メール送信時の最適なメールサイズとは?現実的な容量目安・送信エラーを防ぐ方法と対策

現代のビジネスにおいて、メールは欠かせないコミュニケーション手段ですが、意外と見落としがちなのが「メールサイズ」の問題です。普段何気なく送信しているメールも本文の内容だけでなく添付ファイルやヘッダー情報など、さまざまな要素で構成されており、その合計が「メールサイズ」として表されます。
メールサイズが大きすぎると、送信エラーや遅延、サーバーの負荷増加、さらには迷惑メール認定など、思わぬトラブルを招く恐れがあります。特にビジネスシーンでは、やり取りのスピードや確実性が求められるため、容量超過による送信失敗は大きなリスクと言えるでしょう。例えば、大切なプレゼン資料を送ったつもりが容量オーバーで届かず、商談がスムーズに進まない…そんな事態は避けたいものです。
本記事では、メールサイズの基礎から、各サービスごとの容量上限、トラブルを避けるための容量の目安や、メールサイズを抑える具体的な方法までを詳しく解説します。さらに、クラウドストレージの活用やファイル転送サービスなど、容量制限をクリアする現代的なソリューションも紹介。メールを使った業務をより快適に、そして確実に進めるために、ぜひ参考にしてください。

メールサイズとは
メールサイズとは、メール全体のデータ量の大きさを指します。影響する要素は主に以下の通りです。
- 本文
- ヘッダー(受信者、送信者、件名など)
- 添付ファイル(画像やPDFなど)
メールサイズが大きすぎると、送信や受信で遅延やエラーが発生する原因になることがあります。特に添付ファイルを送る際は注意が必要です。動画やページ数の多いドキュメント、高画質の画像などを送りたい場合は、後述する方法でサイズを抑える工夫をすると良いでしょう。
【注意】送信時のメールサイズは約1.3〜1.5倍になる
メールは送信時にデータが変換されるため、作成時よりもサイズが増えることがあります。そのため、送信前にサイズを確認していても、いざ送信すると上限を超えてしまうケースもあるのです。
多くのメールサービスでは送信時にメールを独自の形式でエンコードするため、容量が約1.3〜1.5倍ほど膨らむといわれています。サービスごとに送信可能な上限が設定されているので、ぎりぎりのサイズで送らないように注意しましょう。
サービス別メールサイズ上限
メールのサイズ上限は、使うサービスによって異なります。主なサービスの上限は以下の通りです。
サービス名 | 送信時のサイズ上限 |
---|---|
Gmail | 25MB(添付ファイルのサイズ) |
Outlook | 20MB |
iCloud Mail | 20MB |
Yahoo!メール | 25MB |
ドコモメール | 約10MB |
auメール | 約3MB |
SoftBankメール | 約2MB |
携帯キャリアのメールは比較的小さいサイズしか送れない傾向があります。例えば、Gmailでは添付ファイルが25MBを超える場合、自動的にGoogleドライブにファイルがアップロードされ、メールにはドライブへのリンクが添付されます。これによりクラウド経由で大きなファイルを共有できる仕組みです。また、Gmailは独自のエンコード形式を使うため、実際に添付できるファイルのサイズは「5MB程度が安全」という意見もあります。
Outlookを使う場合、アカウントがMicrosoft Exchangeと連携しているかどうかで上限が変わる点も注意が必要です。Microsoft Exchangeとは、Microsoftが提供する法人向けサービスで、Exchangeアカウントの場合、送信サイズの上限は10MBになることがあります。
iCloud Mailでは、添付を含むメールサイズが20MBを超えると「Mail Drop」の利用が推奨されています。Mail Dropとは、Appleが提供するファイル共有機能で、最大5GBまでのファイルをiCloud経由で送れる便利なサービスです。
添付ファイルの容量目安は?
メール全体のサイズは、1MB〜3MB程度に抑えるのが無難です。これは送信側が容量の上限内であっても、受信側にもそれぞれ容量制限があるためです。
また、大きなメールを送ると、相手のメールボックスを圧迫してしまう恐れもあります。技術的なトラブルを避けるだけでなく相手への配慮という意味でも、メールサイズはできるだけコンパクトに保つことをおすすめします。
メールサイズの確認方法
メールの正確な総容量を事前に把握するのは、実際には難しいのが現実です。先述の通り、送信時にデータがエンコードされることで容量が増えるため、作成段階では正確なサイズを把握しきれないのです。ただし、メール全体の容量の多くを占めるのは添付ファイルです。そのため、以下のような方法でトラブルを未然に防ぐことが可能です。
- 添付ファイルのサイズをあらかじめ確認する
- 利用するサービスの容量上限を考慮し、余裕を持ったサイズに抑える
こうした対策を取ることで、送信エラーや遅延などのリスクを減らすことができます。
メールサイズが容量制限より大きい場合
送信するメールのサイズが容量の上限を超えてしまうと、さまざまなトラブルにつながる恐れがあります。以下は、その一例です。
送信できない場合がある
サイズの大きいメールを送受信するとサーバーに大きな負荷がかかります。メールサーバーは短時間に負荷が集中すると、最悪の場合サーバーそのものがダウンしてしまうこともあります。結果として、ユーザー全員がメールサービスを利用できなくなるという深刻な事態を引き起こしかねません。
このようなリスクを回避するため、サイズ上限を超えたメールは送信をストップする仕組みが導入されている場合があります。
送信に時間がかかる
前述のように送信停止の処置が取られない場合でも、サーバーに負荷がかかることには変わりません。そのため、送信時にデータ処理や変換に時間がかかり、結果としてメールの送受信に遅延が生じることがあります。
また、受信側でも通信環境によってはダウンロードに時間がかかることがあります。特にビジネスの場面では、連絡の遅れが業務そのものに影響を及ぼす恐れもあります。
受信者がメールを確認しづらい
送受信自体は無事に完了したとしても、受信したメールの読み込み処理が複雑になることで、内容を確認しにくくなるケースがあります。受信者がモバイル回線を利用している場合、メールのサイズが大きいほど開封時に消費する通信量も増えてしまいます。以下のような負担が考えられます。
- 大容量データのダウンロードに時間がかかる
- 通信容量を圧迫する
- メールの表示が遅くなる
このように、受信者側に余計な負担をかけることで、メールの開封率が下がる可能性もあります。
迷惑メール判定を受ける場合がある
サイズが大きすぎるメールは単に送受信に支障をきたすだけでなく、スパムメールと誤認されるリスクもあります。多くのメールサービスは迷惑メールを自動的に判定し、迷惑メールフォルダへ振り分ける仕組みを備えています。
例えば、装飾が多いHTMLメールや画像が多く添付されているメールは悪質なメールとみなされやすい傾向があります。また、送信するメールが頻繁に迷惑メールフォルダへ振り分けられてしまうと、送信元のアドレスの信用度が下がる原因になります。
信用度が下がり一度でもスパムアドレスと認定されてしまうと、解除には時間と手間がかかるため注意が必要です。
メールサイズを抑える方法
ここでは特に添付ファイルの容量削減に焦点を当て、メールサイズを抑えるための具体的な方法をご紹介します。
分割送信する
ひとつの大きなファイルを複数に分割し、それぞれ別々に送信する方法です。こうすることで、一度の送信にかかる負担を軽減できます。受信者側でファイルを結合してもらえば、元通りのファイルを再現することが可能です。ただし、この方法にはいくつか注意点もあります。
- 複数のメールを送るため、相手のメールボックスを圧迫してしまう
- 受信者にファイル結合の手間をかけてしまう
- ウイルスが潜んでいた場合、分割ファイルごとに感染リスクがある
特にウイルスの件は要注意です。万が一ファイル内にウイルスが含まれていた場合、分割することでウイルスチェックをすり抜けてしまうこともあり、そのまま侵入してしまう恐れがあります。
添付ファイルを圧縮する
添付ファイルを圧縮すれば容量を減らすことが可能です。ファイル圧縮とは、文字通りファイルのデータサイズを小さくする技術のことで送信者が圧縮し、受信者が「解凍」することで元の状態に戻せます。圧縮することでサーバーへの負荷を軽減できるのがメリットです。
圧縮にはさまざまな形式がありますが、最も一般的なのはZIP形式です。ファスナーが付いたフォルダのアイコンを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。ZIP形式の圧縮・解凍はWindows、Mac、スマートフォンいずれでも簡単に行えます。ただし、ビジネスシーンではZIPファイルの送信はあまり推奨されません。理由は次の通りです。
- 簡単に解凍できるため、漏えいした際に中身を誰でも見られてしまう
- パスワード付きZIPも、パスワード自体が漏えいする可能性がある
こうした背景から、企業によってはZIPファイルの送受信を禁止しているところもあります。現代では必ずしも適した方法とはいえないでしょう。
クラウドストレージを利用する
クラウドストレージの活用も、大容量ファイル送信の有効な手段です。クラウドサービスにファイルをアップロードし、共有リンクをメールで送ることで、添付ファイルによる容量制限を回避できます。現在では多くの企業がクラウドサービスを提供しているので、自分の使い方や環境に合うものを選ぶと良いでしょう。例えば、以下のような著名なサービスがあります。
サービス名 | 提供企業 | 容量 | 月額料金 | 無料時容量 |
---|---|---|---|---|
Googleドライブ | 100GB〜2TB | 2,500円〜13,000円/年 | 15GB | |
OneDrive | Microsoft | 100GB〜6TB | 2,440円〜27,400円/年 | 5GB |
iCloud | Apple | 50GB〜12TB | 150円〜9,000円/月 | 5GB |
Dropbox | Dropbox | 2TB〜15TB | 1,200円〜2,400円/月 | 2GB |
クラウド利用の注意点
- GoogleドライブはGoogleアカウントと連携し、他サービス(Googleフォト、ドキュメントなど)と容量を共有するため、容量管理には注意が必要
- OneDriveはMicrosoft Office系ソフトと連携しやすく、業務利用に便利
- iCloudはApple製品ユーザーに最適で、端末間のデータ共有がスムーズ
- Dropboxは大容量かつ多機能で、チーム利用に向いている
Dropboxでは、ZoomやOffice、Teamsなど他社ツールと連携できる点も魅力です。業務を一元管理しやすく、DX推進にもつながるでしょう。
ファイル転送サービスを利用する
ファイル転送サービスという選択肢もあります。これは、インターネット経由で大容量ファイルを送受信できるサービスのことです。送信者がファイルをアップロードし、受信者に専用URLを送ることで、メールサーバーに負担をかけずにファイルを共有できます。
無料で使えるサービスも多いですが、ビジネス利用ならセキュリティ対策がしっかりした有料サービスがおすすめです。以下は代表的なサービス例です。
サービス名 | 提供企業 | 容量 | 月額料金 | 無料利用 |
---|---|---|---|---|
GigaFile便 | 株式会社ギガファイル | 300GB | 完全無料 | 可能 |
クリプト便 | NRIセキュアテクノロジーズ株式会社 | 5MB〜20MB | 900円〜1,000円/1ユーザー | トライアルあり |
OKURN | 日本ワムネット株式会社 | 5GB〜50GB | 24,500円〜69,800円 | 法人のみトライアルあり |
例えば、GigaFile便は大容量ファイルを無料で送れるため、個人利用や小規模ビジネスに便利ですが、重要情報を送る際にはセキュリティ面をよく検討する必要があります。
メールが届かない場合はメールリレーサービスを利用する
メールリレーサービスとは大量のメールや重要な通知を送る際に、専門のメール配信サーバーを経由することで安定した配信を実現するサービスです。自社サーバーに比べて強固なインフラやスパム対策の仕組みを持っており、迷惑メール判定のリスクを抑えられるのが大きなメリットです。その他、メールリレーサービスは以下のような点で優れています。
- 高速配信で大量メールも送信遅延を防ぐ
- 独自の配信最適化により迷惑メール認定を回避しやすい
- 各種メールサービスの配信ルールや制限を考慮した送信制御
ただし、メールリレーサービスを利用しても、添付ファイルの容量は1MB程度に抑えるのが現実的です。これは受信側のメールサーバーに設定されている容量制限や、スパム対策によるブロックを避けるためであり、どのサービスを利用しても避けられない課題です。
おすすめのメールリレーサービス「ブラストエンジン」

ブラストエンジンはSMTPリレーサーバーを利用して簡単に大量のメールを高速配信できるクラウドサービスです。サーバーの準備や運用が不要でAPIを使った柔軟なメール送信も可能。さらに、専門チームが運用とメンテナンスを行い、高いIPレピュテーションを維持することで、安心してメールを届けられます。特に以下のような方におすすめです。
- 自社でメールサーバーを構築・運用したくない
- 大量配信に対応できるサービスを探している
- 迷惑メール対策や到達率向上を強化したい
- Exchange Onlineの基本認証廃止に伴うSMTPリレーの代替を検討している
- 国内キャリアや主要プロバイダへのメールが届かず困っている
- IPアドレスやドメインがブラックリストに登録されてしまった
- 配信結果をすぐに把握し、運用を改善したい
blastengineは国内キャリアや主要プロバイダのドメインに最適化されたネットワークを活用し、日本国内での到達率を大幅に向上させています。利用料金は月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れており、メールだけでなく日本語による電話サポートも用意されています。メールアドレスを入力するだけで無料トライアルが始められるので、まずは気軽に試してみてはいかがでしょうか。
Windows ServerでSMTPリレーを検討している方も、blastengineのような外部サービスを併せて比較することで自社に最適な運用方法を見つけられるはずです。インフラ管理の負担を減らしつつ、安心・確実にメールを届けたい方は、ぜひblastengineの導入を検討してみてください。
まとめ
「メールサイズ」は、ビジネスでもプライベートでも重要なポイントであり、見過ごすと大きなトラブルにつながる可能性があります。容量オーバーによる送信エラーや遅延、迷惑メール扱いなど、リスクは決して小さくありません。
しかし、本文や添付ファイルの容量を意識し、クラウドストレージやファイル転送サービスをうまく活用することで、メールサイズの問題は確実に回避できます。
特にビジネスの現場では、相手先に迷惑をかけないためにも、送信するメールのサイズを常にチェックし、適正範囲に収める意識が大切です。今回ご紹介した方法を活用し、安心してスムーズなメール運用を行ってください。
