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Amazon SESの代替サービスおすすめ比較|乗り換え前に知るべきリスクと選び方

更新日:
執筆者: 森神 佑希

Amazon SES(Simple Email Service)は、1,000通あたり0.10ドルという低単価で知られるAWSのメール配信サービスです。しかし実際に運用してみると、「サンドボックス解除の審査に工数がかかる」「運用基準を下回るとアカウント単位で送信停止措置をとられることがある」「標準ではマーケティング向けの効果測定機能が備わっていない」「日本語サポートがなく障害対応に不安が残る」といった壁にぶつかり、代替サービスへの乗り換えを検討するケースは少なくありません。

そこで本記事では、Amazon SESからの乗り換え・代替を検討している方に向けて、なぜSESで運用がつらくなるのか(乗り換え理由)を整理したうえで、blastengine・SendGrid・Mailgunといった主要な代替サービスを比較します。さらに、代替サービスを選ぶ際の判断軸と、用途別のおすすめも明確にします。読み終えたとき、自社にとって最適なメール配信基盤を選べる状態を目指します。

なお、「Amazon SESとは何か」という基礎から知りたい方は、別記事のAmazon SES解説もあわせてご覧ください。本記事はあくまで「SESの代替・乗り換え」に焦点を当てています。

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Amazon SESとは?

Amazon SES(Amazon Simple Email Service)とは、AWSが提供するクラウド型のメール配信サービスです。自社でメールサーバーを構築・運用することなく、アプリケーションやシステムから大量のメールを送受信できます。料金は完全な従量課金制で、送信は1,000通あたり0.10ドルと非常に低単価なことから、トランザクションメール(会員登録通知・パスワードリセット・決済通知など)の送信基盤として広く使われています。

連携方式はSMTPリレーとAPIの2通りに対応し、既存システムへ組み込みやすいのが特徴です。インフラ運用やIPアドレスの管理をAWS側が担う「フルマネージド型」のため、メールサーバーの保守からは解放されます。

一方で、この「低単価」と引き換えに、送信評価(IPレピュテーション)やバウンス・苦情の管理を利用者自身が担わなければならないという運用上の特性があります。次章で見るように、この特性こそが代替サービス検討の出発点になります。Amazon SESについては以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご確認ください。

Amazon SESとは?仕組み・メリット・料金・代替サービスを徹底解説!

なぜAmazon SESの代替が検討されるのか(乗り換え理由)

代替サービスを比較する前に、まず「SESの何がネックになって乗り換えが検討されるのか」を押さえておきましょう。理由を理解しておくことで、代替サービスに求めるべき条件が明確になります。

アカウントごと送信停止される単一障害点リスク

Amazon SESで最も見落とされがちなのが、「アカウント単位での送信停止」リスクです。SESは標準で複数の利用者が共有するIPアドレス群から送信するため、AWSは共有IPの評価を守る目的で、品質の低い送信を行うアカウントの送信機能を一時停止することがあります。これはAWS公式ドキュメントにも明記された仕様です。

ここで注意すべき点は、停止措置が「特定のメールだけ」ではなく、アカウント全体に及ぶ仕様である点です。マーケティングメールのバウンスが原因で停止された場合でも、同じアカウントから送る会員登録通知・パスワードリセット・決済通知といった重要なトランザクションメールまで一斉に送れなくなります。メールが事業の動線に組み込まれているサービスでは、これは実質的なサービス停止に等しい単一障害点(Single Point of Failure)になります。停止につながるバウンス率・苦情率の基準は、想像以上に低く設定されています。

指標レビュー対象になる目安送信停止のおそれがある水準AWS推奨
バウンス率5%以上10%超5%未満(できれば2%未満)
苦情率(スパム報告)0.1%以上0.5%超0.1%未満

たとえば1万通送って500通がバウンスすれば、それだけでレビュー対象(5%)に達します。古いリストや誤入力アドレスを抱えたまま配信すると、あっという間にラインを超えかねません。この「自社アカウントの評価を自分で守り続けなければならない」構造こそが、乗り換えを検討する最大の動機になります。

サンドボックス解除の審査と運用負荷

新規のSESアカウントはすべてサンドボックスという制限状態に置かれ、検証済みアドレスにしか送れず、24時間あたり200通・1秒あたり1通までしか送信できません。実運用するにはAWSサポート経由で本番アクセスを申請し、利用目的やバウンス対策方針を説明して審査を通過する必要があります。

この審査は内容によっては追加情報を求められたり、すぐに通らなかったりすることもあり、「ローンチ直前に足止めされる」リスクがあります。加えて、CloudWatchによる監視設定、バウンス・苦情のモニタリング、サプレッションリスト管理といった運用タスクを自社で回し続ける必要があり、エンジニアの工数を継続的に消費します。

効果測定・日本語サポートの不足

SESはあくまで「確実に送り届ける配信基盤」であり、開封率・クリック率の分析ダッシュボードやノーコードのHTMLエディタといったマーケティング機能は標準で備えていません。効果測定をしたい場合は設定セットのイベント送信を使って自前で計測基盤を構築する必要があります。

また、SESはエンジニア向けのサービスで、踏み込んだ日本語サポートを受けるにはAWSのサポートプラン契約が前提になります。トラブル時に日本語で迅速に相談したい組織にとっては、ここも乗り換え理由になります。

これらを踏まえると、代替サービスに求める条件は「IPレピュテーション管理を任せられる/審査や運用負荷が軽い/日本語サポートがある/必要なら効果測定もできる」に集約されます。

Amazon SESの代替サービスを選ぶ4つの比較ポイント

代替サービスは数多くありますが、やみくもに料金だけで選ぶと、SESと同じ運用課題を抱え込みかねません。次の4つの軸で比較するのがおすすめです。

  • IPレピュテーション・到達率の管理を誰が担うか:送信評価の維持をサービス側が担ってくれるなら、アカウント停止リスクを自社で抱えずに済みます。国内キャリア・ISPへの最適化が施されているかも到達率に直結します。
  • 導入・運用の手軽さ:サンドボックス審査の有無、SMTP/API連携のしやすさ、管理画面の分かりやすさは、エンジニアの工数を大きく左右します。
  • サポート体制:日本語で電話・メール対応が受けられるか、対応時間や窓口はどうかは、障害発生時の安心感に直結します。海外サービスは日本語サポートが限定的・有償なケースがあります。
  • 料金体系と総コスト:送信単価だけでなく、運用にかかるエンジニアの工数や障害対応コストまで含めた「総コスト」で比較することが、後悔しない選定のポイントです。

Amazon SESの主要な代替サービス比較

ここでは、Amazon SESの代替として候補に挙がりやすい3つのサービス(blastengine・SendGrid・Mailgun)を、前述の比較ポイントに沿って整理します。

比較項目blastengineSendGridMailgun
提供元国内(ラクスライトクラウド)米国(Twilio)米国(Sinch)
連携方式SMTPリレー・APISMTPリレー・APISMTPリレー・API
IP評価・到達率管理サービス側が管理/国内キャリア最適化サービス側が管理/グローバル実績サービス側が管理/グローバル
国内到達率の最適化国内キャリア・ISPに最適化自社での設定が必要な場合あり自社での設定が必要な場合あり
日本語サポート日本語で電話・メール対応パートナー経由・平日日中など条件あり限定的
無料枠無料トライアルありFreeプランは2026年3月末で終了、60日トライアルへプランにより試用可
向くケース国内向け・運用を任せたい海外配信・大規模・開発者向け開発者向け・シンプル送信

※料金・プラン内容は変動します。最新情報は必ず各社公式サイトでご確認ください(本記事は2026年時点の情報に基づきます)。

blastengine(ブラストエンジン)

ブラストエンジン

blastengineは、国内(ラクスライトクラウド)が提供するSMTPリレー・API連携型のメール配信サービスです。Amazon SESと同じく既存システムへの組み込みを前提としながら、IPレピュテーションの維持・管理やバウンスメールの自動対応をサービス側が担うため、SESで懸念される「アカウントごと送信停止」というリスク構造そのものから距離を取れる点が最大の特徴です。

国内キャリア・ISPへの個別送信ロジックにより日本国内向けの到達率が高く、日本語での電話・メールサポートも受けられます。サンドボックス審査やバウンス管理に悩むことなく、最短当日から確実な配信環境を構築できるため、「国内向けにメールを送りたい」「運用とリスク管理を任せたい」開発者・事業者に向いています。

blastengine公式サイト:https://blastengine.jp/

SendGrid(センドグリッド)

sendgrid

SendGridは、米国Twilioが提供する世界的に実績の多いメール配信サービスです。導入実績は8万社以上にのぼり、APIやSDKが主要言語を網羅しているため、トランザクションメールの基盤として高く評価されています。グローバルに大量配信したい開発者向けの選択肢です。

ただし注意点として、長年提供されてきた無料のFreeプランが2026年3月31日に終了し、現在は60日間の無料トライアルまたは有料プランへの移行が必要になりました。また日本語サポートは公式パートナーの構造計画研究所経由で、平日の日中など対応時間に制約がある点も、国内運用では考慮すべきポイントです。

SendGrid公式サイト(構造計画研究所):https://sendgrid.kke.co.jp/

Mailgun

Mailgun

Mailgunは、米国Sinchが提供する開発者向けのメール配信サービスです。SMTP・APIでの送信に対応し、シンプルにアプリへメール送信機能を組み込みたい技術者向けの構成になっています。メール検証機能などを備える一方、料金はSendGridよりやや高めとされ、日本語サポートは限定的です。海外を主軸に、開発者が自力で運用できる体制がある場合に選択肢となります。

Mailgun公式サイト:https://www.mailgun.com/

【用途別】Amazon SESの代替サービスはどれを選ぶべきか

ここまでの比較を踏まえ、用途別のおすすめを整理します。

国内向けの配信が中心で、運用・リスク管理を任せたいなら :blastengine

アカウント停止リスクを自社で抱えず、国内到達率と日本語サポートを重視する場合に最適です。SESの運用負荷に課題を感じての乗り換え先として、最も現実的な選択肢になります。

海外を含む大規模配信で、開発リソースが潤沢なら:SendGrid

グローバルの実績と豊富なSDKが強みです。ただしFreeプラン終了後の料金と日本語サポートの条件は事前に確認しましょう。

開発者がシンプルに送信機能を組み込みたいだけなら → Mailgun

海外主軸で、運用を自力で回せる体制がある場合に向きます。

迷ったら、まずは無料トライアルのあるサービスで管理画面や連携のしやすさを試し、自社の送信規模・用途にフィットするかを確かめるのが確実です。なお、ここで紹介した以外にも多数のメールリレーサービスがあります。主要サービスを横断的に比較したい場合は、メールリレーサービスのおすすめ比較記事もあわせて参考にしてください。

【2026年最新】メールリレーサービスおすすめ13選!比較のポイントや選び方、メリット・デメリットを徹底解説

Amazon SESから代替サービスへ乗り換える手順

代替サービスを決めたら、実際の移行はどのような流れになるのでしょうか。サービスによって細部は異なりますが、SMTPリレー・API連携型のサービスへ乗り換える場合の一般的なステップを整理します。

STEP 1:移行先サービスのアカウント作成と契約

移行先のメール配信サービスに申し込み、管理画面にログインできる状態にします。多くのサービスは無料トライアルから始められるため、まずはテスト送信で使い勝手を確認します。

STEP 2:送信ドメインの登録とSPF・DKIM・DMARC設定

送信に使うドメインを登録し、DNSにSPF・DKIM・DMARCのレコードを設定します。送信ドメイン認証は到達率と信頼性に直結するため、移行時に必ず見直しておきたい工程です。認証の仕組みは送信ドメイン認証の解説記事で詳しく整理しています。

送信ドメイン認証とは?SPF・DKIM・DMARCの仕組みと設定方法を解説

STEP 3:接続情報の差し替え

既存システムが参照しているSMTPのホスト・ポート・認証情報、またはAPIのエンドポイント・キーを、移行先サービスのものに差し替えます。SESもSMTP/APIで連携しているため、送信処理のロジックを大きく作り変えずに接続先だけを切り替えられるケースが多いのが利点です。

STEP 4:テスト送信と並行稼働

本番切り替え前に、テスト環境で到達性・文字化け・認証の通過を確認します。可能であれば一定期間SESと並行稼働させ、問題がないことを確かめてから完全移行すると安全です。

STEP 5:本番切り替えとモニタリング

接続先を完全に移行先サービスへ切り替え、到達率やエラーの発生状況をモニタリングします。IP評価管理やバウンス自動対応をサービス側が担う構成にしておけば、移行後の運用負荷も抑えられます。

移行のハードルは「送信処理を全面的に作り直すこと」ではなく、多くの場合「接続先と認証設定の切り替え」に集約されます。SMTP/APIの両方に対応した代替サービスを選んでおくと、移行コストを最小限に抑えられます。

Amazon SESの代替に「blastengine」をおすすめする理由

数ある代替サービスのなかでも、SESの運用課題(アカウント停止リスク・審査・運用負荷・日本語サポート不足)をまとめて解消したいなら、blastengineが有力な乗り換え先になります。

blastengine(ブラストエンジン)は、お客様のシステムとSMTPリレーやAPIで連携し、トランザクションメールや一斉配信を簡単に実現できる開発者向けのメール配信サービスです。運用・メンテナンスはブラストエンジン側が担うため、面倒なメールサーバー管理や送信評価の管理から解放されます。

  • IPレピュテーション管理: 運用・管理をブラストエンジン側が行い、常に高い送信者評価を維持。SESのアカウント停止リスクの構造から距離を取れる
  • バウンスメール自動対応: エラーメール管理を自動化し、バウンス率管理の運用負荷を大幅に削減
  • 99%以上の高い到達率: 国内キャリア・ISPへの個別送信ロジックで、バウンスメールの自動処理等によりリストの健全化を促し、高い到達率の維持をサポート
  • API連携・SMTPリレー: 既存システムへの組み込みが容易で、設定のみで最短当日から利用を開始できる
  • SPF/DKIM/DMARC対応: 最新のメール認証技術に標準対応し、なりすまし・迷惑メール判定を回避
  • 日本語サポート: 日本語での電話・メールサポートに対応し、トラブル時も安心

初期費用無料・月額3,000円からのプラン制(定額+超過分従量)で、メールアドレスの入力のみで無料トライアルが可能です。Amazon SESの運用負荷やアカウント停止リスクに課題を感じている開発者にとって、現実的な代替・移行先となります。

ブラストエンジン公式サイト:https://blastengine.jp/

Amazon SESの代替に関するよくある質問

最後に、Amazon SESの代替・乗り換えについて検索される頻度の高い疑問に回答します。

FAQ

Amazon SESの代替サービスに乗り換える主な理由は何ですか?
A:アカウント単位での送信停止リスク、サンドボックス解除の審査、バウンス・苦情率の自己管理、効果測定機能や日本語サポートの不足が主な理由です。送信単価は安くても、これらの運用負荷とリスクを自社で抱え続ける必要がある点がネックになります。
Amazon SESとblastengineの違いは何ですか?
A:どちらもSMTPリレー・APIで連携する送信基盤ですが、blastengineはIPレピュテーション管理・バウンス自動対応・国内キャリア最適化をサービス側が担い、日本語サポートも受けられます。SESのアカウント停止リスクや運用負荷を軽減したい場合の代替・移行先になります。
Amazon SESの代替を選ぶときのポイントは?
A:送信単価だけでなく、①IP評価・到達率の管理を任せられるか、②導入・運用が手軽か、③日本語サポートがあるか、④運用工数まで含めた総コスト、の4軸で比較するのがおすすめです。
SendGridはAmazon SESの代替になりますか?
A:なります。グローバルの実績と豊富なSDKが強みで、大規模なトランザクションメールに向きます。ただし無料のFreeプランは2026年3月末で終了し、日本語サポートはパートナー経由で対応時間に制約があるため、国内運用では事前確認が必要です。
国内向けの配信にはどの代替サービスが向いていますか?
A:国内キャリア・ISPへの最適化と日本語サポートを重視するなら、国内提供のblastengineが向いています。運用とリスク管理を任せたい場合の現実的な選択肢です。

まとめ

Amazon SESは送信単価が非常に安い一方で、アカウント単位での送信停止リスク、サンドボックス解除の審査、バウンス・苦情の自己管理、効果測定や日本語サポートの不足といった運用上の壁があり、これらが代替サービス検討の主な理由になります。

代替を選ぶ際は、送信単価だけでなく「①IP評価・到達率の管理を任せられるか ②導入・運用が手軽か ③日本語サポートがあるか ④総コスト」の4軸で比較するのがポイントです。国内向けで運用とリスク管理を任せたいならblastengine、海外大規模配信ならSendGrid、開発者のシンプル送信ならMailgunが目安になります。

まずは自社の用途と送信規模を整理し、無料トライアルのあるサービスで使い勝手を確かめてみてください。メール配信は事業に直結する基盤です。運用負荷とリスクの両面から、自社に合った乗り換え先を選びましょう。

※Amazon Web Services、Amazon SESは、Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。※その他記載されている会社名、サービス名は各社の商標または登録商標です。

森神 佑希
この記事の執筆者

株式会社ラクスライトクラウド Webマーケティングリーダー
森神 佑希

顧客導入社数シェアNo.1のメール配信システム「blastmail」・「blastengine」のWebマーケティング担当。2年以上メルマガ配信の実務を行っており、先頭に立ってPDCAを回してきた。メルマガのノウハウは日本最高クラスと言っても過言ではない。

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