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Pythonとは?できること・できないこと/特徴や活用例を解説

2024年10月24日 開発技術

Python(パイソン)は、シンプルで高機能なプログラミング言語です。汎用性と利便性が高いことから、世界中のさまざまな企業やサービスで活用されています。Pythonは、AIやデータ分析、アプリケーション開発など今後も多くの分野で活用されるでしょう。

本記事では、Pythonの特徴やできることだけでなく、できないことにも触れて解説します。

Pythonとは

Pythonは、1991年に開発されたオープンソースのプログラミング言語です。文法がシンプルであり、他のプログラミング言語よりも理解しやすいという特徴から、世界中で広く使用されています。汎用性が高く、データ分析やAIだけでなくWebアプリケーションの開発も可能です。

Pythonの将来性とトレンド

Pythonは、AIや機械学習の分野での需要が年々増加しています。特にTensorFlowやPyTorchといった強力なライブラリがPythonで利用できるため、これらの分野での主要言語として採用されています。

企業や研究機関でも、AIやデータ分析のプロジェクトにおいてPythonが選ばれることが多く今後もこのトレンドは続くでしょう。

新技術(IoT、ブロックチェーン)でのPythonの役割

Pythonは、IoTやブロックチェーンといった新技術にも応用されています。Raspberry Piを用いたIoTデバイスの制御や、ブロックチェーン技術のプロトタイプ作成にPythonが利用されており、これらの分野でも重要な役割を果たしています。

未来の技術においてもPythonの活用範囲はさらに広がると考えられています。

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Pythonでできること

はじめに、Pythonでできることから確認していきましょう。Pythonには、できることがたくさんあります。以下で詳しく解説します。

機械学習・ディープラーニング

機械学習は、大量のデータをもとに、コンピューターへルールやパターンを学習させる技術です。ディープラーニングも機械学習の技術の一つで、膨大なデータを自動で解析し、データの特徴を発見・抽出できます。

Pythonには、ディープラーニングのためのライブラリが豊富です。scikit-learnやTensorFlow、PyTorchといったライブラリを用いると、ディープラーニングを比較的簡単に作成できます。

画像認識

画像処理ライブラリであるOpenCVを用いて、画像データを使用したパターン認識をします。数値計算のためのライブラリであるTensorFlowを組み合わせると、顧客の識別やカテゴリの振り分けも可能です。画像認識できる分野は主に、画像分類、物体検知、画像セグメンテーションです。

自然言語処理

自然言語処理とは、人間が日常的に使用する自然言語をコンピューターに処理させる技術です。

Pythonは、人間の言語を理解する自然言語処理を行うのに適しています。NLTK、spaCy、Transformersといったライブラリが充実しており、翻訳サービスや文章生成に活用されています。

時系列解析

時系列解析では、時間の経過に沿って得られるデータの系列を分析します。過去のデータから未来を予測するために必要な解析です。金融分野では株価の予測、気象分野では天気予報といった、日常生活にかかわる部分で利用されています。

PandasやProphetといったライブラリを使用することで初心者でも簡単に時系列データの分析ができます。

データ収集

Web上のデータを収集するのもPythonの得意分野です。収集したデータは価格調査や市場調査に利用されます。データ収集には、Requests、Beautiful Soup、Seleniumといったライブラリが使用されます。

データ処理・分析

Pythonは、大量のデータを自動で迅速に、処理・分析できます。具体的には、データベースの並び替えをし、指定したデータのみを抽出してExcelに瞬時に書き出すことが可能です。

データ分析には、データの処理を行うPandasや、数値計算の効率化ができるNumPyといったライブラリが用いられます。これらを組み合わせることでデータの収集から分析まで自動化できます。

ウェブサイト・アプリ開発

Pythonは、画像解析や自然言語処理が得意なため、YouTubeやInstagramといった動画・画像共有サービスの開発に利用されています。また、PythonはさまざまなOSに対応しており、異なるデバイスでも同じように作動するため、開発者はデバイスごとに仕様を変更する必要がありません。

Pythonには、Djangoというフレームワークが備わっています。Djangoは、管理画面・ユーザー認証・RSSフィードなど、Webサイトアプリでよく使用される機能が豊富です。Djangoを活用すれば、高品質なWebサイトアプリ開発が可能になります。

ブロックチェーン開発

ブロックチェーンは、取引の記録を連鎖的につなげたデータ構造を持つ技術のことです。従来のデータベースと比べて構造や管理が強固で改ざんは困難なため、仮想通貨や銀行の取引に用いられています。Pythonは、ブロックチェーンに欠かせないデータの変換が標準機能で実現可能です。

IoT開発

IoT(Internet of Things)とは、電化製品や建物、車などのさまざまな「モノ」とインターネットをつなぐ技術です。 近年、ロボット掃除機やセンサーライトといった、一般家庭でも使用される家電にもIoTの技術が普及しています。このIoT開発に必要な言語の一つが、Pythonです。

また、IoT開発ではRaspberry Pi(ラズベリーパイ)というコンピューターが多く活用されています。Raspberry PiはPythonを動かすために作られた経緯があり、IoT開発においてPythonが多く使用されるきっかけとなりました。

ゲーム開発

Pythonでゲーム開発を行うには、ゲーム用ライブラリ・ゲームエンジン・コードを書くといった選択肢があります。特にブラウザで動くような簡単で平面的な2Dゲームの作成に向いています。Pythonでのゲーム開発は、短期間か低コストでの開発に用いられることが多いです。

Pythonでできないこと

汎用性の高いPythonにもできないこと・不向きなことは存在します。ここでは、Pythonの苦手な事例について確認していきましょう。

スマホアプリ・デスクトップアプリの開発

Pythonは、スマホアプリやデスクトップアプリの開発に向かないといわれています。その理由は、開発のために欠かせない、主要なライブラリがそろっていないからです。また、アプリ開発には他に適した言語があるため、使用される機会がほとんどありません。

ただし、KivyやPyQtといったライブラリを使用すれば、Pythonでもクロスプラットフォームのアプリ開発が可能です。しかし、これらは他の言語と比較すると性能面で劣ることが多いため、主流ではありません。 スマホアプリやデスクトップアプリ開発にはJava、Swift、Unityがよく用いられます。

高速処理が必要なシステム開発

Pythonはインタプリタ言語のため、処理速度が遅いといわれています。インタプリタ言語とは、プログラミング言語の命令を一つずつ機械語に変換しながら実行する方式です。記述すればすぐに実行できる反面、処理速度が遅くなるおそれがあります。そのため、Pythonは高速処理が必要なシステム開発には不向きです。高速処理が必要であれば、C言語やJavaといった別の言語での開発がおすすめです。また、多数のアクセスが集中する基幹システムへの活用も避けた方がよいでしょう。

ただし、PythonであってもCやC++のコードを組み合わせて実行することが可能であり、部分的に処理を最適化することができます。

Pythonの特徴

Pythonには5つの特徴があります。それぞれ確認していきましょう。

コードの記述がシンプル

Pythonは、文章を読むように分かりやすい言語を目指して開発されたため、他のプログラミング言語よりもソースコードが少なくシンプルなものとなっています。そのため、プログラム作成者でなくてもコードが理解しやすいのが特徴です。

また、コードを文章のように記述するため、エラーのデバッグも簡単です。プログラムが完成せずとも、記述のたびに実行結果を確認できるため、初心者が学びやすい言語の一つといえるでしょう。

コミュニティが充実している

Pythonは、多くの人に使用されている言語のため、コミュニティも充実していることが特徴です。情報や問題点が多く提供されており、開発者による機能の更新や開発に役立ちます。このようなコミュニティの発展は、プログラミング言語としての成長を加速させる好循環を生むといえるでしょう。

さらに、Pythonは全世界で広く使用されているため、ドキュメントや質問サイトなどの情報も豊富で、問題解決が比較的容易です。

ライブラリが豊富

ライブラリはあらかじめ書かれたプログラムの集合体で、Python内部に標準装備されているものとインストールして使用する外部のものがあります。外部ライブラリはインストールして簡単に使用可能です。

特に高度な計算処理に優れたライブラリが充実しており、例えばTensorFlowやPyTorchでは機械学習、Pandasではデータ分析といった処理が可能です。ライブラリの存在によって、開発者は複雑なプログラムを書かずに開発をスムーズに進めることができます。また、これらのライブラリはオープンソースであり、誰でも利用・拡張ができる点も大きな強みです。

フレームワークが豊富

開発に活用できるフレームワークが豊富です。Pythonのフレームワークは、基本的な機能をまとめて提供しているので、開発期間を大幅に削減できます。フレームワークは、ルールに従って何をどこに記述すべきかが決まっているため、プログラムが統一されている点もメリットです。

例えば、DjangoやFlaskといったフレームワークは、Webアプリケーション開発において多く利用されています。 また記述されたものを解析するのも簡単で、カスタマイズ性に優れています。

API連携が可能

PythonでAPI連携をすると、プログラムを作成することなくさまざまなサービスとの連携ができ、新しい機能を追加できます。API連携の例としては、SNS機能の実装・データ収集・Webサービスとの連携・メール配信システムとの連携などが挙げられます。

Pythonは、REST APIやGraphQLなどのAPIを活用したデータ連携がしやすく、企業のサービス間統合にも頻繁に使用されています。

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Pythonと他のプログラミング言語との比較

Pythonと他のプログラミング言語を比較すると、それぞれの特徴が際立ちます。

例えば、Javaは厳密な型付けで大規模システム開発に適しており、JavaScriptはフロントエンド開発に強みを持っているなど。ここでは各種言語と比較してみます。

PythonとJavaの比較

PythonはJavaと比べてシンプルで記述量が少ないという特徴があります。Javaは静的型付け言語であるため、厳密な型定義が必要ですが、Pythonは動的型付けで柔軟に開発を進められます。

特にプロトタイプの開発や迅速な実装が求められる場面ではPythonの方が効率的です。一方で、大規模なシステム開発や高パフォーマンスが求められる場面ではJavaが好まれることが多いです。

PythonとR言語の比較

データ分析の分野では、PythonとR言語がよく比較されます。Rは統計分析に特化した言語で、特に学術的な分析やデータの可視化に強みがあります。

Pythonは機械学習やAI分野でより強力なライブラリを持ち、汎用性も高いため、エンジニアからは広く支持されています。PythonはWeb開発やAPI連携にも優れているため、データサイエンスを超えた領域での活用も可能です。

PythonとC++の比較

C++はパフォーマンスを重視したプログラミング言語であり、特に高速処理やシステムレベルの開発に強みがあります。

一方、Pythonは開発のしやすさと柔軟性を重視しており、簡単に書ける反面、実行速度では劣ります。高性能なアプリケーションを必要とする場面ではC++が使われることが多いですが、Pythonはそのシンプルさと豊富なライブラリによってデータ処理やスクリプトの自動化といったタスクには最適です。

PythonとJavaScriptの比較

PythonとJavaScriptは、異なる用途で広く使われるプログラミング言語ですが、どちらも簡単に習得できる点が特徴です。Pythonは主にサーバーサイドの開発やデータサイエンスに強みがありますが、JavaScriptはフロントエンド開発で使用され、ブラウザで動作する点が大きな違いです。

JavaScriptは、動的なウェブサイトやインタラクティブなユーザーインターフェースの構築に欠かせない言語で、ReactやNode.jsなどのフレームワークを活用するとサーバーサイド開発も可能です。一方、Pythonはバックエンドの処理やデータ分析で高いパフォーマンスを発揮します。

PythonとRubyの比較

PythonとRubyは、どちらも読みやすくシンプルな文法を持つスクリプト言語で、ウェブ開発によく利用されます。

特にRuby on Railsはウェブアプリケーション開発のフレームワークとして有名で、開発のスピードが早いことで知られています。一方、PythonはDjangoやFlaskなどのフレームワークを活用しつつ、データサイエンスや機械学習の分野でも優れた能力を発揮します。Pythonは汎用性の高さが特徴でRubyよりも幅広い分野で活用されています。

PythonとGoの比較

PythonとGo(Golang)は、共にサーバーサイド開発で利用されることが多い言語ですが、Goは特に高速処理と並行処理に優れています。

GoはGoogleが開発した言語であり、大規模なシステムやマイクロサービスの開発に適しています。一方、Pythonはその柔軟性と豊富なライブラリを活用して迅速なプロトタイピングやデータサイエンスで強力なツールとなります。Pythonは学習のしやすさで優れていますが、Goは性能を求めるプロジェクトでの採用が増えています。

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Pythonの活用例

Pythonを活用しているサービスにはさまざまなものがあります。それぞれの活用例を確認していきましょう。

Dropbox

Dropboxのサービスには、Pythonのプラットフォームに依存しない性質や動作の快適さが役立てられています。

ちなみに、DropboxにGoogleでPythonの開発に関わっていたエンジニアが移籍し、Pythonを使用したプロトタイプが作成されたことをきっかけに、DropboxのサービスのすべてがPythonで構築されたという経緯があります。

Amazon

Amazonでは、消費や取引に関するシステムにPythonの採用が推奨されています。Pythonは、情報の変化に柔軟に対応が可能で、他のプログラミング言語との連携が簡単にできるため、さまざまな場面で活用されています。

また、Amazonには顧客が検索した情報からおすすめを表示する機能がありますが、これはPythonの機械学習を活用したものです。 

Netflix

Netflixは、使用しているライブラリの名前を公表しており、Pythonを使用している代表的なサービスです。統計分析や保守運用における数値分析では「NumPy」「ruptures」「SciPy」「Pandas」などを用いています。

また、映画中の最適なシーンを探して切り出す作業にもPythonによる機械学習が利用されています。さらに、ネットワークのトラフィック管理や、サービスの障害を検出するためにもPythonが用いられています。

Google

コードレビューやログ解析といったツールの開発や検索・アルゴリズムの記述にPythonが使用されています。Googleでは検索エンジンやAndroid開発以外に、動画投稿サイトであるYouTubeでもサーバーの処理にも活用中です。

また、Pythonの開発者が在籍していたこともあり、Google内ではPythonがオフィシャル言語のように扱われています。

Instagram

Instagramは、PythonのWebアプリケーション用フレームワークのDjangoを活用して開発されました。Instagramは設立時2人のみでしたが、Pythonでは少ないコードで品質の高いWebアプリを構築できるため、驚異的なスピードで開発を進めユーザー数の拡大に成功しました。

現在でも、Instagramのスケーラビリティを維持するためにPythonが使われ続けています。

Pythonの学習難易度とおすすめ学習リソース

Pythonはそのシンプルな構文と直感的なデザインにより、プログラミング初心者に最適な言語とされています。多くのプログラミング言語に比べて文法が分かりやすく、エラーメッセージも理解しやすいためデバッグも簡単です。

また、インタプリタ型の言語であるため、コードを書いた後すぐに実行して結果を確認できることが学習を進めやすい要因となっています。

初心者におすすめのPython学習リソース

Pythonの学習を始めるには、多くのオンラインリソースが役立ちます。公式ドキュメントはもちろん、無料で学べるオンラインチュートリアルサイト(CodecademyやSoloLearnなど)もおすすめです。

また、書籍「Pythonチュートリアル」や「かんたん Python (プログミングの教科書) 」なども初心者向けの良書です。加えて、動画講座(UdemyやYouTube)では、インタラクティブに学べるコースが多く提供されています。

効果的な学習方法とプロジェクトベースの学習

単なる理論学習だけでなく、実際にプロジェクトを進めながら学習することが効果的です。例えば、ウェブスクレイピングやAPI連携によるデータ収集、自作のウェブアプリケーションの開発など、具体的なプロジェクトに取り組むと実践的なスキルが身につきます。

こうした経験が、自分のポートフォリオにもなり就職や転職にも有利になるでしょう。

Python×メール配信システム

Pythonはその汎用性と柔軟性により、メール配信システムの自動化や効率化においても大きな役割を果たします。

特に、マーケティングや顧客対応において大量のメールを効率的に送信・管理することが求められる企業では、Pythonを活用することでメール配信のプロセス全体を自動化できます。

メール配信の自動化

PythonはSMTPライブラリを利用して簡単にメールを送信できるだけでなく、定期的な配信や条件に応じたメールの自動送信を実現するスクリプトを作成できます。

これにより、例えばユーザーの行動に応じたカスタマイズされたメールの配信が可能になり、マーケティング効果の最大化が期待できます。

また、Pandasなどのライブラリを使ってメールの送信リストやユーザーデータの管理を効率的に行うことも可能です。

メール配信システムとの連携

Pythonは、メール配信システムのAPIを活用して外部のメール配信システムとシームレスに連携することも容易です。

例えば、Webサービスから自動でメール配信システムにデータを送信したり、配信状況を取得してリアルタイムでダッシュボードを更新したりすることができます。これにより、開封率やクリック率などのデータを自動的に取得し、メールマーケティングのパフォーマンスを即座に評価・改善できる仕組みが整います。

Pythonとの連携におすすめのメール配信システム「blastengine(ブラストエンジン」」

ブラストエンジンのキャッチ画像

「blastengine(ブラストエンジン」)は、日本向けに設計された高機能なメール配信システムであり、特に大量のメールを効率的に配信するニーズに対応しています。ブラストエンジンは、Pythonとの連携が容易で、APIを活用することで高度な自動化やデータ分析を実現できます。

各種SDK等は以下の記事から確認いただけます

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まとめ

Pythonは、シンプルで汎用性の高いプログラミング言語で、人気の高い言語です。シンプルかつライブラリやフレームワークが豊富なため初心者でも開発が可能です。

また、汎用性も高く、ディープラーニングやデータ分析をはじめWebアプリの開発にも適しています。様々な有名企業でも採用されており、動画投稿サイトから画像共有サービスなどの様々な分野で活用されています。

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