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SPFレコードの書き方とよくある間違いを解説!記述例や基礎知識も

2024年6月3日

メールはビジネスや個人としても使われる有用な連絡手段のひとつです。一方で、なりすましが横行し、詐欺やウイルスメールが増えているなど、注意が必要な部分もあります。そのため、メールのセキュリティ対策は非常に重要です。

迷惑メールを除外するシステムとしてフィルターが存在していますが、しばしば正規のメールもフィルターに引っかかってしまうことがあります。送ったメールが迷惑メールとみなされて受信フォルダに届かないと、スムーズなやりとりができません。

また、スパムやフィッシング詐欺から守るためには、送信者の信頼性を確認する仕組みが欠かせません。ここで重要な役割を果たすのが、SPF(Sender Policy Framework)レコードです。SPFレコードは、メールの送信元が正当であることを確認し、不正なメール送信を防ぐための技術です。しかし、SPFレコードの設定は一見シンプルに見えますが、実際には誤った設定が多く見られます。

本記事では、まずSPFレコードとは何か、その基本的な仕組みについて詳しく解説します。その他にも、SPFレコードの基本的な書き方から、FQDN(ホスト+ドメイン名)での書き方、ネットワーク指定での書き方、サブドメインへの個別指定での書き方、メールを送信しない場合の書き方、さらには複数のSPFレコードを登録する方法まで、詳細に解説します。

メール送信をする際のおすすめのシステムもご紹介するのでぜひ最後までご覧ください。

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SPFレコードとは

SPFとは(Sender Policy Framework)の頭文字をとった略語で、SPFレコードはメール送信元のドメインを認証する技術のひとつです。IPアドレスを比較して送信元の実態を確認し、なりすましを防ぐことを目的としています。

送信ドメインを認証するシステムは複数ありますが、よく利用されているのがSPFレコードです。SPFレコードを使うと、サイバー攻撃やウイルスからサーバーを守れます。また、本来受信する必要のあるメールと迷惑メールが混ざらず、煩雑な状態になるのを防げます。

SPFの概要については以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

SPF認証が必要な理由と設定方法

SPFレコードの仕組み

まず、送信元のSPFレコードをDNSサーバーに登録します。SPFレコードはDNSのTXTレコードとして設定され、受信メールサーバーは送信メールのヘッダー情報をもとに、送信元ドメインのDNSを参照します。

ここで、SPFレコードに記載されたIPアドレスやドメイン名が一致すれば、正しい送信者として認められ、一致しなければなりすましと判断される仕組みです。

DKIMとの違い

電子メールのセキュリティ対策には、SPFの他にもDKIM(DomainKeys Identified Mail)があります。どちらも、なりすましメールやスパムメールを防ぐために使用されますが認証方法や目的などに違いがあります。

認証方法

  • SPF:送信元のIPアドレスを確認することでメールの信頼性を判断します。
  • DKIM:メールの内容にデジタル署名を追加し、その署名の検証によってメールの信頼性を判断します。

目的

  • SPF:送信元IPアドレスの偽装を防ぎます。送信者の身元確認に重点を置いています。
  • DKIM:メールの内容が改ざんされていないことを保証します。送信中にメールが変更されていないことの確認に重点を置いています。

その他、DKIMについては以下の記事で詳しく解説していますので併せてご確認ください。

【図解】初めてでも腹落ち!DKIMの仕組みと設定方法
DKIMの確認方法をわかりやすく解説!初心者でもわかるDKIMの仕組みとSPF・DMARCとの違い

SPFレコードの構成要素

SPFレコードは、メール送信元の信頼性を確認するために使用されるDNSレコードです。SPFレコードの正しい設定は、なりすましやスパムメールの防止に役立ちます。

SPFレコードは複数の要素から構成されています。具体的には「バージョン番号」「機構」「限定子」「修飾子」とがあり、それぞれの組み合わせでメールの定義づけができるほか、応用すると別の機能を加えることも可能です。

バージョン番号

バージョン番号から始まるのが、SPFレコードの特徴です。

バージョン番号は「v=spf1」と指定します。バージョン番号は1のみであり、spf2やspf1.0と記すことはありません。1以外の番号で書かれたものは不正となります。

バージョン番号はSPFの仕様を示し、他の要素と区別するために重要です。

機構(mechanism)

機構はさまざまな情報を定義して、送られてきたメールのIPアドレスと照合するものです。以下のようなものが挙げられます。

  • all
    すべてのIPアドレスと適合させます。allより後に書かれた機構は無視されるため、通常は一番最後に置かれます。一致しないアドレスは定義されたデフォルトの結果(Pass、Fail、SoftFail、Neutral)が適用されます。
  • a
    指定されたドメインのAレコードに含まれるIPアドレスを照合します。送信元のIPアドレスがAレコードに含まれるIPアドレスと一致すれば許可され、一致しなかった場合の処理を限定子によって定義します。
  • include
    別のドメインを指定し、そのドメインのSPFレコードを参照します。includeで指定されたドメインがSPFレコードで認証された場合、メールを認証します。includeを使用すると、複数のドメインの認証条件を組み合わせることができます。
  • ip4
    送信元のIPアドレスが指定したipv4アドレスに含まれている、もしくは一致する場合は許可されます。
  • ip6
    送信元のIPアドレスが指定したipv6アドレスに含まれている、もしくは一致する場合は許可されます。
  • mx
    指定されたドメインのMXレコードに含まれるIPアドレスと送信元のIPアドレスを比較し、一致する場合に許可します。これにより、指定されたドメインのメールサーバーからのメールが許可されます。
  • ptr
    送信元のIPアドレスからドメイン名を逆引きするPTRレコードを使用します。このPTRレコードに基づいて、指定されたドメインのAレコードを照合します。ただし、PTRは信頼性が低いため、一般的には使用が推奨されていません。
MXレコードとは?役割と仕組み、確認方法を徹底解説
PTRレコードとは?DNSとの関係性や役割、確認方法を解説

限定子

照合する処理のルールを決めるシステムとして、限定子があります。正規のIPアドレスと送信者のIPアドレスを照らし合わせ、一致した場合、以下の処理を施します。

  • +
    Passの結果となります。送信元のIPアドレスが指定された条件と一致した場合、認証が成功し、メールを受け取れます。この限定子は省略可能であり、省略された場合のデフォルト値です。

  • 認証の失敗を意味するFailです。送信元のIPアドレスが指定された条件と一致しなかった場合、認証が失敗し、メールは拒否されます。認証に失敗したメールは不正メールと見なされ、受信者に届きません。
  • ~
    SoftFailの結果となります。メールボックスにメールは受信するものの、認証成功とまでは言えず、迷惑メールとして取り扱われます。正しい送信元のメールであっても、SoftFail扱いされる可能性もあるため、注意が必要です。
  • ?
    ?はNeutralの結果となり、認証の成功とも失敗ともなりません。アクションは実行されず、メールはそのまま受信されます。

修飾子

修飾子はSPFレコードに追加の情報や動作を指定するための要素です。=で区切られた値か、もしくは名前のペアを用いて詳しい情報を示します。レコードの文末に記述し、最大2つまで書けることが特徴です。

SPFレコード内の修飾子に特定の数の制限はありませんが、レコード全体の長さに制限があるため、適切に管理することが重要です。

  • redirect
    他のドメインのSPFレコードを参照する際に使用します。2つ以上のドメインで同じSPFレコードを利用するときは、redirect修飾子を使って任せます。redirect修飾子を使用する場合、参照先のドメインが有効なSPFレコードを持っていることを確認する必要があります。
  • exp
    Fail限定子が含まれる場合、エラーを詳細に説明するために利用されるのがexp修飾子です。SPFログに記録され、問い合わせの失敗時にエラーメッセージを表示します。exp修飾子を使用する場合、指定されたURLが正しく設定されていることを確認する必要があります。

SPFレコードの書き方

SPFレコードを構成する要素を学んだところで、続いては書き方について見ていきましょう。SPFレコードの基本的な書き方から、用途別の書き方まで紹介します。

SPFレコードの基本的な書き方

SPFレコードの基本的な書き方は、以下のようになります。

ドメイン IN TXT “【バージョン番号】【限定子】【機構】【IPアドレス】”

例えば、以下のような記述になります。

example.jp IN TXT "v=spf1 +ip4:192.0.2.1 -all"

この例では、example.jpというドメインからのIPアドレス192.0.2.1のメールのみを受信するというレコードです。それ以外のメールはすべて受信拒否となります。

FQDN(ホスト+ドメイン名)での書き方

example.jp IN TXT "v=spf1 a:www.example.jp -all"

v=spf1の後に続くIPアドレスを、FQDN(ホスト+ドメイン名)に変えると、指定されたホストのAレコードに基づいて受信設定を行うことができます。この例では、www.example.jpのAレコードに含まれるIPアドレスからのメールのみを受信します。

ネットワーク指定での書き方

example.jp IN TXT "v=spf1 ip4:192.0.2.0/24 -all"

CIDR(Classless Inter-Domain Routing)方式を用いて、ホストが所属するネットワークを指定する方法です。この例では、192.0.2.0から192.0.2.255までのIPアドレスからのメールを受信します。

サブドメインへの個別指定での書き方

sub.example.jp IN TXT "v=spf1 +ip4:192.0.2.1 -all"

メインのドメインにSPFレコードで指定をして受信設定を行っても、サブドメインには適用されません。サブドメインに対して個別にSPFレコードを設定する必要があります。この例では、sub.example.jpからのIPアドレス192.0.2.1のメールのみを受信します。

メールを送信しない場合の書き方

example.jp IN TXT "v=spf1 -all"

メールを送信しないドメインの場合、このように設定します。例えば、ホームページ専用のドメインや受信専用のドメインに対して設定することで、不正なメール送信を防ぐことができます。

複数のSPFレコードを登録する書き方

example.jp IN TXT "v=spf1 include:yyyy.com include:zzz.com -all"

1つのドメインに対して複数のSPFレコードを書く場合、、全ての条件を1つのレコードにまとめて記載します。並べて一行のレコードにする・各レコードを別々のレコードとして記載する手法で登録すると、正常に動作しません。

この例では、yyyy.comおよびzzz.comのSPFレコードも含めて認証を行い、それ以外のメールはすべて拒否します。

よくあるSPFレコードの間違った書き方

間違った文法でSPFレコードを書くと、無効となり機能しません。正しい文法でSPFレコードを書いて、メールを定義どおり受信できるようにしましょう。

なお、書いたSPFレコードが正しいかどうかの確認方法もいくつかあります。オンラインツールにドメインを入力して確認する方法や、送信したメールのヘッダを確認してもらう方法、コマンドラインを使っての確認も可能です。

バージョンが間違っている

バージョンは「v=spf1」が正しい形式です。「v=spf2.0」といったバージョンは存在せず、誤りです。「1.0や2」など、誤ったバージョン番号を使用すると、SPFレコードは無効になるため、注意が必要です。

機構が省略されている

機構を省略していると、正しく機能しません。例えば、FQDN(完全修飾ドメイン名)を使用する場合、「a:」の後にドメイン名を省略せずに記載する必要があります。

ip4、ip6、mxなど、他の機構も省略せずに正確に記載する必要があります。

1つのドメインに対しSPFレコードが複数行存在している

1つのドメインには、同じバージョンのレコードを1つだけ設定できます。複数のSPFレコードを同じドメインに設定すると、応答が不安定になり、エラーが発生する可能性があります。

複数の条件を1つのSPFレコードにまとめて記載することで、正確に機能させることができます。

タイプミスしている

シンプルにタイプミスをしてしまっている可能性もあります。機能しない場合はどこかタイプミスをしていないかチェックしてみましょう。

勘違いからスペルミスをしているときも、同じようにエラーとなります。例えば「=」と「:」の勘違いはよくあるミスです。

なかにはレコードの作成時に使ったツールが「~」を文字化けさせるといったケースもあります。

必要な空白文字が抜けている

SPFレコードを書くにあたって、スペース(空白文字)は必要不可欠です。スペースが入ることでそこが区切りとなり、システムが機能します。

スペースが入らずに文字列が続いていたり、二重引用符で区切られてスペースがないものとされていたりすると、エラーになります。前の文字列の後ろ、または後ろの文字列の前には必ずスペースを入れましょう。

redirectやincludeの先がない

redirectやincludeをを使用しても、参照先が存在しない場合、SPFレコードは無効となります。書いていた当初は存在していたドメインでも、その後参照先が変わって不通となった場合は、エラーとなり使えないレコードになります。

そのため、定期的に参照先の有効性を確認することが重要です。

redirectやincludeがループしている

redirectやincludeに同じドメインを書くと、延々とお互いを参照してしまいそれ以上進まないケースがあります。これにより、認証が完了せずエラーが発生します。

includeの参照回数が10回を超えると、自動的にエラーとなります。特にincludeの使用時には、参照回数が10回を超えないように注意しましょう。

SPFが設定できるメール配信システムの活用

本記事の冒頭で記載したようにメールのセキュリティは日を追うごとに強化されています。例えば、Gmailでは2024年2月にメール送信者ガイドラインを更新し、以下のような内容が明記されました。

  • 送信メールを認証すること
  • 未承諾のメールまたは迷惑メールを送信しないこと
  • 受信者がメールの配信登録を容易に解除できるようにすること

つまり、送信元の正当性を正しく認証した上で、ユーザーが迷惑がらないようにメールを送信することがメール送信者には求められています。このあガイドラインの要件を満たせていないメールは迷惑メールに割り振られてしまったり、受信を拒否されることがあります。

その中でも、「送信メールを認証すること」は今後もメール関連のセキュリティが強化されていくことが想定できるため必須と言えるでしょう。

そのため、メール配信システムを活用してメール配信を行う場合は、「SPFやDKIMが設定できる」などのメール認証ができるシステムを選ぶようにしましょう。

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まとめ

SPFレコードでメールを定義し分類することは、なりすましによる詐欺やウイルスの被害を防ぐことにつながります。またメールが迷惑メールフォルダに振り分けられ、正しく受信できないといったトラブルも抑えられるでしょう。

なりすましによる詐欺に引っかかると、個人情報をはじめとした重要な情報が漏れるかもしれません。またメールを正しく受信ができていないと、信用問題に関わることもありえるでしょう。

このような問題を防ぐために、SPFレコードでドメインごとに定義づけを行い、受信の精度を高めることが重要です。その際には正しい文法で書き、正確に分類されるかの確認も忘れずに行います。メールセキュリティを強化して、なりすまし対策を万全にし、無用な心配がないように運用しましょう。

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