を維持できる点です。

例えば、国外でサイバー攻撃が発生し、国外のIPアドレスから大量の迷惑メールが送信されると、国内のプロバイダや通信キャリアはセキュリティを強化することがあります。この場合、国外のIPアドレスからのメールはブロックされたり迷惑メールと認識されたりするリスクが高くなります。そのため国内でメールを送信する際は、国内のIPアドレスを利用してメールを送信することが望ましいといえるでしょう。

また、国内のメール配信システムは、国内の通信キャリア・プロバイダが受信可能な送信スピードやメールの流量に合わせて、配信アルゴリズムが設計されています。これによりメールを送信しても迷惑メールと判断されたりブロックされたりするリスクが軽減できます。

国産システムなら日本語でサポートを受けられる

日本語でサポートを受けられることも、国内のメール配信システムを利用するメリットです。メール配信システムの運用中にトラブルや疑問が生じたりシステム障害が発生した場合、システムの提供元に問い合わせる必要があります。

日本語でサポートが受けられることで、問い合わせをスムーズに行えるためトラブルの解決までの時間を短縮することができます。海外製のシステムでは、英語での対応のみ受け付けている場合やサポート対応がないこともあるため、注意が必要です。

API連携・SMTPリレーサービス「ブラストエンジン(blastengine)」の活用

ブラストエンジンのキャッチ画像

ブラストエンジンは、SMTPリレーサーバーを使用して、簡単に大量のメールを高速配信することが可能です。さらに、メールサーバーを必要とせず、API経由でメールを送信する仕組みも提供しています。

ブラストエンジンは、サーバーの運用やメンテナンスを行っているため、常に高いIPレピュテーションを維持しながら、安全にメールを送ることができます。

以下のような課題がある場合は、ブラストエンジンの利用を検討してみることをおすすめします。

  • 自社のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されていて、メールが届かない場合
  • 国内キャリアにメールが届かず、対応方法がわからない場合
  • 自社でメールサーバーを管理・運用したくない場合

また、ブラストエンジンは各メールプロバイダーや携帯キャリアのドメインに最適化されており、大規模なネットワークを経由してメール配信を行うことで、日本国内での到達率を圧倒的に高めています。送信ドメイン認証ももちろん対応しています。

利用料金は月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れており、メールだけでなく、日本語での電話サポートにも対応しています。

メールアドレスの入力のみで無料トライアルが可能ですので、まずは気軽にお試しください。

まとめ

Google Cloudでメールを送信するには、SMTPサーバーを構築する方法と、SMTPリレーを行う方法、メール配信システムを利用する方法があります。初心者の方であれば、メール配信システムの利用がおすすめです。

メール配信システムは、簡単な操作でメールの作成・送信が可能でメール送信の注意点が少ないため、初心者でも扱いやすいサービスです。また、国内のIPアドレスを利用できたり日本語でサポートが受けられたりする国内システムであれば、より安心して利用できます。バウンスメールや送信ドメイン認証の設定をしっかり行い、メール配信システムを効果的に活用しましょう。

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