スパムトラップとは?仕組みや種類、対策方法を解説

2024年6月4日

現代において、メールは企業や個人にとって重要なコミュニケーションツールとなっています。しかし、その一方でスパムメールの増加も問題となり、メールサービスプロバイダーやセキュリティ企業はスパム対策に力を入れています。その中でも有効な手段のひとつとして使われているのが「スパムトラップ」です。

スパムトラップは、迷惑メールの配信者を特定し、犯罪や迷惑行為を防止するための仕組みです。スパムトラップにはさまざまな形があり、トラップに応じた対策を取らなければなりません。この記事では、スパムトラップの種類や仕組みなどを解説します。

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スパムトラップとは

迷惑メールを特定するための方法に「スパムトラップ」があります。実際には使われていないメールアドレスを用意し、迷惑メールを送る人や業者である「スパマー」を発見する方法です。

通常、使用していないアドレスにメールが届くことや、メールの購読を希望していないのに定期的にメールが送られてくることは本来あり得ません。にもかかわらずメールが届いたとしたら、それはスパマーによる仕業だと判断できるのです。

スパムトラップを設置することで、スパマーにおとりのメールアドレスを収集させ、送られてきたメールを分析・リスト化し、フィルタリングや不正利用防止に活用しています。これにより、スパム送信元の特定やスパムメールの流入を防ぐことができます。

スパムトラップの種類

スパムトラップは、「プリスティントラップ」「リサイクルトラップ」「タイプミストラップ」の3種類あります。 以下にそれぞれの特徴を解説します。

プリスティントラップ

プリスティントラップとは、迷惑メールの配信者を特定するためのメールアドレスです。インターネットサービスプロバイダー(ISP)やスパム防止機関などが、 スパム業者からのメールを防ぐために作成されたメールアドレスです。

トラップとして作成したメールアドレスを意図的にWebサイトに掲載することで、不正にメールアドレスを収集するスパマーに対して、スパムトラップのアドレスを取得させる流れです。

プリスティントラップにかかった場合、後述の他のトラップにかかった場合よりも悪質性が高いと判断され、送信元ドメインや送信サーバのIPアドレスがブラックリストに登録される確率が上がります

リサイクルトラップ

リサイクルトラップで使われるメールアドレスは、過去に使われていてその後使われなくなったメールアドレスです。 1年以上使われていないメールアドレスは、インターネットサービスプロバイダーによってスパムトラップに変換されます。

具体的には、ロールアドレスや会社で使用しなくなった従業員のメールアドレスが使われるケースがあります。ロールアドレスとは、役割を割り当てられたメールアドレスで、info@、sales@、support@などです。

リサイクルトラップはプリスティントラップよりは影響力が小さいため、リサイクルトラップにメールを送ったら即迷惑メール判定を受けるというわけではありません。しかし、送信者の評判や信頼に悪影響を与えます。メールリストの管理ができていないと判断され、配信を続けるとドメイン評価の低下を招くかもしれません。 

タイプミストラップ

タイプミストラップは、誤字または変形を含むアドレスです。例えば「gmail.com」を「gnail.com」などと誤表記したものが挙げられます。

こちらもプリスティントラップほどの影響はありませんが、送信元ドメインの評価を下げる恐れはあるでしょう。

ちなみに、自社のサービスに登録した人がつづりを間違えていて、意図せずタイプミストラップにメールを送ってしまうケースがあります。

スパムトラップへの送信を防ぐには?

プリスティントラップやリサイクルトラップ、タイプミストラップへの送信を防ぐには、対策が必要です。対策例に以下が挙げられます。

  • メーリングリストを購入しない
  • すべての受信者がメール受信の許可を出しているか確認する
  • アクティブな連絡先にメルマガを送信する
  • 連絡先リストを定期的に整理する
  • 6ヶ月以上連絡のない受信者は配信先から除外する
  • メルマガ配信レポートを活用し、エラーメール設定をしたり、未開封のメールアドレスは削除したりする

ここでは、重要な対策を3つ解説します。

送信先リストの入手方法に気を付ける

まず、不正な方法で入手したメールアドレスは使わないようにしましょう。購入したリストやメールの受信を希望していない宛先には、メール送信をしてはいけません。

これらの行為は、ドメインや送信サーバのIPアドレスの信用に悪影響を及ぼします。

また、リスト販売業者が提供しているリストは、精査されていることがほとんどなので、場合によってはメールマーケティングに活用することができます。

ただし、リスクがあることは頭の片隅に置いておきましょう。

定期的にリストを整理する

メール配信のリストは、定期的に整理しましょう。整理する際のポイントは以下のとおりです。

  • 長い間メールを開封していないアドレスは配信リストから除外する
  • 購読の意思を確認するメールを送信し、オプトインユーザーを整理する
  • 長期間未開封が続いているアドレスは、配信リストから除外する
  • 6ヶ月以上連絡のない受信者は配信先から除外する
  • 一定期間開封やクリックの有無などエンゲージメントを基準にリストを整理する
  • メールアドレスのスペルミスがないかをチェックする

ダブルオプトインを取る

メールを配信する際には、必ずオプトインを取らなければなりません。オプトインとは、メール配信者がメール受信者に対して、受信許可の同意を得ることです。

ダブルオプトインを採用することで、第三者が他人のメールアドレスを無断で登録することを防げます。また、ユーザーが確認メールを受け取り、その内容をチェックする必要があるため、不正なアドレス登録されるリスクも大幅に減ります。

ダブルオプトインが採用されている場合の新規登録の流れは以下の通りです。

  • メール受信者がフォームにメールアドレスを入力
  • 入力したメールアドレス宛に確認メールが届く
  • 確認メールのリンクをクリックして登録が完了

少しだけ先に紹介しましたが、ダブルオプトインを行うメリットは多くあり、以下が挙げられます。

  • 第三者が他人のメールアドレスを登録するのを防ぐ
  • 入力されたメールアドレスが本人の意思であることと確認可能
  • タイプミストラップ宛にメールを配信するリスクが抑えられる
  • 配信エラー率が下がる
  • 迷惑メール判定を受けるリスクも低くなる

ダブルオプトインを導入することで、メールリストの品質が向上し、スパムトラップに引っかかるリスクを低減することができます。

また、配信エラーの減少や迷惑メール判定のリスク低減といった多くのメリットがあります。

スパムトラップにメール送信したか確認する方法

スパムトラップにメールを送信したかどうかを確認する確実な方法はありません。しかし、いくつかの間接的な方法で推測が可能です

メールの到達率をチェックする

到達率が低下している場合、メールリストの中にスパムトラップや無効なアドレスが含まれている可能性が高いといえます。突然の到達率低下は特に注意が必要です。

ブラックリストを確認する

ドメインやIPアドレスがブラックリストに登録されているかを確認しましょう。

ブラックリストに載っている場合、スパムトラップに引っかかっている可能性があるため対応が必要です。ブラックリストのステータスを定期的にチェックすることが推奨されます。

ブラックリストについては以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

メールがブラックリストに入って届かない時の『超実践』対処法ガイド

送信先リストからスパムトラップを除く方法

送信先リストからスパムトラップを除く方法に、メールの送信リストを区分化する方法があります。

エンゲージメントの高いリストを特定する

スパムトラップを含まないエンゲージメントが高い送信先リストを特定し、全体から分けていきます。

これには、開封率やクリック率の高いアドレスを優先的に選別することが含まれます。

定期的なリストの整理

半年以上メールが開封されていないアドレスやエンゲージメントが低いアドレスはスパムトラップの可能性があるため、送信リストから削除するのが安全です。

定期的にリストをクリーンアップすることで、スパムトラップに送信するリスクを減らせます。

対象期間を短縮して検証する

リストの整理後もスパムトラップがなくならない場合は、対象期間を3ヶ月に短縮して再度検証すると良いでしょう。

エンゲージメントが低いアドレスをより早く特定し、リストから除外することでリスクを減少させます。

メール配信システムの活用

残念ながらメール配信システムを使っても、スパムトラップへのメール配信を防げるわけではありません。

しかし、この後紹介するブラストエンジン(blastengine)のような、バウンスメールの自動対応やIPレピュテーション管理などを行っているサービスを利用することで、スパムトラップに配信したりブラックリストに登録されてしまうリスクを減らすことはできます。

また、仮にそのような状態になったとしても、システム提供会社の協力を経て迅速に問題解決できる可能性があります。

仮に、自社のビジネスにおいて「メールが届かない」となると、顧客への連絡もできずビジネスに致命的な影響を与えかねません。少しでもリスクを減らすためにメール配信システムの活用は不可欠でしょう。

以下では用途別のおすすめシステムをご紹介します。

API連携・SMTPリレーサービス「ブラストエンジン(blastengine)」の活用

blastengineのアイキャッチ画像

ブラストエンジンは、SMTPリレーサーバーを使用して、簡単に大量のメールを高速配信することが可能です。さらに、メールサーバーを必要とせず、API経由でメールを送信する仕組みも提供しています。

ブラストエンジンは、サーバーの運用やメンテナンスを行っているため、常に高いIPレピュテーションを維持しながら、安全にメールを送ることができます

以下のような課題がある場合は、ブラストエンジンの利用を検討してみることをおすすめします。

  • 自社のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されていて、メールが届かない場合
  • 国内キャリアにメールが届かず、対応方法がわからない場合
  • 自社でメールサーバーを管理・運用したくない場合

また、ブラストエンジンは各メールプロバイダーや携帯キャリアのドメインに最適化されており、大規模なネットワークを経由してメール配信を行うことで、日本国内での到達率を圧倒的に高めています。

利用料金は月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れており、メールだけでなく、日本語での電話サポートにも対応しています。

メールアドレスの入力のみで無料トライアルが可能ですので、まずは気軽にお試しください。

シェア1位のメール配信システム「ブラストメール」の活用

ブラストメールのキャッチ画像

ブラストメールは、13年連続で顧客導入シェア1位を獲得している信頼性の高いメール配信システムです。ブラストエンジンとは異なり、メルマガなどのメール一斉送信に利用することができます。

このメール配信システムの特徴は、使いやすさとコストパフォーマンスの高さです。さまざまな業種や官公庁でも利用されており、定番のメール配信システムとして広く知られています。

迷惑メール対策機能はもちろん、セグメント配信や効果測定、HTMLメールエディタなど、基本的な機能がすべて揃っています。最も安いプランでも、月額4,000円以下で導入することができます。

シンプルで安価なため、初めてメール配信システムを利用してみたい方にもおすすめです。無料トライアルも用意されているので、まずは試してみることをお勧めします。

まとめ

この記事では、スパムトラップの種類やメール送信を防ぐ方法を解説しました。

万が一、スパムトラップに送信してしまうと、ブラックリストに載ったり、ドメインやIPアドレスの信用が下がったりとデメリットがあります。

定期的に送信リストを整理し、充分な対策を講じ、スパムトラップへの送信を防ぎましょう。

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