レンタルサーバーでメール送信する際の注意点とは?送信できないときの対処方法

レンタルサーバーでのメール送信は企業や個人が日常的に行う業務の一部ですが、その際にはいくつかの注意点があります。
レンタルサーバーのメール機能は便利ですが、適切に設定や運用を行わないと送信エラーやメールが届かないといった問題に直面することが少なくありません。特にメール送信数に上限が設けられていることや、ブラックリストに登録されるリスクなど、知らないうちに問題を引き起こす要素がいくつか存在します。
こうした制約の背景には、サーバー側のリソース制限やスパムメール対策が関わっており、レンタルサーバーを利用するユーザーにとって無視できない問題です。本記事では、どういった点に気をつけるとよいか解説するとともにメールが送信できないときの対処方法を紹介します。

目次
レンタルサーバーでメール送信する際の注意点
まずは、レンタルサーバーを利用してメール配信を行う際に、あらかじめ気をつけておきたい2点について解説します。特に後者は、メール配信において大きなリスクにもなるため、十分な注意が必要です。
メール送信数の上限がある
レンタルサーバーによって異なりますが、1時間単位もしくは1日単位でメールを送信できる上限が設定されています。具体例として、Xserverレンタルサーバーには、1時間に1,500通、1日に15,000通という上限設定があります。
個人利用であれば気になる数ではないかもしれません。しかし、企業が顧客に対して多数のメール配信を行うために、レンタルサーバーを利用するなら注意が必要です。いざという時に「重要なメールが送信上限で送れない」といったトラブルに発展しないよう気をつけなければいけません。送信上限を理解したうえで、契約するレンタルサーバーの検討を進めましょう。また、余裕をもってメール配信を行うよう事前に準備しておく必要があります。
ブラックリストに登録されるリスクがある
メールの送受信におけるブラックリストとは、迷惑メールや不正なコンテンツなどを配信する送信元を収集したリストです。ブラックリストに登録されると、メールを送信しても、自動的に拒否されほとんどの宛先に届かなくなってしまいます。
ブラックリストの対象は、基本的に送信元のIPアドレスやドメインとなります。しかし、問題のあるIPを含むネットワークをまとめて評価・判定することも珍しくありません。そのため、複数のユーザーでサーバーを共有するレンタルサーバーを利用する際は、特に注意が必要です。
なぜレンタルサーバーはメール送信に制限があるのか?
なぜ、メール送信に制限が設けられているのか、結論から言うと「スパムメール対策」が大きな理由です。レンタルサーバーの性質上、大きな手間やコストをかけずに利用できる点はスパムメールや迷惑メール業者にとってもメリットとなります。
もし、無制限でメール送信ができる環境であれば、なおのことでしょう。このようなスパム業者やスパム行為が広まるのを防止するため、レンタルサーバーにはメール送信に制限があるのです。
主要なレンタルサーバーのメール送信上限
では、主なレンタルサーバーのメール送信上限はどの程度に設定されているのでしょうか。ここでは、代表的な4社のレンタルサーバーを例に、各サービスのプランと送信上限を以下の表にまとめました。
なお記事執筆時の情報をもとにまとめていますので、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
| サービス | プラン | 送信上限 |
| さくらのレンタルサーバー※1 | ライトスタンダードプレミアム | 15分ごとに100通程度(400通/時間 9,600通/日 換算、ただし15分あたり100通程度を超えない範囲) |
| ビジネスビジネスプロ | 15分ごとに250通程度(1,000通/時間 24,000通/日 換算、ただし15分あたり250通程度を超えない範囲) | |
| Xserverレンタルサーバー※2 | すべてのプラン | 1時間あたり1,500通1日あたり15,000通 |
| ロリポップ!レンタルサーバー※3 | エコノミープラン | 1時間あたり100件または24時間あたり1,000件まで |
| ライトプラン | 1時間あたり300件または24時間あたり3,000件まで | |
| スタンダードプラン ハイスピードプランエンタープライズプラン | 1時間あたり 1,000件または24時間あたり10,000件まで | |
| mixhost※4 | すべてのプラン | 1時間あたり100件24時間あたり1,000件まで |
※1 あくまでも目安のため、サーバーの負荷状況により前後する可能性があります。
引用:基本仕様を知りたい(さくらのレンタルサーバ)
※2 迷惑メールなどの配信が行われた際は、上記範囲であっても制限します。
引用:メール仕様一覧 | レンタルサーバーならエックスサーバー
※3 お試し期間中は、全プランともに24時間あたり50件までになります。
引用:禁止事項 – ロリポップ!レンタルサーバー
※4 2023年4月4日以降にご契約のお客様(V4)
メール送信数制限は全てのプランで1日あたり、1,000通(1時間あたりは100通)です。
mixhost公式ヘルプページ:https://help.mixhost.jp/
また、別途MailChannelsによる送信制限が発生することがあります。
引用:リソースの公正使用ポリシー
最新情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。
送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)の設定方法
メールが届かない原因として最も多いのが、送信ドメイン認証の未設定です。GmailやYahoo!メールなど主要なメールサービスは、送信者の正当性を検証するために認証結果を確認しています。未設定のままでは迷惑メールフォルダに振り分けられるだけでなく、受信拒否の対象になることもあります。以下では、代表的な3つの認証技術の設定方法を解説します。
SPFレコードの設定方法
SPF(Sender Policy Framework)は、そのドメインからメールを送信してよいサーバーのIPアドレスを、DNS上に宣言する仕組みです。レコードを設定することで「このドメインから送ってよいサーバー」を受信側に伝えることができます。設定手順は以下の通りです。
- 利用しているレンタルサーバーやメールリレーサービスの「送信IPアドレス」を確認する
- DNS管理画面でTXTレコードを追加する
- 記述例:
v=spf1 include:送信サービスのドメイン ~all
レンタルサーバーによっては管理画面からワンクリックでSPFを有効化できるものもあります。まずは利用しているサービスのヘルプページで確認してみてください。SPFの詳細な書き方や注意点については以下の記事を参考にしてください。
DKIMの設定方法
DKIM(DomainKeys Identified Mail)は、送信メールに電子署名を付与する認証技術です。受信側は公開鍵でその署名を検証し、送信途中でメールが改ざんされていないかを確認できます。設定手順は以下の通りです。
- 利用しているメール配信サービスでDKIM公開鍵を発行する
- 発行された公開鍵をDNSのTXTレコードに登録する
- 配信サービス側でDKIM署名を有効化する
レンタルサーバーによってはDKIM設定に対応していないケースもあります。その場合はメールリレーサービスを経由することでDKIM対応が可能になります。DKIMの仕組みや設定・確認方法については以下の記事で詳しく解説しています。
DMARCの設定方法と推奨ポリシー
DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)は、SPFとDKIMの認証結果を受けて、認証に失敗したメールをどう扱うかを宣言するポリシーです。設定手順は以下の通りです。
- DNS管理画面でTXTレコードを追加する
- レコード名:
_dmarc.ドメイン名 - 記述例:
v=DMARC1; p=none; rua=mailto:レポート受信アドレス
初期段階ではp=none(監視のみ)から始め、レポートを確認しながらp=quarantine→p=rejectと段階的に強化するのが推奨されます。DMARCポリシーの詳細な種類と設定手順については以下の記事をご参照ください。
IPレピュテーションを確認する
送信ドメイン認証について問題がないときは、自社のIPレピュテーションを確認してみましょう。IPレピュテーションとは、IPアドレスのレピュテーション(評判)を基に評価づけを行い、そのIPアドレスの信頼性をスコアリングするものです。
自社のIPレピュテーションが低いと、プロバイダーや各メールサービスから自社のメールについて受信制限が行われたり、ブロックされたりする原因となってしまいます。IPレピュテーションの確認を定期的に行うことや、リストの精査をすることでスコアが高い状態を保つのも重要です。
ブラックリストを確認する
上述した2つの方法を試しても解決しない場合は、送信元のメールアドレスがブラックリストに登録されていないかを確認しましょう。先に述べたように、自社では何の問題がなくても、IPなどの情報を共有している他者がスパムと認定されてしまうと、同時にブラックリスト入りしてしまうこともあります。
ブラックリストに登録されているかどうかを確認するには「MGT.jp」「IPひろば」などのブラックリストチェックツールを利用すると便利です。ツールを利用すれば、代表的なブラックリストのデータベースを複数件まとめて検索できるほか、どのブラックリストに登録されているかが判別できます。
もし、ブラックリストへ登録されていたら、該当するブラックリスト共有サービス宛に解除申請を行いましょう。ただし、登録されているのが「レンタルサーバーのIPアドレス」か「自社のドメイン」かによって対応が変わることがあるため、注意が必要です。前者の場合は利用しているレンタルサーバーに連絡し、レンタルサーバーのサービス側から解除申請を行えますが、後者の場合は必ず自社で解除申請を行う必要があります。
ブラックリスト解除申請の手順
ブラックリストに登録されていることを確認したら、速やかに解除申請を行う必要があります。登録されているのが「レンタルサーバーのIPアドレス」か「自社のドメイン」かによって対応先が異なるため、まず確認してください。
レンタルサーバーのIPアドレスが登録されている場合
共有IPがブラックリスト入りしている場合は、自社側では直接解除できません。利用中のレンタルサーバー事業者のサポートに連絡し、解除申請を依頼するのが正規の手順です。事業者によっては対応に数日かかる場合もあります。
自社のドメインが登録されている場合
自社ドメインがブラックリストに載っている場合は、自社で各ブラックリスト管理団体に解除申請を行う必要があります。代表的な管理団体として以下が挙げられます。
- Spamhaus(https://www.spamhaus.org/lookup/)
- SORBS
- Barracuda Networks
各サービスの申請フォームから申請します。申請時には「スパム送信を行っていないこと」「再発防止策を講じたこと」を説明できるように準備しておくと、審査がスムーズに進みます。Spamhausへの解除申請の具体的な手順については以下の記事が参考になります。
なお、ブラックリスト登録が繰り返される場合は、問題の根本にIPレピュテーションの低下がある可能性が高いです。一時的な解除申請だけでなく、メールリレーサービスへの切り替えを含めた恒久対策の検討をおすすめします。
メール配信は「メールリレーサービス」を利用する
レンタルサーバーでメール送信を行う際、メール送信数の上限やブラックリスト登録のリスクが常に存在します。これらの問題を解決し、より確実にメールを送信するための手段として「メールリレーサービス」の利用が有効です。
メールリレーサービスを使うメリット
メールリレーサービスは、メールを自社サーバーから直接送信するのではなく、中継サーバーを経由して配信する仕組みです。このサービスを活用することで、レンタルサーバーでのメール送信における制限を回避しメール到達率を向上させることができます。特にブラックリストに登録されるリスクを軽減し、スパムとして扱われる確率を大幅に下げる効果が期待できます。
また、メールリレーサービスは大量のメール送信を必要とする企業にとっても有利です。例えば、レンタルサーバーには送信数の上限が設定されていますが、メールリレーサービスを利用することでこの制限を超えてメールを送信することが可能になります。これにより、レンタルサーバーの制限に悩まされることなく安定した大量メール配信が実現できるのです。
さらに、メールリレーサービスはIPレピュテーションを維持するための技術が備わっており、メールがプロバイダーやキャリアのサーバーでスムーズに受信されるように調整されています。特にIPレピュテーションが低い場合はプロバイダーによってメールが拒否されることがありますが、メールリレーサービスを利用することでこのようなリスクも回避できます。
レンタルサーバーとメールリレーサービスを組み合わせる方法
メールリレーサービスの導入は、既存のレンタルサーバー環境を大きく変更せずに実現できます。基本的な構成は以下の通りです。
[送信システム / WordPress / CMS]
↓(SMTP設定を変更)
[メールリレーサービス(blastengineなど)]
↓(高評価IP・認証済みで配信)
[受信者のメールサーバー]
通常、送信システムやWordPressのSMTP設定には「ホスト名(SMTPサーバーアドレス)」「ポート番号」「認証情報」を入力する項目があります。ここにレンタルサーバーのSMTP情報の代わりに、メールリレーサービスの接続情報を入力するだけで切り替えが完了します。
WordPressの場合は「WP Mail SMTP」などのプラグインを使えば、管理画面から直感的に設定変更が可能です。WordPressとblastengineを組み合わせた具体的な設定手順については以下の記事で詳しく解説しています。
レンタルサーバーの受信メール機能はそのまま残しつつ、送信だけをメールリレーサービス経由に切り替えるという構成も可能です。既存の運用フローを最小限の変更で改善できるのが、この方法の大きな利点です。
おすすめのメールリレーサービス「blastengine(ブラストエンジン)」

ブラストエンジンは、SMTPリレーサーバーを使用して、簡単に大量のメールを高速配信することが可能です。さらに、メールサーバーを必要とせず、API経由でメールを送信する仕組みも提供しています。
ブラストエンジンは、サーバーの運用やメンテナンスを行っているため、常に高いIPレピュテーションを維持しながら、安全にメールを送ることができます。
以下のような課題がある場合は、ブラストエンジンの利用を検討してみることをおすすめします。
- 自社のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されていて、メールが届かない場合
- 国内キャリアにメールが届かず、対応方法がわからない場合
- 自社でメールサーバーを管理・運用したくない場合
また、ブラストエンジンは各メールプロバイダーや携帯キャリアのドメインに最適化されており、大規模なネットワークを経由してメール配信を行うことで、日本国内での到達率を圧倒的に高めています。送信ドメイン認証ももちろん対応しています。
利用料金は月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れており、メールだけでなく、日本語での電話サポートにも対応しています。
メールアドレスの入力のみで無料トライアルが可能ですので、まずは気軽にお試しください。
FAQ
- Q:レンタルサーバーのメール送信制限を超えるとどうなりますか?
- A:送信上限を超えると、それ以降のメールは送信できなくなるか、キューに溜まって遅延が発生します。特にXserverでは1日15,000通・1時間1,500通が上限で、超過した場合のメールは送信失敗となります。重要な通知メールや大量配信が必要な場合は、メールリレーサービスの利用が有効です。
- Q:レンタルサーバーでブラックリストに登録されてしまった場合はどうすればよいですか?
- A:まず、MXToolboxやMGT.jpなどのブラックリストチェックツールでどのリストに登録されているかを確認します。「レンタルサーバーのIPアドレス」が登録されている場合はサーバー事業者へ連絡し解除申請を依頼、「自社のドメイン」が登録されている場合は自社で各ブラックリスト管理団体への解除申請が必要です。
- Q:SPF・DKIMを設定するだけでメール到達率は上がりますか?
- A:SPFとDKIMの設定はメール到達率改善の必須条件ですが、それだけで十分とは言えません。IPレピュテーションの維持、送信リストの定期クリーニング、DMARCの設定なども組み合わせることで、より高い到達率を実現できます。また、共有IPのレンタルサーバー環境では他ユーザーの影響を受けるため、根本的な解決にはメールリレーサービスの利用が効果的です。
- Q:blastengineはレンタルサーバーからでも使えますか?
- A:はい、レンタルサーバーのSMTPリレー先としてblastengineを設定することが可能です。既存のシステムやWordPressなどのCMSのSMTP設定を変更するだけで導入でき、レンタルサーバーの送信制限を回避しながら高い到達率を実現できます。設定手順はblastengine公式ドキュメントに詳しく記載されています。
- Q:メールリレーサービスとレンタルサーバーのメール機能はどう使い分けますか?
- A:受信専用・社内メールなど少量の送受信であればレンタルサーバーのメール機能で十分です。一方、メルマガ・注文完了メール・認証メールなど大量送信や確実な到達が求められる用途には、メールリレーサービスを組み合わせるのが適切です。用途に応じて使い分けることで、コストと信頼性のバランスを最適化できます。
まとめ
レンタルサーバーを利用すると、自社でサーバーを構築する必要がなく、コストや手間をかけずに独自ドメインでのメール配信が可能になります。しかし、デメリットも存在します。大量のメール配信を行うには送信数の制限があることや、IPアドレスがブロックされる恐れがあることも理解しておきましょう。
総合的に見て、メールリレーサービスを利用することで、レンタルサーバーを活用したメール送信におけるさまざまなリスクを減らし、より信頼性の高いメール配信が実現できます。特に大量のメール送信が必要なビジネスや、高いメール到達率を維持したい企業には、導入を検討する価値があると言えるでしょう。







