メールワイズに「blastengine」を設定してメールを送信する方法

社内外のメール対応を効率的に管理できる「メールワイズ」は、多くの企業で活用されている信頼性の高いメール共有・対応管理システムです。標準の送信設定でも基本的なメール送信は可能ですが、近年の迷惑メール対策の高度化や、大量配信時の送信成功率の観点から、より強固な配信インフラを組み合わせて運用することで、さらに安定性と到達率を高めることができます。
そこで注目されているのが、メール配信に特化したSMTPリレーサービス「blastengine(ブラストエンジン)」です。本記事では、メールワイズの機能をそのまま活かしつつ、blastengineと連携することで実現できるより確実で高品質なメール送信環境の構築方法を詳しく解説します。

メールワイズ × blastengine
メールワイズとblastengineを組み合わせることで、ビジネスにおけるメール送信の信頼性と到達率をさらに高めることができます。
メールワイズは、サイボウズ株式会社が提供するメール共有・対応管理ツールで、チームでのメール対応を効率化できる点が特長です。一方、blastengineは高い到達率と柔軟な配信機能を備えたメールリレーサービスです。これらを連携させることで、業務メールの配信精度が向上し、確実な顧客対応が実現できます。
メールワイズ(Mailwise)とは?
メールワイズは、複数人でメール対応を行うチームに最適なクラウド型のメール共有・対応管理システムです。担当者の振り分け、対応状況の可視化、履歴の共有といった機能により、問い合わせ対応の漏れや重複を防ぎ、業務効率を大きく向上させます。
標準のSMTP設定でもメール送信は可能ですが、より高い到達率や安定した配信環境を求める場合、blastengineなどの外部SMTPリレーサービスとの連携が効果的です。
blastengine(ブラストエンジン)とは?
「blastengine」は高い到達率を誇るシステム連携に特化したクラウド型メール配信サービスです。API連携やSMTPリレー形式で接続することで簡単に大量のメールの一斉配信やトランザクションメールなどをを効率的かつ迅速に配信できます。
メールワイズにblastengineを設定するメリット
メールワイズとblastengineを連携させることで、以下のようなメリットが得られます。
- 高い到達率と信頼性
blastengineのメール配信基盤をインフラを活用することで、企業ドメイン宛のメールだけでなく、Gmailやキャリアメールでも高い到達率を実現できます。 - メールワイズの運用はそのままでOK
メールワイズの画面や操作はそのまま、送信部分だけをblastengineに切り替えることで、配信の品質を向上させることができます。設定も簡単なので日常業務に負担をかけずに導入可能です。 - テストメールやログ機能で到達精度を確認可能
blastengineは送信状況やエラーの内容を管理画面から簡単に確認できるため、トラブル発生時の原因特定や再送処理もスムーズに行えます。
また、blastengineの導入に特別な開発は不要で、メールワイズのSMTP設定画面に必要な情報を入力するだけで利用を開始できます。専門知識がなくても簡単に設定できる点も多くの企業に選ばれている理由のひとつです。
blastengineの準備
blastengineを使うには、アカウントを作成、SMTP認証情報(ID・パスワード)を取得する必要があります。このセクションでは、その手順を詳しく説明します。
blastengineのアカウント作成
公式サイトから無料でアカウントを作成します。無料トライアルはメールアドレス入力のみでアカウント発行が可能となります。
blastengine公式サイト:https://blastengine.jp/
SMTPユーザー名とSMTPパスワードについての取得方法
blastengineの管理画面にログイン後、画面右上の歯車マークから「設定画面」を開くことができます。

SMTPリレーの「確認・変更」から、IDとパスワードを取得することができます。これらの情報を、メールワイズの送信メールサーバーの設定欄に入力します。

認証方式は「SMTP認証」を選択する必要があるので注意してください。
トライアル環境では配信可能アドレスを設定する
blastengineでは無料で機能検証が行えるようトライアルプランを提供していますが、トライアルプランを利用したスパム行為を防ぐため配信可能アドレスの登録が必要となります。(5件まで)以下の手順で設定が可能です。
- スタートアップガイドにアクセス
blastengineにログイン後、画面上部のメニューから「スタートアップガイド」タブをクリックする - SMTPリレーを選択
「API連携で試す」「SMTPリレーで試す」という選択肢が表示されるので、「SMTPリレーで試す」を選択する - 配信可能アドレスを登録
「アドレス登録」ボタンをクリックし、配信を許可するアドレスを入力する

※ビジネスプラン(有料プラン)では、配信可能アドレスの設定は必要ありません。
メールワイズでblastengineを設定する方法
メールワイズでblastengineを利用してメールを送信するには、SMTPの接続情報を正しく設定する必要があります。このセクションでは、メールワイズの管理画面でblastengineを設定する方法を解説します。
メールワイズのアカウントをお持ちでない場合は、公式サイトから無料アカウント(30日間)を作成することができます。
メールワイズ公式サイト:https://mailwise.cybozu.co.jp/
メールワイズのSMTP設定画面にアクセスする

メールワイズの管理画面にログインし、基本設定から「メールサーバー」をクリックし、SMTPの接続情報を入力する画面に移動します。
メールワイズでは、GmailとExchange Online以外のメールサーバーを利用する場合、メールサーバーを追加する必要があります。以下画面でその他のメールサーバーから「追加する」を選択しましょう。

サーバー名とポート番号を入力する
送信メールサーバー (SMTP)にサーバー名とポート番号を入力することができます。blastengineを利用する場合は以下の情報をご入力ください。
- サーバー名:smtp.engn.jp
- ポート番号:587
実際の入力箇所は以下の通りです。

続けて、「通信を暗号化する」「SMTP認証をおこなう」にチェックを入れて、以下の情報を入力しましょう。
- 認証情報:お使いになるID、パスワード
- SSL認証方式:PLAIN or LOGIN
- POP before SMTP:利用しない
- SSL/TLS接続:なし or StartTLS
メールワイズの実際の入力項目に当てはめるとこのような形になります。

このとき、ユーザー名とパスワードに入力するのは、blastengine側で取得・設定をしたIDとパスワードになります。
以上でメールワイズ側の設定も完了となります。新規で設定を行う場合は、受信メールサーバーの設定も行わないとエラーになる可能性があるため注意しましょう。
※すでに受信メールサーバーの設定をしている場合は変更の必要はありません。
メールの送信とエラーメールの確認方法
設定が完了したら、テストメールを送信して正常に機能するか確認します。ここでは具体的な確認手順とトラブルシューティングについて説明します。
テストメールの送信方法
メールの送信に関しては、メールワイズで通常通りメールを送信するだけです。普段からメールを送っている場合は、特に操作を変える必要はありません。
blastengineをSMTPサーバーとして設定した後は、送信されたメールが正常に届くかを確認することでテストが完了します。以下のような手順で動作確認を行うとよいでしょう。
- 自分自身または社内のメールアドレス宛にメールを送信
- 受信側でメールが届いているかを確認(迷惑メールフォルダ含む)
- blastengineの管理画面で「配信ログ」や「エラーログ」をチェック
- ステータスが「成功」または「送信完了」になっていれば問題なし
メール送信結果の確認方法
blastengineの管理画面にログインし、上部メニューの「配信ログ」タブから送信結果を確認することができます。この画面では、以下のような情報が確認できます。
- 配信ステータス(成功/失敗 など)
- 送信先アドレス
- 送信日時
- エラーコードやその詳細内容(例:ブロック、受信側の拒否など)

メールが届かなかった場合も、この配信ログを確認することで原因の特定や改善に役立てることができます。たとえば、宛先不明(Hard Bounce)、一時的なエラー(Soft Bounce)、迷惑メールフィルタによるブロックなど具体的なステータスに基づいて対応方針を判断できます。
メールワイズとblastengineを活用する際の注意点
メールワイズとblastengineを組み合わせて活用する際には、安定的にメールを届けるために押さえておきたいポイントがいくつかあります。以下の注意点を事前に確認しておくことで、運用トラブルを防ぎ、より信頼性の高いメール配信が実現できます。
メール送信数の上限や制限に注意
blastengineの無料プランでは配信可能アドレス数が5件まで、配信通数が月10,000通までの制限があるため注意しましょう。
小規模利用であれば問題ないケースもありますが、必要なメール配信通数に応じて有料プランを選択してください。
SPF、DKIM、DMARCの設定(迷惑メール対策)
blastengineを通じて送信されたメールが、正しく認証され、迷惑メールと判定されにくくするために、以下の設定が重要です。
項目 | 目的 | 設定場所 |
---|---|---|
SPF | 送信元の正当性を証明 | ドメインのDNSレコードにTXT追加 |
DKIM | メール改ざん防止(電子署名) | blastengineで公開鍵取得+DNSに追加 |
DMARC | SPF/DKIMのポリシー制御 | DNSにTXTレコードでポリシーを設定 |
blastengineの管理画面ではDKIM作成者署名の設定等が簡単に行えます。その他、SPFの設定やDKIM署名の設定に必要な作業は以下の資料からご確認いただけます。
迷惑メール対策について:https://info.blastengine.jp/spfdkim.pdf
を活用することで、特定のニーズに応じた柔軟なメール配信環境を構築できます。それぞれのプラグインの特性を理解し、最適なものを選びましょう。
SMTPリレー・API連携サービス「ブラストエンジン(blastengine)」

SPFやDKIMなどGmail送信者ガイドライン対応しており、API連携・SMTPリレーが可能なメール配信システムです。
ブラストエンジンは、SMTPリレーサーバーを使用して、簡単に大量のメールを高速配信することが可能です。さらに、メールサーバーを必要とせず、API経由でメールを送信する仕組みも提供しています。
ブラストエンジンは、サーバーの運用やメンテナンスを行っているため、常に高いIPレピュテーションを維持しながら、安全にメールを送ることができます。
以下のような課題がある場合は、ブラストエンジンの利用を検討してみることをおすすめします。
- WordPressからのメールが届かない場合
- WP Mail SMTPを使ってメールを送信したい場合
- 自社のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されていて、メールが届かない場合
- 国内キャリアにメールが届かず、対応方法がわからない場合
- 自社でメールサーバーを管理・運用したくない場合
また、ブラストエンジンは各メールプロバイダーや携帯キャリアのドメインに最適化されており、大規模なネットワークを経由してメール配信を行うことで、日本国内での到達率を圧倒的に高めています。
利用料金は月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れており、メールだけでなく、日本語での電話サポートにも対応しています。
メールアドレスの入力のみで無料トライアルが可能ですので、まずは気軽にお試しください。
まとめ
メールワイズは、業務メール対応を効率化できる優れたシステムです。本記事では、そのメール送信基盤にblastengineを連携させることで、運用を変えることなく到達率や配信の安定性をさらに高める方法をご紹介しました。
- メールワイズの使い勝手はそのまま
- SMTP設定を追加するだけで簡単に連携可能
- blastengineの配信ログやエラーログで運用管理も安心
- SPF・DKIMなどの認証対応もスムーズに実現
メールワイズの運用に慣れているチームでも、無理なく導入できる構成となっており、両者を組み合わせることで、業務の信頼性と効率性をさらに一段引き上げることが可能です。
