迷惑メールに入ってしまう!11個の原因と対策方法
取引先への重要なメールや、顧客に対するダイレクトメールなど、確実に届けたいメッセージが相手に届かずに困った経験はないでしょうか。相手に届いていない状態が続いているのであれば、送ったメッセージが迷惑メールに入ってしまっているかもしれません。
迷惑メールに入るのは、ガイドラインの違反やドメイン認証に不備があるなど、さまざまな原因が考えられます。迷惑メールに振り分けられないようにするためには、原因別の対策が必要です。
この記事では、迷惑メールの扱いになる原因とその対策を解説します。まずは、原因を突き止めてから、必要な対策を講じていきましょう。
迷惑メールに入ってしまう11個の原因と対策
近年、迷惑メールは巧妙になっており、受信側は届くメッセージに敏感です。送受信時に大量配信をブロックしたり、認証を必須にしたりとあらゆる対策が取られています。送信側はメッセージが正当であること、閲覧しても良いものであることを受信側に認識してもらう必要があるのです。
送信したメッセージやメルマガが迷惑メール扱いになる原因は幅広く、対策を講じるには原因を特定した上で適切な対処を行わなければなりません。まずは、原因になり得るケースには何があるのかを確認し、それぞれの対策を把握しておきましょう。
送信元IPアドレスの信頼性が低い
メールを送る際に、送信元IPアドレスの信頼性が低いと、迷惑メールとして扱われる可能性が高くなります。
IPアドレスとは、ネットワークにつながっているスマホやPCといったデバイスに対して、それぞれ割り当てられる番号です。メール送受信のほか、インターネットでホームページを閲覧するときなど、データの送信元あるいは送信先の識別にはIPアドレスが必要になります。いわばインターネット上における住所のようなものといえるでしょう。
IPアドレスの信頼性を示すスコアが「IPレピュテーション」です。IPレピュテーションスコアは、インターネットサービスプロバイダーや、Return Path社やCisco社が提供する評価サービスなどがそれぞれ異なる基準にて評価を行っています。送信元の信頼性や健全性、評判をスコア化し、数値によってはメール配信に制限を設けます。
評価の具体的な基準は、以下のようなものがあります。
- スパム活動やセキュリティ違反をしていないか
- 存在しないアドレスへの送信を行っていないか
- ブラックリストに登録されていないか
- 運用しているサイトが悪質ではないか など
IPレピュテーションが低いと迷惑メールに入りやすくなったり、受信拒否の対象になったりと、結果的にメッセージの到達率も下がってしまいます。迷惑メールとして扱われないためにも、スコアの低下を回避できるように管理を徹底することが大切です。
対策についても確認しておきましょう。「有害なメールとして報告されないようにする」「送信元のドメインを管理する」「スパムトラップに注意する」などが挙げられます。
IPレピュテーションの管理に関しては、自社で行なうとエンジニアや担当者の手間もかかり大きな負担となってしまいます。
IPレピュテーション管理・ブラックリスト対応などオールインワンの配信システムであるブラストエンジン(blastengine)などの専用サービスを活用するのが望ましいです。
また、IPレピュテーションの確認も忘れずに行いましょう。GoogleがGmail上で提供している「Postmaster Tools」や、McAfee社の「TrustedSource」といった外部サービスの利用もおすすめです。
送信ドメイン認証がされていない
迷惑メールだと判定されないためにも、送信ドメインの認証をして受信側へ身元を明確に示す必要があります。送信ドメイン認証によって、送られてきたメッセージが正規のものであるか、送信元情報が明らかになるのです。
代表的な送信ドメイン認証としては、「SPF認証」と「DKIM認証」の2つが挙げられます。それぞれの特徴と仕組みを確認しておきましょう。
SPF(Sender Policy Framework)
SPFは、DNSに登録されたレコードを利用してメール送信サーバーを認証する仕組みです。
送信側が、利用するDNSサーバーに前もってIPアドレスを登録すると、それが「SPFレコード」として保管されます。その後、受信側が送信元のDNSサーバーに対してSPFレコードを問い合わせ、受信メールのIPアドレスと一致するかを確認し、一致すればそのまま受信しますが、一致しなかった場合は受信拒否になります。
SPFに関しては以下の記事で詳しく 解説していますので併せてご覧ください。
DKIM(DomainKeys Identified Mail)
DKIMはメールの電子署名情報から認証を行う技術です。
送信側はメールを送る前にDNSサーバーに公開鍵を登録し、メールには電子署名情報を設定します。その後、受信側は送信側のDNSサーバーに公開鍵の情報について問い合わせをし、メールの電子署名を公開鍵で検証する流れです。一致すれば受信でき、一致しなければ受信拒否となります。
DKIMに関しては以下の記事で詳しく 解説していますので併せてご覧ください。
ブラックリストに入っている
送信元のドメインやIPアドレスがブラックリストに登録されていると、受信拒否されたりエラーメールが返ってきたり、そもそもメールが届かなかったりします。
ブラックリストの代表的なものとしては、大手のプロバイダや携帯キャリアが独自に作成しているものや、送信元の信頼性を登録・共有できる「Spamhaus(スパムハウス)」や「SpamCop(スパムコップ)」などのWebサービスによって作成されたものがあります。
自社のドメインやIPアドレスがブラックリストしていると疑われる場合は、まずは前述のようなブラックリスト共有サービスにて、自社の情報が登録されているか確認します。もしブラックリストに入っている場合は、登録されている各サービスへと早急に解除申請を行いましょう。
ブラックリストに関しては以下の記事で詳しく 解説していますので併せてご覧ください。
許諾を得ずに送付して迷惑メール報告を受けている
Gmailなどのメールサービスでは、ユーザーから届いた報告をもとにして迷惑メールの判定を行う場合もあります。
例えば、許諾を得ないまま配信して、多くのユーザーから迷惑メールの報告が行われると、その他のユーザーに送信しても自動的に迷惑メールとして判定される可能性があるのです。
このような場合では、ユーザーがメッセージを受け取ることについて意思表示した「オプトイン」になっている相手にだけ配信できるようにするなど工夫が必要です。
送信者向けガイドラインに違反している
Yahoo!メールやGmail、Outlookなどのメールサービスを利用して配信している場合、運営側のガイドラインに違反していて受信側にメッセージが届かないことがあります。
ガイドラインには「不自然に単語を繰り返していないか」「禁止ワードがないか」「大量のリンクを添付していないか」などの規定があります。相手にメッセージが届かない時は、公開されているガイドラインを確認し、違反項目に当てはまるものがないかチェックしましょう。
2023年10月、Gmailのメール送信者ガイドラインがアップデートされました。
https://support.google.com/mail/answer/81126
このガイドラインでは2024年2月以降、Gmailアカウントに1日あたり5,000件を超えるメールを送信する送信者は、送信ドメインにSPFレコード・DKIM署名・DMARCメール認証の設定が必要などの記載があります。
送信したGmailが届かないとお悩みの場合は以下の記事を参考にしてください。
本文や件名のない空メールを配信している
親しい人に送るメールでは、件名または本文にだけ内容を書くというケースもあるかもしれませんが、メールマーケティングにおいてはそのような「要素が空白」となっているメールは避けましょう。本文・件名のどちらかを抜いてしまっても、迷惑メールと判断されるケースがあるためです。
配信するメッセージには、本文・件名は必ず記載しましょう。
迷惑メールで頻繁に使われる言葉や単語を含んでいる
迷惑メールに記載されている言葉や単語には特徴があり、それらのワードを多く含むメッセージは迷惑メールに振り分けられやすいため注意が必要です。また、ワードの他にも記号の羅列や不快になる言葉のニュアンス、過度に煽るような文章も避けましょう。
具体的に気を付けるべき言葉や記号、表現は以下の通りです。
- 感嘆符「!」の多用
- 「今だけ!!」「無料で稼げる!」など、過度に煽るような言葉を記載する
- アダルト系やギャンブルに関するワード
- 大げさなフォントサイズや文字の色付け
- 飾り罫線で文を装飾している
- 「ああ」「おお」「はい/いいえ」などの感嘆詞が連続している
上記のような文章や記号、表現がメッセージや件名に記載されていると、迷惑メールの判定を受けやすいため、配信する前は必ず内容を確認しておきましょう。
「なりすましメール」と認識されている
送信元ドメインを偽って、実際の送信元とは違うIPアドレスから送られるものがなりすましメールです。なりすましメールであると判断された場合、受信拒否されてしまう恐れがあります。また、特に問題ないメールの送受信ができなくなったり、逆になりすましメールの攻撃を受けたりといったリスクもあるため注意が必要です。
なりすましメールは、送信ドメインの認証を行うことで対策できます。送信ドメイン認証は先に述べたように、「SPF認証」と「DKIM認証」でドメインが正当なものだということを示す技術です。危険性のないアドレスであることを明らかにするためにも、送信ドメインの認証を行うようにしましょう。
スパム配信者が同じ送信サーバーを使っている
スパムを配信している業者と同一のメール送信サーバーを利用している場合でも、迷惑メールに入ってしまう恐れがあります。迷惑メール扱いされるリスクを減らすためにもスパム配信者と同一のサーバーは使わないようにしましょう。
メール配信システムのサービスに依頼するなどして、良好な配信環境を整備することが大切です。
また、無料のメール配信システムを利用するとこのようなリスクは高まります。セキュリティ面を考慮し、有料かつ導入実績の多く信頼ができるメール配信システムを利用することをおすすめします。
送信ペースが管理できていない
メールを送信するペースが速いと、迷惑メールの扱いを受けることがあります。これは迷惑メールの対策で、プロバイダや携帯キャリアが一定時間内に受け取れるメールの量を制限しているためです。送信ペースがこの制限を大きく超えてしまうと、スパムとして扱われてしまい受信拒否になってしまう恐れがあります。
受信できるメールの量は、各ISPが「IPスロットリング」によって制限していますが、これは時間経過によって解除されます。時間がたてば再びメールを送れるようにはなりますが、制限を受けないように少しずつ送る工夫も大切です。
また、プロバイダやキャリアによって送信すべきペースは異なります。メールの到達率を上げるためには、送信先にあわせてメール配信のスピードを変更するなどの高い技術力が必要となります。
無効なメールアドレスへの配信率が高い
無効なメールアドレスに対して多くのメールを送り続けていると、スパム扱いとなりブラックリストに入ってしまうリスクが高まります。配信したメールが長期間開けられていない場合などは、無効なアドレスに送ってしまっている可能性があるため注意しましょう。
対策としては開封率をこまめに確認し、無効になっているアドレスに対しての配信を抑えるようにすることです。具体的には以下で紹介するようなメール配信システムを利用すると良いでしょう。
迷惑メール対策におすすめのメール配信システム
SMTPやAPIなどでシステム連携をしてメール配信をする場合はブラストエンジンを利用するのがおすすめです。メール配信に問題が生じた際に、「いつ、どのメールアドレスで、どのような原因のエラーが起きたのか」をすぐに確認できるため、再配信などの対応が迅速に可能となります。
メルマガなどの一斉送信を行う場合は、ブラストメールなどのメール配信システムを利用すれば、配信エラーとなる無効なメールアドレスを自動的に除外して配信を行うことが可能です。大量のメールをクリーンに送信するのであれば、メール配信システムの利用は欠かせません。
API連携・SMTPリレーサービス「ブラストエンジン(blastengine)」の活用
ブラストエンジンは、SMTPリレーサーバーを使用して、簡単に大量のメールを高速配信することが可能です。さらに、メールサーバーを必要とせず、API経由でメールを送信する仕組みも提供しています。
ブラストエンジンは、サーバーの運用やメンテナンスを行っているため、常に高いIPレピュテーションを維持しながら、安全にメールを送ることができます。
以下のような課題がある場合は、ブラストエンジンの利用を検討してみることをおすすめします。
- 自社のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されていて、メールが届かない場合
- 国内キャリアにメールが届かず、対応方法がわからない場合
- 自社でメールサーバーを管理・運用したくない場合
また、ブラストエンジンは各メールプロバイダーや携帯キャリアのドメインに最適化されており、大規模なネットワークを経由してメール配信を行うことで、日本国内での到達率を圧倒的に高めています。
利用料金は月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れており、メールだけでなく、日本語での電話サポートにも対応しています。
メールアドレスの入力のみで無料トライアルが可能ですので、まずは気軽にお試しください。
シェア1位のメール配信システム「ブラストメール」の活用
ブラストメールは、13年連続で顧客導入シェア1位を獲得している信頼性の高いメール配信システムです。ブラストエンジンとは異なり、メルマガなどのメール一斉送信に利用することができます。
このメール配信システムの特徴は、使いやすさとコストパフォーマンスの高さです。さまざまな業種や官公庁でも利用されており、定番のメール配信システムとして広く知られています。
迷惑メール対策機能はもちろん、セグメント配信や効果測定、HTMLメールエディタなど、基本的な機能がすべて揃っています。最も安いプランでも、月額4,000円以下で導入することができます。
シンプルで安価なため、初めてメール配信システムを利用してみたい方にもおすすめです。無料トライアルも用意されているので、まずは試してみることをお勧めします。
まとめ
迷惑メールと判定されてしまう原因や対策を解説しました。この他にも添付ファイルを控えることや、メルマガの停止方法を載せるといった対策も有効です。
迷惑メールに入ってしまう要因はさまざまですが、複数の理由が原因になっているケースも少なくありません。対処に困った時は、上記で述べた原因・対策を確認し、適切な対応を行うようにしましょう。