[spam]がメールの件名についてしまう!スパムメールとして判定されるのを防ぐ方法とは?
ビジネスでメールを多く利用していると、自分が送信したメール、または受信したメールの件名に[spam]と記載されていた、ということがある方もいるのではないでしょうか。記載される原因はさまざまですが、何らかの理由で「スパムメール」と判断されたために、このような記載がされます。
スパムメールとして誤判定される理由は様々であり、メールの内容や送信方法に起因することが多いです。現代のメールシステムは、スパムメールを排除するために複雑なフィルタリング技術を使用していますが、その過程で正当なメールが誤ってスパムと認識されることがあります。
今回はメールの件名に[spam]とついてしまう理由や、スパムメールと判断される仕組み、そして送信したメールに[spam]とついてしまうのを防ぐ方法について解説します。
件名に[spam]があるのはスパムメール?
件名に「[spam]」というタグが付いていると、一見してスパムメールだと思われるかもしれません。しかし、件名に[spam]があっても必ずしもすべてがスパムメールであるとは限りません。
多くのメールサーバーやメールクライアントは、スパムの可能性があると判断した場合に自動的に[spam]というタグを付けるように設定されています。このタグは、受信者に対してそのメールがスパムの可能性があることを警告する役割を果たします。
しかし、このタグが付く原因には多くの要素が絡んでおり、必ずしも送信者の意図やメール内容がスパムであることを示すものではありません。したがって、正当なメールが誤ってスパムとして扱われることも珍しくないのです。
スパムメールとは
そもそも「スパムメール」とは、受信者の意向に関わらず、一方的に送られてくるメールをいいます。昔放映されていたコメディ番組で「スパム」を連呼するコントがあり、それが由来となって「スパムメール」と呼ばれるようになったとされています。
通常、広告や詐欺、フィッシングなどの目的で送られることが多く、その内容は多岐にわたります。スパムメールは、受信者の許可なく大量に送信されるため、迷惑メールとも呼ばれます。
スパムメールは、場合によっては詐欺被害や個人情報の流出といったリスクを伴います。そのため、多くのメールサービスプロバイダーは、スパムフィルターを強化してスパムメールの受信を防ぐための対策を講じています。
[spam]はスパムメールとして“判断”されている
件名に[spam]とついていると怪しく感じてしまうかもしれませんが、前述した通り[spam]とついているメールすべてがスパムメールとは限りません。スパムメールではない通常のメールが、何らかの要因でスパムメールと「判断」されている可能性があるのです。
この判断は、複数の要因を基に自動的に行われます。例えば、メールの内容に不審なリンクが含まれている場合や、送信者のドメインが信頼性の低いものである場合、あるいは大量のメールを一度に送信した場合などが挙げられます。
また、メール本文にスパムメールによく見られる特定のキーワードが含まれている場合や、送信元IPアドレスが過去にスパム行為を行った履歴がある場合も、スパムと判断される原因となります。これらのチェックは全て自動的に行われるため、送信者が意図せずスパムメールと見なされてしまうことも少なくありません。
もちろん、本物のスパムメールという可能性も否定できないため、注意は必要になります。
[spam]が件名に付く理由
[spam]が件名につく理由として、キャリアやプロバイダ、受信側メールサーバー、メーラーなどによるスパムチェックにかかっている場合があります。順番に解説します。
キャリアやプロバイダのチェック
メールがスパムと判断されるかどうかは、キャリアやプロバイダのスパムフィルターによって大きく影響を受けます。
キャリアやメールサービスのプロパイダによっては、それぞれ迷惑メールをフィルタリングする機能を提供しています。このフィルタリング機能によって「メールの送信元ドメインやIPアドレスがブラックリストに登録されている」など迷惑メールと疑われると、自動で検知を行って[spam]や[meiwaku]といったようにラベリングすることがあります。
これらのフィルタリング技術は日々進化しており、より高度なスパムメール検出が行われていますが、正当なメールが誤ってスパムと判断されることも避けられない現実です。
受信側メールサーバーのチェック
受信側メールサーバーにスパムメール対策のセキュリティソフトがインストールされていれば、セキュリティソフトが受信したメールをチェックします。
このセキュリティソフトのチェック時に、スパムチェックに引っかかると迷惑メールと判断され、[spam]や[meiwaku]と付けられてしまうことがあります。
さらに、スパムメールの送信元IPアドレスが過去にスパム行為を行った記録がある場合、そのメールは自動的にスパムとして分類される可能性が高くなります。
メーラーのチェック
メーラーとは、メールを送受信したり、管理したりするソフトのことで、メールソフトともいいます。受信者が使用しているメーラーで「迷惑メールフィルタ機能」を利用している場合、メーラーによっては迷惑メールと判断されたメールに[spam]や[meiwaku]と付けることがあるのです。
例えば、OutlookやThunderbird、Gmailなどのメーラーは、独自のアルゴリズムを用いてスパムメールを検出します。これらのアルゴリズムは、メールの内容、送信者情報、受信者のスパム報告履歴などを基にスパム判定を行います。
例えば、Gmailは、ユーザーが過去にスパムとして報告したメールのパターンを学習し、新たなスパムメールの判定に活用します。メーラーのスパムフィルターはユーザーの手動設定によってカスタマイズすることも可能であり、特定の送信者をホワイトリストに追加することで、スパム判定を回避することができます。
スパムメールとして判断される仕組み
キャリアやプロバイダのフィルタリング、メーラーの迷惑メールフィルタ機能などが、メールに含まれているさまざまな情報を分析することで、スパムメールである可能性を判断しているのです。
スパムメールとして判断する基準については、各キャリアやプロバイダ、受信側メールサーバーやメーラーによって異なります。
セキュリティの関係から正確には明かされていませんが、以下の部分についてチェックしていると考えてよいでしょう。
- 送信ドメイン認証
- 送信元のIPレピュテーション
- メールヘッダに含まれる情報
- メールフォーマット
- ブラックリストに載っているかどうか
- 掲載されているURLの安全性
- 本文の内容
上記のチェック項目ごとに点数をつけていき、迷惑メールである可能性を総合して評価することでスコアという形式で表します。このスコアが一定の値を超えるとスパムメールとして判断され、メールヘッダに[X-Spam]といった情報を付与します。
そして、スパム判定の結果が[X-Spam-Flag: Yes]となった場合、件名に[spam]と表示されるのです。
送ったメールに[spam]が付くのを防ぐ方法
前述したように、[spam]と付く原因はさまざまな箇所での迷惑メール対策によるものです。
「これをやれば絶対にスパム判定されない」といった方法がある訳ではありませんが、自分の送信したメールに[spam]とついてしまうのを防ぐためには、迷惑メールと判断されないようなメール配信を行う必要があります。
ここでは、送信したメールに[spam]がついてしまうのを防ぐ方法について、メール配信時に気をつけたい8つのポイントを解説します。
一度に大量のメールを送らない
一度に大量のメールを送信することは、スパム行為として見なされる大きな要因の一つです。迷惑メールの配信者は、一斉送信などで大量のメールを無差別に送信する傾向があります。
そのため、短時間で大量のメールを配信するとスパムメールと判断されるリスクが高くなります。メール配信の際は時間をあけて送る、小分けにして送る、配信の速度を落とすといった工夫が必要です。
また、メール配信システムを使用することで、送信速度や送信数を適切に管理し、スパム判定を回避することも可能となります。
配信先リストを精査する
管理しているメール配送先リストには、すでに消去されているといった理由で「無効なアドレス」となっているメールアドレスが含まれているかもしれません。
届かないアドレスにメールを送信し続けると、スパムメールの送信者と判断されるおそれがあります。定期的に配送先リストを精査(クリーニング)して、有効なアドレスにのみ配信を行いましょう。
また、メールには様々なエラーが存在しエラー内容によって対応方法も異なります。実際にエラーが発生した場合は以下の記事を参考にしてください。
送信ドメイン認証を活用する
送信ドメイン認証は、送信者のドメインの信頼性を確保し、スパムメールと誤判定されないための重要な手段です。これには、SPF・DKIM・DMARCなどがあります。
「送信ドメイン認証」とは、電子署名やIPアドレスの認証などを利用し、メールの送信元サーバーを証明する方法です。送信ドメイン認証を利用することで、メール送信者がなりすまされているかどうかを判断できるため、スパムメール対策として効果があります。
キャリアやプロパイダでは、迷惑メール対策の一つとして送信ドメイン認証があるかどうかもチェックするため、送信ドメイン認証に対応すればチェックに引っかかるリスクを減らせるでしょう。
送信ドメイン認証についてはメール配信をするにあたり、必ず知っておいていただきたい内容となります。詳細は以下の記事で解説していますので併せてご確認下さい。
IPレピュテーションを高く保つ
IPレピュテーションとは、今までの送信実績からIPアドレスの評判をスコアにしたもので、メールの送信元IPアドレスの信頼性や安全性を評価する仕組みです。
このスコアが低いと迷惑メールと判断されやすくなるほか、メールの到達率低下にも影響するため、自社の送信元IPアドレスのスコアを定期的に確認して対策しましょう。
IPレピュテーションのスコアを確認する際には、「senderscore」「Google Postmaster」「ToolsMicrosoft SNDS」といったツールを利用すると簡単に確認できます。
ブラックリストを確認する
メールにおけるブラックリストとは、迷惑メールとして報告された発信元IPアドレスや、ドメインをまとめて公開しているものです。DNSBL(DNS Blackhole List)、またはRBL(Real-time Blackhole List)と呼ばれています。
ブラックリストに登録されてしまうと、スパムメールと判断されるおそれがあります。ブラックリストに登録されないためには、上で開設したような対策を行い、運用していくことが重要です。
迷惑メールによくある表現を避ける
迷惑メールには大きな文字や、★や△などの記号による装飾、派手な色使いのほか、行き過ぎた広告文やキャッチコピーなどの表現がよく使われています。そのため、迷惑メールと見間違えそうなデザインや言葉使いなどは避けましょう。そのほか、以下のような点にも注意が必要です。
- 1行が長すぎないか
- 改行が多すぎないか
- URLの数は適切か
- 記号を使って装飾していないか
- 文字やデザインの配色は派手過ぎないか
- 短縮URLを利用していないか
- 迷惑メールによくある文言が多く含まれていないか(「稼ぐ」「無料」「今だけ」のような行き過ぎた広告文、アダルト系の文言など)
信頼性の低いURLは記載しない
メール本文の中に、アフィリエイトなど広告でいっぱいのサイトや、セキュリティレベルの低いサイトのURLを掲載すると、高い確率でスパムメールと判断されてしまいます。なかには正当なWebサイトであっても悪意ある第三者に改ざんされ、不正に使用されているケースもあるのです。
URLを記載するのであれば、あらかじめ「Googleセーフブラウジング」などで、危険なドメインとして登録されていないか確認しておくとよいでしょう。
メルマガは購読解除をわかりやすく記載する
受信者がメルマガを不要と感じた際に購読解除(オプトアウト)する方法について、本文の中にわかりやすく記載しておくことも重要です。購読解除の方法がわかりにくかったり、解除の手順がややこしかったりすると、受信者にとっては不要なメールが定期的に届くことになるため、受信者から迷惑メールと報告されるリスクがあります。そのため、ワンクリックで購読解除できるような仕組みを取り入れるとよいでしょう。
なお、メール配信者には、配信するメール中に購読解除(オプトアウト)の方法と、受信を拒否する意思を伝えるための連絡先を必ず明記するという義務があります。
メール配信システムの活用
今回紹介したスパムメールとして判定されるのを防ぐ方法を自身で対策しようと思うと、専門的な技術が必要なうえに費用と労力がかかってきてしまいます。
そのため、すでに迷惑メール対策がされたメール配信システムを活用するのがよいでしょう。メール配信システムを活用することで、スパム判定のリスクを軽減するだけでなく、効率かつ効果的なメール・メルマガ配信が可能となります。
API連携・SMTPリレーサービス「ブラストエンジン(blastengine)」の活用
ブラストエンジンは、SMTPリレーサーバーを使用して、簡単に大量のメールを高速配信することが可能です。さらに、メールサーバーを必要とせず、API経由でメールを送信する仕組みも提供しています。
ブラストエンジンは、サーバーの運用やメンテナンスを行っているため、常に高いIPレピュテーションを維持しながら、安全にメールを送ることができます。
以下のような課題がある場合は、ブラストエンジンの利用を検討してみることをおすすめします。
- 自社のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されていて、メールが届かない場合
- 国内キャリアにメールが届かず、対応方法がわからない場合
- 自社でメールサーバーを管理・運用したくない場合
また、ブラストエンジンは各メールプロバイダーや携帯キャリアのドメインに最適化されており、大規模なネットワークを経由してメール配信を行うことで、日本国内での到達率を圧倒的に高めています。送信ドメイン認証ももちろん対応しています。
利用料金は月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れており、メールだけでなく、日本語での電話サポートにも対応しています。
メールアドレスの入力のみで無料トライアルが可能ですので、まずは気軽にお試しください。
シェア1位のメール配信システム「ブラストメール」の活用
ブラストメールは、13年連続で顧客導入シェア1位を獲得している信頼性の高いメール配信システムです。ブラストエンジンとは異なり、メルマガなどのメール一斉送信に利用することができます。
このメール配信システムの特徴は、使いやすさとコストパフォーマンスの高さです。さまざまな業種や官公庁でも利用されており、定番のメール配信システムとして広く知られています。
迷惑メール対策機能はもちろん、セグメント配信や効果測定、HTMLメールエディタなど、基本的な機能がすべて揃っています。最も安いプランでも、月額4,000円以下で導入することができます。
シンプルで安価なため、初めてメール配信システムを利用してみたい方にもおすすめです。無料トライアルも用意されているので、まずは試してみることをお勧めします。
まとめ
送信したメールの件名に[spam]という文字がついてしまうのは、受信側のスパムチェックで迷惑メールと判定されてしまっていることが原因です。メールはさまざまなチェックを受けており、配信側の設定不備などが原因で迷惑メールとして扱われてしまうケースも少なくありません。今回解説した8つのポイントに気をつけて、受信者のことを考えたメール配信を行えるようにしましょう。