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Azureからメール送信する方法は3つ!注意点やおすすめの方法とは

2024年10月22日 メール配信

「Azure(アジュール)」とは、Microsoftが提供しているクラウド型プラットフォームです。企業や開発者がインフラをクラウド上に構築することができ、スケーラブルなシステムの構築が可能となります。また、サーバー、ストレージ、ネットワークなどの基本的なインフラ機能に加え、AI、機械学習、データ分析、セキュリティサービスなどの機能を提供しています。

幅広い用途で使用できる機能を数多く備えているAzureですが、Azure上に構築したシステムやサービスを利用すればメールの送信も可能です。Azureではさまざまな方法でメール送信が可能ですが、それぞれの方法にはメリットとデメリットがあります。この記事では、Azureを使ったメール送信の方法やそれぞれの方法の注意点を解説します。

Azureからメール送信する方法

Azureからメールを送信する方法は、以下の3つです。

  • Azureの仮想マシン (VM) を使ってSMTPサーバーを構築する
  • Azure Communication Services Eメール機能を使用する
  • SMTPリレーサービスを利用する

ここでは、3つの方法それぞれの特徴を詳しく紹介します。

Azure VMでSMTPサーバーを構築する

「Azure Virtual Machines (VM)」は、Azure上で提供される仮想マシン環境で、その中でさまざまなOSやアプリケーションを利用することができます。Azure VMでは、テストサーバー用としての環境を利用したり、本来では対象外のOS上でもソフトウェアやアプリケーションを実行したりといったことが可能です。

Azure VM上にSMTPサーバーを構築してメール送信することは技術的に可能で、使い慣れているメール転送エージェント(MTA)を使うことができます。しかし、Microsoftはこの方法を推奨しておらず、サポートもありません。

非推奨の理由として、Azure VMではグローバルIPアドレスが動的に割り当てられることが挙げられます。悪意を持つユーザーがAzure VMからスパムメールを送信した場合、そのIPアドレスがブラックリストに登録され、他のユーザーのメール送信にも影響が出るリスクがあります。

Azure Communication Services Eメール機能を使う

Azureでは、Azure Communication Services (ACS) の公式のメール送信機能を利用できます。従量課金制の料金体系となっており、利用した分だけ費用が発生する形のため、コスト管理がしやすいのが特徴です。メール送信の際は、Azure Communication Services(通信サービス)・メール通信サービス・ドメインの3つのリソースが必要です。

ACSでメールを送信する場合は、以下の手順を踏みます。

  1. 通信サービスを作成する
    Azureの通信サービスからリソースを作成し、リソース名とリージョンを指定します。
  2. メール通信サービスを作成する
    メール通信サービスのリソースを展開し、必要な項目を設定します。なお、リージョンは最初に作成した通信サービスと一致させる必要があります。
  3. ドメインを作成・接続する
    作成したメール通信サービスを開いたら「ドメインをプロビジョニングする」からメール送信に使用するドメインを設定します。その後、通信サービスにドメインを接続します。

SMTPリレーサービスを利用する

Azureを利用してメールを送信する場合、MicrosoftではSMTPサーバーの構築ではなく、SMTPリレーサービスの利用を推奨しています。

SMTPリレーサービスとは、送信されたメールの中継を代行するサービスです。メール送信に特化しており、サーバーを構築しなくてもシステムを連携させるだけで利用できます。メールマガジンの一斉送信や、ECサイトの会員登録メールなどにも適したサービスです。

Azureに対応したSMTPリレーサービスとして、Microsoftは「SendGrid」や「Exchange Online Protection」を推奨しています。しかし、この他にも日本国内向けであれば「blastengine(ブラストエンジン)」など、連携可能なリレーサービスはさまざまあります。

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Azureからメール送信する際の注意点

Azureからメールを送信する際は、他のメールソフトやクラウドサービスから送信する場合と同様に、迷惑メールフォルダへの振り分けや受信拒否をされてしまうリスクを考慮する必要があります。

ここでは、Azureでメール送信を行う際に注意すべき5つの重要なポイントについて解説します。

OP25B規制に対応する

スパムメールの対策として有名なのが「OP25B(Outbound Port 25 Blocking)」です。SMTPが利用する25番ポートへの通信を遮断する技術で、Microsoft Azureをはじめとするクラウドサービスの多くが、スパムメール対策でOP25Bを適用しています。25番ポートにはユーザー認証がなく、誰でもメールを送信できてしまうため、OP25Bによりメールサーバーがスパム配信の踏み台にされることを防いでいます。

OP25Bの対策としては、代替のポートを利用するのが一般的です。代替ポートとして代表的なのは「587番ポート」になります。

587番ポートでは、SMTPの拡張仕様である「SMTP AUTH」を使ったユーザー認証が求められます。SMTP AUTHは、ユーザーにアカウント名とパスワードを使った認証を求めるため、悪意あるユーザーの不正利用を防止できます。

このため、Azureからメール送信する場合は、587番ポートの利用が有効です。

IPレピュテーションを確認する

IPレピュテーションは、IPアドレスの信用度を使用履歴から評価し、算出されたスコアです。このスコアが高いほど送信元の信頼性も高いと判断され、安定したメール送信ができるようになりますが、スコアが低いと迷惑メールに分類されたり、受信拒否されたりするリスクが高まります。

IPレピュテーションのスコアを高くするためには、メールの開封数を上げたり送信実績を安定させたりといった対応が必要です。また、IPウォームアップという作業を行うことでスコアを高められます。反対に、メールの送信数を急激に増やしたりユーザーからスパム報告されたりすると、スコアにマイナスの影響を与えるため注意しなければなりません。

なお、IPレピュテーションのスコアは、Web上で公開されているサービスツールで確認できます。Microsoftが無料で提供しているMicrosoft SNDS(Smart Network Data Services)や、GoogleがGmail上で提供するGoogle Postmaster ToolsなどのツールでIPアドレスの信用度を定期的に確認することが重要です。

IPレピュテーションとは?確認方法やメール到達率を高める方法を解説します

IPスロットリングを回避する

IPスロットリングは、特定のIPアドレスから短時間に大量にメールが送信された場合に受信制限を発生させる技術です。主にISP(インターネットサービスプロバイダー)が、スパムメールの対策として設けています。

IPスロットリングが発生すると、スロットリングを受けたIPアドレスからのメールは受信拒否されてしまうため、メールの到達率が下がります。ISP内部の基準を満たさないとIPスロットリングは解除されないため、送信側でIPアドレスを変更するか、ISPからの解除まで待たなければなりません。

IPスロットリングが発生する前にあらかじめ回避できる対策を取っておくことが大切です。具体的には以下のような方法があります。

  • 複数の送信元IPから分割して送信する。
  • 時間をかけて少しずつ送信する。
  • IPレピュテーションの高いSMTPリレーサービスを利用する。
スロットリングとは?原因と対策、起こってしまった場合の対処法

バウンスメールを適切に処理する

バウンスメールとは、送信元が「MAILER-DAEMON」や「Mail Delivery System」といった名前で表記され、何らかの原因によってエラーとして返ってくるメールです。エラーメールやリターンメールとも呼ばれています。

バウンスメールを適切に処理せず放置すると、スパムなどの迷惑メール送信者と判断され、IPアドレスやドメインがブラックリストに登録されてしまう恐れがあります。

バウンスメールには、エラーになった日時やエラーコード、エラーの理由などが記載されているため、適切に対応をしてブラックリストに登録されるリスクを軽減しましょう。

迷惑メール判定を回避する

送信側の環境やメール内容によっては、送信したメールが受信側で迷惑メールの判定を受けてしまう恐れがあります。迷惑メールの判定を受けて迷惑メールフォルダに振り分けられてしまった場合、重要なメールが届かないというリスクがあります。

迷惑メールの判定を回避するには、迷惑メールとして報告されないような対策が必要です。例として、あらかじめ送信ドメイン認証を行い、送信元を偽装していないことを証明しておくことが大切です。

さらに、定期的にリストを確認し、無効なメールアドレスに送り続けないようにすることも重要な対策です。

Azure Communication Services EメールとSMTPリレーサービスはどちらがおすすめ?

Azureからメールを送信する方法として、公式の「Azure Communication Services (ACS) Email」やSMTPリレーサービスを利用する方法があります。ここでは、初心者向けにはどの方法が推奨されるか、また国内向けのメール送信における注意点について解説します。

初心者ならSMTPリレーサービスを推奨

Azureでのメール送信に慣れていない場合は、SendGridやExchange Online Protection といったSMTPリレーサービスの利用を推奨しています。

しかし、日本国内のユーザーにメールを送るケースが多い場合は国産のSMTPリレーサービスを利用するのがおすすめです。

国産のSMTPリレーサービスを選ぶ理由

海外のSMTPリレーサービスは日本国内のキャリアやISPに最適化されていないことがあり、迷惑メールフォルダに振り分けられたり受信拒否されたりする状況も考えられます。国内向けの配信の場合は以下の理由で国産のSMTPリレーサービスを選ぶことをおすすめします。

  • 迷惑メール対策への配慮
    国産のSMTPリレーサービスの場合、日本のキャリアやISP向けの配信アルゴリズムが設計されているため、メールが受信拒否されるリスクが低くなります。
  • 日本語対応のサポート
    海外のサービスはサポートが英語のみの場合があり、時差の問題もあるため、トラブル時の対応に時間がかかることがあります。国産サービスであれば、日本語での問い合わせが可能で、不明点の解消もスムーズです。

API連携・SMTPリレーサービス「ブラストエンジン(blastengine)」の活用

ブラストエンジンのキャッチ画像

ブラストエンジンは、SMTPリレーサーバーを使用して、簡単に大量のメールを高速配信することが可能です。さらに、メールサーバーを必要とせず、API経由でメールを送信する仕組みも提供しています。

ブラストエンジンは、サーバーの運用やメンテナンスを行っているため、常に高いIPレピュテーションを維持しながら、安全にメールを送ることができます。

以下のような課題がある場合は、ブラストエンジンの利用を検討してみることをおすすめします。

  • 自社のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されていて、メールが届かない場合
  • 国内キャリアにメールが届かず、対応方法がわからない場合
  • 自社でメールサーバーを管理・運用したくない場合

また、ブラストエンジンは各メールプロバイダーや携帯キャリアのドメインに最適化されており、大規模なネットワークを経由してメール配信を行うことで、日本国内での到達率を圧倒的に高めています。送信ドメイン認証ももちろん対応しています。

利用料金は月額3,000円からとコストパフォーマンスにも優れており、メールだけでなく、日本語での電話サポートにも対応しています。

メールアドレスの入力のみで無料トライアルが可能ですので、まずは気軽にお試しください。

まとめ

Azureでメールを送信する方法には、「Azure Communication Services (ACS) Email」と「SMTPリレーサービス」の2つの選択肢があります。

ACS Emailは、アプリケーションやシステムからのメール送信に適していますが初心者には難易度が高いという面もあります。一方、SMTPリレーサービスは初心者でも使いやすく、日本国内向けの配信であれば特に国産のサービスがおすすめです。

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